称号がすべてのこの世界で少年は、世界最強を目指す!

フィンガー

文字の大きさ
7 / 9
第1章

独り立ち

しおりを挟む
「いや、本当のことを言っただけじゃん」

シュウはわざとらしく困ったような顔をする。

「オンリーワン・タイトルをもらったからって調子に乗りやがって.....................!」

ドンマは歯をギリリッ!と鳴らしながら悔しそうにシュウを見つめる。それを見てシュウは、いつものように鼻で笑う。

「じゃあ、君の得意な喧嘩でもするかい?」

「~っ‼︎チッ!お前ら行くぞ‼︎」

ドンマは近くにあった椅子を蹴飛ばして取り巻き達を連れて部屋に戻って行った。

「本当の事を言ったまでなんだけどな。ラルクもそう思うだろ?」

シュウはやれやれと首を振る。

「何しに来たんだよ」

「あれ~?口調変わってるよ~?イメチェン?あははは!似合ってないから~。ちょーウケるんですけどー!」

ミントがすかさず煽ってくる。

うっざ⁈腹立つー‼︎絶対にいつか血祭りに上げてやる!

「ダメだろミント。本当の事を本人の前で言ったら。ショック死するかもしれないだろ」

シュウがミントをたしなめる。

「あっ!ごっめーん!あ、でもほんとにショック死するならしてくれない?なんちゃって。あははは!」

このくだりを俺は今からずっと聞かされるのか?我慢できないんですけど⁈

「バカにするために来たんだったら今のでもういいよね?俺は眠いから部屋行くよ」

俺は嫌な顔を隠す事なく淡々と話す。それを見たミントは、少しムッとなって何かを言おうとするが、シュウに止められる。

「バカにする?とんでもない‼︎ここに来たのは君とドンマのやり取りを聞いて、君が3つもメイン称号を手に入れたって聞こえたから、お祝いの言葉を言おうと思って来たんだよ。おめでとう」

シュウはショックを受けたような顔をし後すぐににっこりとした笑顔になる。

顔の変化が極端すぎてキモいな。

「どうも。それじゃあ自分はここら辺で」

俺はそう言ってこの場を去ろうとするが、シュウがなにかを思い出したかのように「あっ!そうだった!」と、言って俺の肩を掴んだ。

「なんーー」

「ーー3つもメイン称号を手に入れたからって調子に乗らない方がいいぞ。あまりふざけた態度をしてたらお前の首が体と離れ離れになる事になるからな。口には気をつけろよ」

俺が嫌そうに振り返ろうとした瞬間、振り返る前に俺の耳元に近づき小さな声で脅すように言った。

「まぁ、俺とミントは創造神教にスカウトされたからすぐにティーター教国の教都に行かないといけないからその間の少し辛抱するだけだろうけどね」

そして、肩から手を外し俺を通り過ぎて部屋の方に行きながら、楽しそうにそう言った。
シュウとミントが居なくなってから数分間、俺は時が止まったように動かなかったが、数分したら無言のまま部屋に戻り布団を被って無理矢理寝た。



あれから朝起きて行きに乗った馬車に乗って村まで戻って来た。何故かシュウとミントは別の豪華な馬車に乗っていた。いや、馬車にティーター教国の紋章が刻まれていたので何故かは気づいていた。

「ただいま」

「あっ!帰って来たのね!お帰りなさい!でどうだった?」

俺にいち早く気づいた母さんは、成人の儀がどうなったのか凄く気になったのかまくし立てるように聞いてきた。

「こらこら、母さん。そんなにまくし立てるように聞いたらシュウが困るだろ。でどうだった?」

父さんが母さんをたしなめるが結局は父さんも気になるのか急に聞いてくる。

「うん、よかったよ。3つももらったよ」

俺は苦笑いしながら答える。それを聞いた母さんと父さんは数秒間フリーズした後急に再起動し飛び上がって喜んだ。

「きゃー!やったわー!やったわ貴方ー!心配だったけどもうこれで心配ないわ!」

「ああ!ああ!安心なんてもんじゃないな!嬉しすぎるくらいだな!」

嬉しいのはわかるけど、もういい歳した大人なんだからその子供みたいに手を握り合ってピョンピョン飛び跳ねながら喜ぶのはやめてくれないかな。

「嬉しいのはわかるけど今から大事な事を言うからよく落ち着いて聞いてね」

俺がそう言うと母さんと父さんは少し顔を赤くして咳をしてから真面目な顔になる。

「大事な事ってなんだ?」

父さんは顔がまだ赤いが真剣な顔をして聞いてくる。

「帰って来てすぐなのにごめんだけど。俺冒険者になろうと思うから明日には村を出ようかなと思ってるんだよ」

「なんだそん事か。いいぞ。な、母さん?」

「ええ、いいわよ。もうラルクも大人だし、もう心配ないから」

「え?いいの?」

「ああ、いいぞ」

「ええ、いいわよ」

こうして、あっさりと許しが出て俺は村に帰って来て直ぐに町に向かう事になった。



「やっと着いたー!」

あれから、次の日俺は村を出て馬車はほとんど来ないので自分の足で町まで行った。こっそりしてた狩のおかげでステータスが上がっていて、馬車で来た時よりも早く着いた。
俺は朝一番に起きて村を出発したから、教都に行くために教国の馬車に乗っているシュウとミントは、まだネースには着いていないだろう。

「よし!冒険者ギルドに行くか」

俺は夢への道を進んだ感覚を噛み締めながら冒険者ギルドに向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト=グリモワール=シルベスタは偉大な師匠(神様)とその脇侍の教えを胸に自領を治める為の経済学を学ぶ為に隣国に留学。逸れを終えて国(自領)に戻ろうとした所、異世界の『勇者召喚』に巻き込まれ、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。 『異世界勇者巻き込まれ召喚』から数年、帰る事違わず、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居るようだが、倒されているのかいないのか、解らずとも世界はあいも変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様とその脇侍に薬師の業と、魔術とその他諸々とを仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話のパート2、ここに開幕! 【ご注意】 ・このお話はロベルトの一人称で進行していきますので、セリフよりト書きと言う名のロベルトの呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしりなので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。 なるべく読みやすいようには致しますが。 ・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。 勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。 ・所々挿し絵画像が入ります。 大丈夫でしたらそのままお進みください。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

処理中です...