称号がすべてのこの世界で少年は、世界最強を目指す!

フィンガー

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第1章

冒険者ギルド

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俺は今冒険者ギルドの扉の前にいる。冒険者ギルドの扉は、見た目は普通だが大人2人が並んで通れるくらいの大きさだ。簡単に言うとただでかいだけの扉だ。扉の上には看板があり、『冒険者ギルド』とだけ書いてあった。

この看板がなければ誰も冒険者ギルドとは思わないだろうな。

少しひょうし抜けた感じだったが、扉を開けようとすると少し緊張してきて、おもわず俺は唾を飲み込み扉を開ける手が止まる。

.....................よし、入るぞ。

俺は自分に言い聞かせ扉を開ける。
扉を開けると中に居た連中の視線が一斉に集まる。中にいるやつらは大体が柄の悪い筋肉ムキムキの連中ばかりだった。

扉を強く開けすぎたか?力み過ぎてたかな?

あまりジロジロ見られるせいで不安になるが、俺は平常心を装ってカウンターまで歩くが、俺が動いても視線は俺から離れない。ただでさえ視線が集まって気持ち悪いのに、何を考えて俺を見ているのかわかるので気持ち悪さが倍増する。そのせいで足取りも悪い。

悪い顔してんなー。あー、カウンターが遠く感じる。

俺はカウンターを見ることで、出来るだけ視線を合わせないようにする。

「冒険者登録をしに来た」

俺はカウンターに着くや否や受付嬢に言う。受付嬢は俺の顔を少し見た後興味がなくなったのか視線を外して小さな溜息をつく。

「登録には1000ターム必要です」

受付嬢はめんどくさそうにそう言う。

接客態度クソだな。

俺は受付嬢の態度にイライラしながらも我慢して1000ターム払う。
この世界の通貨は世界共通で単位がタームだ。
鉄貨は1ターム、銅貨は10ターム、銀貨は100ターム、大銀貨は1000ターム、金貨は10000ターム、大金貨は100000ターム、白金貨は1000000タームとなっている。
受付嬢は俺が出した1000タームを受け取るとまた小さな溜息を吐いて立ち上がり、カウンターの奥に行き一枚の白いカードを取って来る。

「このカードに血を垂らしてください」

そう言って俺の前にカードと小さな針を出す。俺は針を取り指先に刺して血を出す。そして、その血の付いた指を俺はカードに押し当てる。
すると、カードが俺の血を吸い取り赤くなる。

「おぉ!」

俺は驚きカードから指を離し半歩下がる。

「「「ヒッヒッヒッヒッ!」」」

周りから俺を見て笑う声が聞こえるが、俺は無視して赤くなったカードを覗き込む。
すると、またカードに変化が起きる。みるみるとカードが赤から緑に変わったのだ。
そして、カードに『ラルク』、『Fランク』と文字が浮かび上がる。

「ほー」

俺はそれを見て興奮しておもわず声が出る。

「これで登録は終了です。冒険者カードはランクが上がるごとに色が変わります。ランクは依頼を達成していくと上がります。説明は以上です。用がないのなら退いてください。仕事の邪魔です」

受付嬢はそれだけ言うと手を振って退くように促す。

ムカつくー!

俺はあまりにも失礼な接客態度にキレそうになるが歯を食いしばって我慢する。そして、このままいたら我慢できそうになかったのと、今日は冒険者登録だけしてこの後は泊まる宿を探す予定だったので、冒険者ギルドを出るために入り口に向かう。
だが、予想していたとおり俺に絡んでくるやつがいた。

「おい新人。ちょっと止まれよ」

そう言って入り口の前に俺より少し大きな筋肉ムキムキな大男が立ち塞がる。
それを見て周りの奴らは「「「いいぞいいぞー!」」」と言って手を叩いて煽ってくる。

「何ですか?用がないのなら退いてください。邪魔です」

俺が睨みつけてそう言うと、男は額に青筋を少し立てて顔を近づけてくる。

「おい。何偉そうに言ってんだ?今の状況がわからねーのか?新人は先輩に土下座して挨拶するのが当たり前だろ~?」

男は舐め腐った顔でそう言ってくる。
周りの奴らも「「「そうだそうだー!」」」と、言って煽る。

馬鹿かこいつら?

俺は怒りを通り越して呆れてしまう。だが、俺が呆れた顔をして見ているのに気づかずに男は話し続ける。

「まぁ、俺は優しいからな。怒らないでやるから有り金全部よこしな」

そう言って男は俺の前に手を出してヒラヒラさせる。

「それのどこが優しいんだ?くだらないな。馬鹿じゃねーの?」

俺はそう言って男の手を振り払う。
それを聞いた男は眉をピクピクさせて額に青筋を立てる。

「俺が下手に出るからって。舐めてんじゃねーぞ..............クソ餓鬼が‼︎」

そう言って男は急に殴りかかってきた。
が、俺はそれを片手で難なく受け止める。

「なっ!」

男は驚愕する。周りの奴らもざわつき始める。

パンチ遅っ!弱っ!現役の冒険者はこんなものなのか?それともこいつが弱いだけか?

俺は想像以上に男が雑魚いことに驚愕する。

「さっきのどこが下手に出てたんだ?てか、舐めてんのはそっちだろ。それと、お前から殴りかかって来たんだから殴られても文句言えないよな?」

俺は視線を入り口から男に向けて口角を釣り上げて笑った。
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