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達也はしばらくお腹を抱えて笑っていましたが、ようやく息を整えると、コーヒーを一口飲んで言いました。
「お母さん、強引すぎるよ。でも、恵理はいつまでその話を信じてたの?」
恵理は少し照れくさそうに、カップの縁を指でなぞりました。
「うーん、小学校の低学年くらいまでかなあ。保健体育の授業で体の仕組みを習った時に、『あれ? お母さんの言ってたことと教科書が違う!』って気づいて。家に帰って速攻でお母さんに問い詰めたんだよね」
「あはは、ついに真実を知っちゃったわけだ。お母さんはなんて?」
「それがさ、お母さんたら教科書を見せても動じないのよ。『それはね、教科書を書いた人が、お母さんの言うことを聞かなかったから、本当のことが書けなかったのよ』って、また新しい設定を付け加えてきて」
「徹底してるなあ! 陰謀論みたいになってるじゃないか」
達也が感心したように言うと、恵理は苦笑いしながら続けます。
「でしょ? でも、さすがに私もその頃には『あ、これお母さんの作り話だ』って気づいたんだけどね。でも、お兄ちゃんたちは今でもお母さんにそのネタでいじられてるんだよ」
「今でも?」
「そう。お正月に親戚が集まった時とかに、お母さんがお兄ちゃんに向かって『あんた、あの頃は本当に可愛い女の子だったのに、お母さんの言うこと聞きすぎて立派なものが生えちゃって……』とか言い出すの。お兄ちゃん、顔を真っ赤にして『もうその話はやめろよ!』って怒るんだけど、お母さんは『ほら、やっぱり恥ずかしいのねぇ』って楽しそうに笑ってて」
達也は想像して、また吹き出しました。
「お兄さんたち、災難だね。でも、それだけ仲が良い家族なんだろうな」
「まあね。でも、そのせいで私、しばらくの間、男の子っていうのは『お母さんの言うことをよく聞いた、元女の子』なんだって本気で思ってたから、男友達を見る目がちょっと変わっちゃった時期があったんだよ」
「どう変わったの?」
「この子も、昔は可愛い女の子だったのかな……お母さんの言うこと、頑張って聞いたんだな……偉いな、って。ちょっと尊敬の眼差しで見てた」
恵理が真顔で言うので、達也はついにテーブルに突っ伏して笑い転げました。
「お母さん、強引すぎるよ。でも、恵理はいつまでその話を信じてたの?」
恵理は少し照れくさそうに、カップの縁を指でなぞりました。
「うーん、小学校の低学年くらいまでかなあ。保健体育の授業で体の仕組みを習った時に、『あれ? お母さんの言ってたことと教科書が違う!』って気づいて。家に帰って速攻でお母さんに問い詰めたんだよね」
「あはは、ついに真実を知っちゃったわけだ。お母さんはなんて?」
「それがさ、お母さんたら教科書を見せても動じないのよ。『それはね、教科書を書いた人が、お母さんの言うことを聞かなかったから、本当のことが書けなかったのよ』って、また新しい設定を付け加えてきて」
「徹底してるなあ! 陰謀論みたいになってるじゃないか」
達也が感心したように言うと、恵理は苦笑いしながら続けます。
「でしょ? でも、さすがに私もその頃には『あ、これお母さんの作り話だ』って気づいたんだけどね。でも、お兄ちゃんたちは今でもお母さんにそのネタでいじられてるんだよ」
「今でも?」
「そう。お正月に親戚が集まった時とかに、お母さんがお兄ちゃんに向かって『あんた、あの頃は本当に可愛い女の子だったのに、お母さんの言うこと聞きすぎて立派なものが生えちゃって……』とか言い出すの。お兄ちゃん、顔を真っ赤にして『もうその話はやめろよ!』って怒るんだけど、お母さんは『ほら、やっぱり恥ずかしいのねぇ』って楽しそうに笑ってて」
達也は想像して、また吹き出しました。
「お兄さんたち、災難だね。でも、それだけ仲が良い家族なんだろうな」
「まあね。でも、そのせいで私、しばらくの間、男の子っていうのは『お母さんの言うことをよく聞いた、元女の子』なんだって本気で思ってたから、男友達を見る目がちょっと変わっちゃった時期があったんだよ」
「どう変わったの?」
「この子も、昔は可愛い女の子だったのかな……お母さんの言うこと、頑張って聞いたんだな……偉いな、って。ちょっと尊敬の眼差しで見てた」
恵理が真顔で言うので、達也はついにテーブルに突っ伏して笑い転げました。
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