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セクシーな拓也
しおりを挟むパジャマに着替えた拓也の体の沙織がリビングへ戻ると、ソファの上でくつろぐ**妙に色っぽい姿**の沙織の体の拓也が目に飛び込んできた。
「……えっ。」
思わず足が止まる。
なぜなら——**沙織の体の拓也は、黒のレースがあしらわれたセクシーなネグリジェを着ていたのだ。**
「ちょ、拓也、何着てんの!?」
沙織の体の拓也は、にっこり微笑んでネグリジェの裾をひらひらと持ち上げた。
「これ? 俺が**お前の誕生日にプレゼントしたネグリジェ**だよ♪」
「は???」
拓也の体の沙織は、完全に混乱した。
確かに、これは自分(沙織)が以前拓也からプレゼントされたものだ。
けど、あまりにセクシーすぎて一度も着ることなくタンスの奥にしまっていたのに……
「お前が全然着ないから、俺が**試しに着てみたよ!**」
「……」
言葉を失う拓也の体の沙織。
一方、沙織の体の拓也は、ネグリジェの肩紐を指で軽く弾きながら、ドヤ顔で続けた。
「どう? 似合ってる?」
「いや、**似合う似合わないの問題じゃないわよ!!**」
「えー? 俺としては**めっちゃセクシーでいい感じ**だと思うんだけど?」
沙織の体の拓也は、くるりと一回転して、裾をふわっとなびかせた。
確かに、外見だけ見れば美人な沙織そのものなので**驚くほどに似合ってしまっている。**
でも、内面は完全に拓也。
つまり、**ただの悪ふざけでしかない。**
「拓也、それ本気で言ってるの!?」
「うん! やっぱりこういうのは実際に着てみないと、良さが分からないもんだなー♪」
「いやいや、そういう問題じゃなくて! そもそも、拓也が着る意味がないでしょう!?」
「いやいや、俺たち**体が入れ替わってる**んだから、もう**誰が何を着ても問題なし!**」
「いや大有りだわ!!」
沙織の体の拓也はソファに寝転びながら、**妖艶なポーズ**まで決めてきた。
「くぅ~! 俺、今めっちゃ色っぽい気がする!」
「もうやめて!! 早くパジャマに着替えてよ!!!」
「えぇー、せっかく着たのに~。」
「そういうのは、もっと本物の女らしい仕草ができる奴がやるものなのよ!」
「は? 俺は今、完璧に“女”だけど?」
「**中身は男でしょう!!**」
「ぶっ!」
さすがの沙織の体の拓也も吹き出しながら、「まぁ、確かに……」と苦笑い。
拓也の体の沙織は大きくため息をつくと、パジャマを手に取って突きつけた。
「ほら、さっさとこれに着替えて!」
「えぇ~……まぁ、せっかくだし、また**いつか**着るってことで?」
「二度と着ないでよ!!」
拓也の体の沙織の必死の叫びが、夜のリビングに響き渡るのだった。
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