性転換デート

レンタル彼女

### 「性転換パンストとレンタル彼女のアルバイト」

陽介（ようすけ）は、街を歩きながらため息をついた。大学生活もあと少し、就職活動を控えているというのに、貯金はすっかり底をついていた。バイトを増やしたいが、普通の仕事では到底間に合いそうにない。そんな時、友人から耳にしたのが「レンタル彼女」という仕事だった。

「お前が女になれれば、すぐに稼げるぞ」

冗談のように聞こえたその言葉だが、陽介は実は知っていたのだ。性別を簡単に変えることができる「魔法のパンスト」があることを。

数ヶ月前、古びた雑貨屋で見つけたそのパンストは、履いた瞬間に完全に女性の姿になるという不思議なアイテムだった。陽介はそれを面白半分で買ってみたが、結局使うこともなく引き出しにしまっていた。しかし、今がそのチャンスかもしれない。

「やってみるか…」

陽介は決意し、さっそくそのパンストを履いた。瞬く間に彼の体は変わり、鏡に映るのは若くて美しい女性。髪は艶やかな黒髪に、顔立ちは柔らかくなり、スラリとした女性の体つきに変化していた。

「まさか、本当に変わるとは…」

驚きとともに、新しい自分に少し興奮すら覚えた。レンタル彼女として働くため、名前も「陽菜（ひな）」と名乗ることに決めた。

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初めての仕事の日、陽菜は緊張しながら待ち合わせ場所に向かった。依頼者は健太という若い男性で、休日を一緒に楽しむための「彼女役」をお願いされたのだった。待ち合わせの場所に着くと、健太が少し緊張した表情でこちらに歩み寄ってきた。

「初めまして、陽菜さん。今日はよろしくお願いします。」

陽菜は落ち着いた笑顔を見せ、柔らかい声で返した。「こちらこそ、よろしくお願いします。」

自分でも信じられないほど、自然に振る舞えていた。健太にバレないように、彼氏役ではなく「彼女」として行動することに集中しなければならない。

二人はデートの定番コースを歩き始めた。最初は少しぎこちなかったが、徐々にお互いリラックスし、楽しく話せるようになっていった。陽菜は思ったよりもこの「彼女役」を楽しんでいることに気づいた。健太は、陽菜の細やかな気配りに感心しながら、二人の時間を満喫していた。

ショッピングモールでは、一緒に服を見てまわり、健太が陽菜に「これ、似合うと思う？」と尋ねる場面もあった。陽菜は軽く笑って、「うん、すごくいいと思う」と答える。彼は陽菜が思っていたよりも優しくて、誠実そうな青年だった。

次に訪れたカフェで、健太がふと陽菜に問いかけた。「陽菜さんって、普段はどんなことしてるの？」

その質問に、一瞬答えに詰まる陽菜だったが、「えっと…いろいろ、普通に働いてたりするよ」と曖昧に答えた。性別を偽っている自分に少し罪悪感を覚えつつも、陽菜としての自分がこの場にいることに不思議な感覚を抱いていた。

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デートが終わり、別れ際に健太は名残惜しそうにこう言った。「今日はすごく楽しかった。また、お願いしてもいいかな？」

陽菜は一瞬ためらったが、笑顔で頷いた。「うん、いつでも呼んでね。」

健太が去って行った後、陽菜は大きく息を吐き出した。やはり疲れるものだが、全体的には悪くない体験だった。だが、何よりも陽介としては考えられないような「彼女」としての時間を味わえたことに、不思議な満足感を覚えていた。

その夜、元の姿に戻り、パンストを脱いだ陽介は、鏡の前で再び自分の顔を見つめた。

「これが、またやりたくなるなんて思わなかったな…」

自分が男として、健太に好かれていることに少し罪悪感を抱きながらも、陽菜としての時間にどこか引き込まれている自分に気づく。次の依頼が来たら、また陽菜としてデートをするだろう。その予感が、心に静かに広がっていた。

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