性転換デート

レンタル彼氏

### 「性転換パンストとレンタル彼氏のアルバイト」

里奈（りな）はその日の朝、駅前で小さな広告を見つけた。「レンタル彼氏募集中！時給高め！未経験者歓迎！」。それは彼女にとって、まさに「一石二鳥」のチャンスに見えた。

実は、里奈は最近「魔法のパンスト」を手に入れた。それを履くと、簡単に男性に変身できるというものだ。このアイテムを使って、彼氏としての仕事をすれば、日常では味わえない新鮮な体験ができるし、しかもアルバイトでお金も稼げるなんて、一挙両得だと考えた。

彼女は即座に行動に移した。パンストを履いて男の姿になり、「リョウ」と名乗ることにした。背が高く、顔立ちも凛々しい彼の姿は、まさに「理想の彼氏」そのものだった。

---

その日の午後、リョウこと里奈はレンタル彼氏の事務所で初めての仕事を受けた。依頼主は、あかりという名前の女性。デートの内容はシンプルで、ただ一緒に買い物をし、カフェでお茶をするだけというものだった。

リョウは少し緊張しながらも、待ち合わせ場所に向かった。待っていたのは、落ち着いた雰囲気のあかり。彼女は少し恥ずかしそうに微笑んでリョウに話しかけた。

「初めまして、リョウさん。今日はよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」リョウは低く落ち着いた声で答えたが、内心では「あぁ、バレてない…」と胸を撫で下ろした。パンストの魔力で完全に男性の姿になった彼女は、自分がこんなに自然に振る舞えることに驚いていた。

二人はショッピングモールを歩き、あかりがいくつかの洋服を試着するのを手伝った。リョウは、適切な距離を保ちながらも、彼氏らしくエスコートすることに集中した。時折、あかりがリョウに「この服どう思う？」と聞くたびに、リョウは真剣に答えた。「その色、似合ってるよ」とか「もう少し明るい色も見てみる？」と、まるで長年付き合っているかのように自然に。

あかりも次第にリラックスし、デートはとても和やかな雰囲気になった。二人はカフェに入り、甘いスイーツをシェアしながら話が弾んだ。

「リョウさんって、どんな人なんだろう？」あかりが興味津々に尋ねた。「こうして会う前、ちょっと緊張してたけど、すごく優しくて話しやすい人でよかった。」

リョウは内心ドキッとしつつ、笑顔で答えた。「そんなことないよ。僕も、あかりさんが素敵な人で安心した。」

だが、里奈としての感覚が混じり始め、少し戸惑いを感じていた。最初はただの「アルバイト」として割り切るつもりだったが、あかりとの交流が楽しく、そしてどこか特別な感情が芽生えている自分に気づいたのだ。

---

デートが終わり、あかりが名残惜しそうにリョウに別れを告げる時、彼女は微笑んで言った。「今日は本当に楽しかった。また会えたら嬉しいな。」

リョウはしばらく答えをためらったが、最終的にこう答えた。「…僕も。また、いつでも呼んでね。」

その夜、里奈は元の姿に戻り、家に帰った。鏡の前で自分を見つめながら、ふとあかりとの楽しい時間を思い返した。恋人のふりをするのはただのアルバイトのはずだったのに、いつの間にか「彼氏」として本当に彼女に寄り添っていた自分がいた。

「また会えるかな…？」

その問いが、里奈の心に静かに響いた。