取れてしまったアレ

廣瀬純七

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突然出てきたアレ

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ペニスが突然なくなってしまったあの日、何もかもが変わった。朝目覚めた瞬間、身体に何かが決定的に違うと感じた。その違和感を抱えながら病院に駆け込んだが、医師も家族も、誰もが「あなたは元々女性でしょ?」と口を揃えて言った。その瞬間、自分の記憶と周囲の認識がまったく一致しないことに気づき、現実がどこか歪んでしまったように感じた。

それまで恋人だった美咲も、同じだった。彼女に「大事な話がある」と打ち明けたとき、俺の言葉は真剣だった。「美咲、俺の体に起きたこと、信じてくれ」と。しかし彼女は、にっこり笑って「何言ってるの?あなたは元から女友達でしょ?」と、まるでその言葉が疑いようのない事実であるかのように答えた。

それ以来、俺たちの関係は恋人から「女友達」へと変わった。最初は違和感だらけだったが、時間が経つにつれて、少しずつその現実を受け入れるようになった。周囲の誰もが俺を女性として扱い、それが当然のこととして流れていく。かつての男性としての自分は、まるで幻だったかのように薄れていった。

「もう、女性として生きていくしかないんだろうな…」そう心の中で覚悟を決めた瞬間、なぜか心が軽くなった。これからは女としての人生を歩むしかない。美咲とも友達として楽しくやっていけるし、この状況に順応するしかないんだ、と。

そんなある日、美咲が久しぶりに遊びに来た。

「ねえ、今日は何して過ごす?」と明るい声で部屋に入ってきた美咲。相変わらず彼女は笑顔が眩しく、俺もそれを見て自然と笑顔になった。

「特に何も決めてないけど、何か軽く食べてから映画でも見る?」と返すと、美咲は「いいね、じゃあその前にちょっと部屋片付けようか」と、いつものように手際よく掃除を始めた。彼女が来ると、なぜかいつも部屋が綺麗になる。

「ベッドの下とかもちゃんと掃除してる?ホコリ溜まってない?」と、美咲がベッドの下を覗き込んでいる。

「まあ、ちょっとは…」そう言いながら、特に気にせずにいた俺だったが、美咲がベッドの下に手を伸ばし、何かを取り出した瞬間、彼女の動きがピタッと止まった。

「ねえ、これ…なんか変なもの見つけたんだけど…」

そう言って、美咲が持ち上げたのは、まさかの「ペニス」だった。自分の目を疑った。なくなったはずの、それが、目の前に実体として存在している。

「えっ、なんでそれがここに…」言葉が出ないまま、美咲の手元を凝視した。見覚えのある形、感触、それは確かに俺のペニスだった。

美咲も目を丸くして「これ、本当に…あなたの?」と困惑した様子で尋ねてきた。

「いや、消えたはずなんだ…本当に。朝起きたら突然なくなってて、それでみんなが俺のことを元々女だって…」

「確かに、みんなそう言ってたけど…これが本当にあなたのなら、どういうこと?」

俺は頭を抱え、状況を整理しようとしたが、全く理解が追いつかない。ペニスは確かに消えていたはずだ。それが今、目の前に現れた理由が全くわからない。

「まるで、誰かがこれをここに隠していたみたいな…」美咲が冗談っぽく言ったが、彼女も驚きを隠せないようだった。

俺はペニスをそっと手に取り、その感触を確認した。リアルで、確かに自分の体の一部だったもの。だが、もう今さらこれがどうなろうと、俺の決意は変わらない。

「でも、俺はもう女として生きていくって決めたんだ。これが戻ってきたからって、また男に戻るわけじゃない。そういう人生はもうないんだって、覚悟してたし…」

美咲は黙って聞いていたが、やがて優しい笑顔を浮かべて言った。

「そっか。でも、どっちでもいいんじゃない?あなたが自分らしくいられるなら。それに、私はどっちのあなたでも友達でいたいから。」

彼女の言葉に、胸が少し軽くなった。ペニスが戻ったとしても、自分が選んだ道はもう変わらない。美咲との友情も、今の自分の生き方も、すべてが今の自分にとって正しい道だった。

「ありがとう、美咲。そうだな、これからも女友達として、よろしく頼むよ。」

ふたりで笑い合いながら、俺はペニスをそっと引き出しにしまった。それは、過去の象徴であり、今の自分にとってはもう必要ないものだ。

美咲と共にこれからの人生を歩んでいく。その先に何が待っているかはわからないが、ペニスが戻ってきたことさえ、もう些細なことに思えてきた。

もう使わない俺のペニスは大切に保管すると言った美咲に預けたが好奇心が旺盛な彼女が自分の股間にくっ付けたら取れなくなってしまい彼女が俺の彼氏になった。でもこれ以上の大切な保管方法はないでしょうと美咲は笑って言った。
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