性転のへきれき

廣瀬純七

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私たちどうするの?

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「裕人、夏休みが終わっても元にはもどらなかったね、、」
「うん、俺の考えが甘かったな、、」
裕人と美月は二学期が始まった学校から帰宅して裕人の部屋に居た。少し気温が高かったがエアコンは点けずに窓を開けていたので風でカーテンがヒラヒラと揺れていた。
「あっ、裕人!足を開かないで!」
「御免!御免!癖でつい開いちゃうんだよ、」
「今、裕人は女子なんだから注意してね!」
「ああっ、分かった分かったよ!」
裕人はつい最近までは男だったので美月の体に変わってスカートを履いていても足を開く癖は直らなかった。
「でもさーっ、美月も俺の体に変わっていても時々女っぽい仕草をしているよ!」
「それは仕方がないでしょうチョット前までは女子だったんだからお互い様でしょう!」裕人の姿の美月は不満げな顔でそう言った。
「ねーっ、裕人、もうあれをやるしかないんじゃないの?」
「あれって何っ?」
「セックスよ!」
美月の口から飛び出した想定外の発言に裕人はビックリした。
「セックス?俺と美月が体が入れ替わったままでセックスをするのか?」
「そう!元に戻る方法はもうそれしかないわ!」
「俺は全然してもいいけど美月は本当にいいのか?」
「仕方がないでしょう、もうやるしかないわ!」と言うと美月はいきなり制服のシャツを脱ぎ始めた。

「えっ、今からやるのか?」
「勿論よ!逆に親がいない今しかないでしょう!裕人も服を脱いで!早くしないと裕人のお母さんが帰って来るわよ!」美月は急かせる様に早口で裕人に言った。美月に急かされて裕人も制服を脱いで下着姿になってベッドに腰掛けた。客観的に見れば下着姿の高校生の男女なのだが裕人と美月の主観的には同性の下着姿に見えた。
「ねえっ、セックスってどうやるの?裕人はした事あるの?」
「な、ないよ!」裕人は有ると言いたかっが嘘をついてもバレると思ったので正直に答えた。
「ふーん、裕人もした事がないんだ。意外と真面目だったのね!」
「美月、ゴムは持って来た?」
「ゴムって何っ?」不思議そうな顔で美月は言った。
「コンドームだよ!」
「コンドーム?」
「そう避妊具のコンドーム!もしセックスして妊娠したらどうするんだ?」
「そうね、妊娠しちゃったら大変ね、どうする裕人?」
美月の姿の裕人は腰掛けていたベッドから立ち上がり机の引出しを開けて奥の方から小さな箱を取り出して美月に手渡した。
「これを使えよ!」
「何これ?」
「コンドーム!」
「裕人、こんなもの持っているんだ、」
「一応な!」裕人は自慢げな顔で美月に言った。
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