TSメイク

廣瀬純七

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女装で買い物

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「いや、これ絶対バレるって……!」  

鏡の前で震える高橋拓也は、まさかこんな日が来るとは思ってもみなかった。  

彼の隣で満足そうに腕を組むのは、彼女の中村愛。今日の仕掛け人だ。  

「大丈夫、大丈夫! 誰も拓也だなんて思わないって!」  

「そんなわけ……」  

拓也は鏡に映る自分を見つめた。  

長い茶髪のウィッグがふわりと揺れる。愛のメイク技術で完璧に整えられた顔は、どう見ても女の子。さらに、彼女が選んだ可愛らしいワンピースを着せられ、スラリとした足にはストッキングまで履かされている。  

「お前、本気でこれで外出させる気か……?」  

「むしろ、このまま一生閉じこもる気?」  

拓也は深くため息をついた。確かに、メイクをした自分の顔は信じられないほど女性的だった。だが、いざ外に出るとなると話は別だ。  

「ちょっとコンビニ行くだけだから! さ、ほら!」  

「コンビニだけ……」  

そう自分に言い聞かせ、拓也はついに一歩を踏み出した。  

---  

夜の街は、思っていたほど冷たくなかった。  

「……マジで誰も気づかないな……」  

「でしょ?」  

コンビニの自動ドアが開く。拓也は内心ドキドキしながら店内を歩いた。しかし、店員も他の客も特に気に留める様子はない。  

「あ、あのスイーツ美味しそう!」  

愛が無邪気に指をさす。拓也もつられてそちらを向いた瞬間――  

「お姉さん、よかったらLINE交換しません?」  

不意に背後から声をかけられた。  

拓也の動きが止まる。振り返ると、そこには若い男性がニコニコと立っていた。  

「え、あ、あの……」  

「ええっ!? ちょ、ナンパ!? やだー、人気者じゃん!」  

横でクスクス笑う愛を睨みながら、拓也は心の中で絶叫していた。  

(俺、今めっちゃ女の子に見えてる……!?)  

果たしてこのまま乗り切れるのか!?
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