TSメイク

廣瀬純七

文字の大きさ
10 / 21

合コン作戦会議

しおりを挟む

その日の放課後、愛と彩香、美咲(拓也)は大学近くのカフェに集まり、夜の合コンに向けた作戦会議を開いていた。  

「まず、大前提として**美咲が男だと絶対にバレてはいけません!**」  

愛がテーブルをトントンと叩きながら真剣な表情で言う。  

「そりゃそうだろ……もしバレたら、マジで終わる……」  

美咲はすでに不安でいっぱいだった。  

「うんうん。でもさ、見た目も声も完璧だし、普通に女の子として通ると思うけど?」  

彩香がコーヒーを飲みながら言うと、愛も頷く。  

「それはそうなんだけど、やっぱり男っぽい仕草とか言葉遣いが出たら怪しまれるでしょ?」  

「た、確かに……」  

美咲は自分の動きを振り返って、改めて気を引き締める。  

「だから、いくつかルールを決めよう!」  

### **【合コンでバレないためのルール】**  
1. **声を可愛く保つ!**(低い声は厳禁!)  
2. **座るときは足を閉じる!**(男っぽい座り方はアウト)  
3. **男らしい言葉は禁止!**(「マジで?」→「ほんとに?」)  
4. **食べ方に気をつける!**(ガツガツ食べない!)  
5. **ボディタッチは控える!**(近づきすぎると危険!)  

「……こんな感じかな!」  

「いや、細かすぎない?」  

「これくらい気をつけないとダメなの! で、美咲は**絶対にお酒を飲まないこと!**」  

「え、なんで?」  

「酔ったら素が出るでしょ!」  

「……たしかに、それはヤバい……」  

「うん。だから、**絶対にバレないように私たちもフォローするから、美咲はとにかく『普通の女の子』を演じてね!**」  

「……演じるしかねぇのか……」  

美咲は深いため息をつきながら、覚悟を決めた。  

---

### **「想定外のモテっぷり!?」**  

そして夜、合コンの会場であるオシャレな居酒屋に到着した美咲たち。  

「うわ、すごい美人が来た……」  

「ねぇねぇ、あの子誰?」  

美咲が入店した瞬間、男たちの視線が一斉に集まった。  

(やっべ……すでに目立ってる……)  

予想以上の注目度に、美咲は内心冷や汗をかく。  

席につくと、さっそく男性陣が話しかけてきた。  

「美咲ちゃんってどこの大学?」  

「え、えっと……」  

(やべっ、どこって言えばいいんだ!?)  

「えっと、私……**他の大学なんですけど、愛ちゃんに誘われて……」  

「へぇ~、じゃあ今日が初対面なんだ!」  

「そうなんです……」  

(やばい、ドキドキして頭が回らん!!)  

「美咲ちゃんって、すごいおしとやかだね~!」  

「そ、そうかな?」  

「めっちゃ可愛いし、彼氏いるの?」  

「えっ……」  

(えっ、そんなこと聞かれるの!?)  

焦った美咲がチラッと愛を見ると、愛はニヤニヤしながらウィンクした。  

(助けろよ!!)  

「えっと……い、いません……」  

「えっ、マジ!? こんなに可愛いのに!?」  

「それなら俺、立候補していい?」  

「いやいや、俺が先に話しかけたんだから俺が!」  

「おいおい、喧嘩するなって! じゃあ美咲ちゃん、どんな男の人がタイプ?」  

(うわあああ、なんだこの流れ!!)  

美咲はパニックになりながらも、なんとか笑顔を作る。  

「えっと……や、優しい人……かな?」  

「うわ、それ俺じゃん!」  

「いやいや、俺の方が優しいし!」  

美咲の一言で、男たちが一斉に盛り上がる。  

(ちょっと待て……これ、俺モテすぎじゃね!?)  

まさかの展開に、美咲は完全に混乱していた。  

---

### **「危機一髪!」**  

そんな中、男の一人がふと美咲の手を見つめた。  

「あれ? 美咲ちゃんって意外と手が大きい?」  

「えっ……!」  

一瞬、場が凍りつく。  

(ヤバい!!)  

男の視線が美咲の指先から腕に移動する。  

「もしかして、スポーツとかやってた?」  

(助けてくれえええ!!)  

その時――  

「そうそう! 美咲ちゃん、昔テニスやってたんだよね~!」  

愛がすかさずフォローを入れる。  

「え、そうなの?」  

「う、うん! 小さい頃に……」  

「へぇ~、それでスラッとしてるんだね!」  

「うんうん、納得!」  

(あ、あぶねぇ……)  

美咲は内心心臓が止まりそうだったが、なんとかごまかせたようだった。  

その後も何度か危険な瞬間はあったものの、愛と彩香のフォローでなんとか乗り切り、合コンは無事終了。  

帰り道――  

「ねぇ、美咲……今日の感想は?」  

「二度と行きたくねぇ!!!」  

愛と彩香は大爆笑しながら、美咲の肩を叩くのだった――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

処理中です...