TSメイク

飴の秘密

 
学食でヘリウムガスを吸ったような高音ボイスになってしまった咲良と彩香。  

「ねぇ！ ほんとにこれ**半日も**このままなの！？」  

「どうにかならないの！？ こんな声で授業とかマジで無理！！」  

二人が必死に訴える中、愛はくすくす笑いながら、落ち着いた声で説明を始めた。  

「**あの飴はね、もともと声が低い男性が女性の声になるための飴なの！**」  

「えっ……？」  

「だから、**もともと声が高めな女の子が舐めると、ヘリウムガスみたいな声になっちゃうんだよね～♪**」  

「そ、そんなの先に言ってよ！！！」  

咲良と彩香が同時に叫ぶ（もちろん、超高音ボイス）。  

「ふふっ、ごめんごめん！ でもね、実は私も最初にこの飴を買ったとき、試しに舐めてみたのよ」  

「えっ……愛も？」  

彩香が目を丸くする。  

愛はコクンと頷くと、少し懐かしそうに微笑んだ。  

「うん……でも、舐めた瞬間、**私も咲良と彩香みたいに、めっちゃ高いヘリウムガスみたいな声になっちゃって！** びっくりして、しばらく何も喋れなかったの！」  

「ええええっ！？ 愛もだったの！？」  

「そうそう！ だから、私には全然向いてないってわかって、それ以来使ってないの。でも、声が低い男の拓也には効果抜群だったでしょ？」  

「確かに……あの時の美咲の声、めっちゃ自然だったもんね……」  

「え、じゃあ、私たちはただの犠牲者ってこと……？」  

咲良と彩香が唖然とする。  

「まぁまぁ、貴重な体験ができたってことでいいじゃない♪」  

愛はニコッと笑って、軽く肩をすくめた。  

「全然よくない！！」  

「早く戻りたーい！！」  

二人の超高音ボイスの叫び声が、再び学食に響き渡るのだった――。