パラサイト 中学生の結衣編

廣瀬純七

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愛の願いと結衣の困惑

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夏休みも終わりに近づき、セミの声が少しずつ弱まる頃。結衣と愛の二人に再び変化が訪れた。  

ある朝、愛が目を覚ますと、前日と同じく男の子の身体だった。自分の体を確認しながら、愛は不思議と嬉しさを感じていた。  

「やっぱり……これ、本当に夢じゃないんだ。」  

一方、結衣は再び鏡の前で自分の体を見つめていた。完全に女の子の体に戻っていることに気づき、困惑した様子だった。  

---

### 再会しての会話  

「愛、やっぱり変わったままだったんだね。」  

結衣が愛に会いに行くと、愛は晴れやかな表情を浮かべていた。  

「うん! なんかね、これがずっと望んでた自分なんだって気がするの。」  

「望んでた?」結衣は首をかしげた。  

愛は少し恥ずかしそうに話し始めた。  

「私ね、小さい頃からお兄ちゃんみたいになりたいって思ってたの。男の子になりたいって。だけど、それを誰にも言えなくて……。だから、この体になったとき、最初はびっくりしたけど、今はすごく嬉しいんだ。」  

---

### 結衣の複雑な心境  

「そっか……。愛が嬉しいなら、それは良かったのかもしれない。」  

結衣は愛の笑顔を見ながらそう言ったが、内心では複雑な思いを抱えていた。  

「でも、私は……。せっかく男の子として生きてきたのに、また女の子に戻っちゃった。」  

愛は結衣の肩に手を置き、優しい声で言った。  

「結衣、大丈夫だよ。結衣がどんな姿でも、私は結衣が好きだし、ずっと友達だよ。」  

---

### 愛の喜び  

愛は自分の新しい体に満足しているようだった。鏡の前で短髪の自分を見つめ、力強い手や背筋を伸ばした姿に自信を持っていた。  

「こんなに心が軽くなったの、初めてだよ。これが本当の自分なんだって気がする。」  

結衣はその姿を見て、少し羨ましいと思いながらも、愛の幸せを心から願った。  

---

### 新しい二人の関係  

夏休みの終わり、二人はそれぞれの新しい体で学校生活を始める準備をしていた。  

愛は男の子としての自分に自信を持ち、結衣は再び女の子として生活する自分を受け入れようとしていた。  

「愛がこうして嬉しそうにしてるのを見ると、私も頑張ろうって思えるよ。」  

「ありがとう、結衣。これからも一緒に、色んなことを乗り越えていこうね。」  

二人はお互いの手をしっかり握り、新しい日々に向けて前向きな一歩を踏み出したのだった。  

--- 
愛の願望が叶い、結衣もその変化を受け入れたことで、二人の絆はさらに強まった。不思議な体験が彼女たちをより深く結びつけた夏の思い出は、二人にとって特別なものとなった。
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