ストレンジな世界

廣瀬純七

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お風呂にて

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ある日、僕はいつも通りに仕事から帰り、疲れた体を癒すために風呂に入った。湯船に浸かりながら、ぼんやりと天井を見上げていると、ふと「体を洗おう」と思い立ち、湯船から出て体を洗い始めた。特に何も変わったことはなく、日常の一部としての風呂タイム。シャンプーで髪を洗い、石鹸を手に取り体をゴシゴシ。

しかし、その時だった。

ペニスが、取れた。

一瞬、何が起こったのか分からなかった。まるで何かの冗談のように、手に持っていた石鹸と一緒に自分のペニスが手にある。まるで簡単なパズルのピースが外れたかのように、股間からポロリと取れてしまったのだ。

「え…嘘だろ?」

僕は言葉を失い、手の中のそれを見つめた。冷静になろうとするが、これはどう考えても冷静に対処できる事態ではない。慌てて元の場所、つまり股間に押し付けてみる。だが、くっ付けたと思ったら、すぐにまたポロリ。何度試しても、取れてしまう。

「どうしよう…」

頭の中は混乱していた。だが、何とかしなければと考え、結局、病院に行くことにした。ズボンを履いて、手にはタオルで包んだペニスを持って。

病院の受付に着いた僕は、どう説明すべきか悩んだ。だが、結局は事実を伝えるしかないと思い、意を決して受付の女性に話しかけた。

「すみません、あの…ペニスが取れちゃって…」

女性は一瞬、目を見開いたが、すぐに無表情に戻った。

「ええと、どういうことですか?」

「いや、その…風呂に入ってたら、ペニスが…取れたんです。ここに…」僕はタオルに包んだものを少し見せた。

受付の女性は困惑した表情を浮かべ、僕をじっと見つめた後、何か書類を持ち出した。「冗談ではないんですよね?」という彼女の声には若干の疑いが含まれていた。

「もちろん冗談じゃないです! 本当に取れたんです!」僕は必死に訴えた。

しばらくして、看護師が僕を診察室へ案内してくれた。診察室に入ると、若い医者が座っていた。彼は僕を見て、「どうされましたか?」と尋ねた。

「…ペニスが取れたんです」

「ペニスが、取れた?」

「そうです…風呂で体を洗ってたら、突然取れてしまって…」僕は再びタオルを少し開けて見せた。

医者は一瞬、怪訝な表情をした後、ため息をついた。「うーん…これは何かのいたずらですか?もしくは心理的な症状ですかね?実際にそんなことが起こるとは思えませんが…」

「本当なんです!くっ付けてもすぐに取れちゃうんです!」僕は必死に訴えた。

だが、どうにも信じてもらえないようだった。医者は困ったような顔で、僕に「しばらく休んでください」とだけ言い、その後もまともな治療を受けられなかった。

結局、その日は何も解決せずに家に戻った。ペニスはまだ取れたままだ。どうすればいいのか、途方に暮れながら、僕は再び風呂に入ることにした。
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