ストレンジな世界

廣瀬純七

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姉の運命

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またしても、その奇妙な出来事が僕たちを襲った。

ある日の夜、僕は再び風呂場で体を洗っていた。前回のことを思い出し、慎重に動作をしていたが、残念ながら運命は避けられなかった。まさにその瞬間、ペニスが再びポロリと取れてしまったのだ。

「またか…」

僕はがっくりと肩を落とし、前回のように風呂に戻せば何とかなるだろうと楽観的に構えていた。ところが、その時、運命の悪戯が再び僕を襲った。姉が風呂場に突然入ってきたのだ。

「ちょっと!また長風呂?早く上がってよ!」

僕が返事をする前に、またしても姉にペニスが当たり、その瞬間、僕の悪夢は再来した。ペニスは再び姉の股間にくっ付いてしまったのだ。

「はぁ!?またこれ!?なんで私にくっ付くのよ!」

姉は以前にも増して怒りと驚きを爆発させたが、事態はさらに悪化していた。これまでなら、湯船に浸かればペニスは僕の元に戻ってきたのに、今回は何度湯に浸かっても一向に戻ってくる気配がなかった。

「取れない…」僕は焦りながら言った。

「何よ、これ…どうなってんの!?」姉も驚いた顔で自分の股間を見て、無理やり引っ張ろうとしたが、まったく取れない。まるで姉の体の一部になったかのように、ペニスはしっかりとくっ付いてしまっていた。

「今回は本当にダメみたいだ…」僕は頭を抱えた。

---

その後、何度か試したが、やはりペニスは姉の体から取れなかった。病院に行っても、再び信じてもらえないだろうことは目に見えている。姉はついに、観念したように椅子に座り込み、ため息をついた。

「もう…こうなったら、仕方ないわね…」

「え?」

「取れないんだったら、このまま生きていくしかないでしょ?」姉は真剣な顔で僕を見た。

「いや、そんなこと…」

「でも、現実にこうなってるんだから、もうどうしようもないじゃない。これからは、私が男として生きるしかないってことよ。」姉の決意は固まっているようだった。

僕はその言葉に驚いたが、確かにどうしようもない現実を前に、彼女の決断は合理的に思えた。だが、実際にそう生きていくとなると、たくさんの困難が待ち受けているのではないかと心配になった。

「でも、本当に大丈夫なのか?急に男として生きるって、いろいろ大変だと思うけど…」

「仕方ないでしょ。これをどうにかできる方法がない以上、受け入れるしかないの。もう文句言っても始まらないしね。」姉は毅然とした表情で立ち上がり、自分の新しい姿に少しずつ慣れようとしているようだった。

---

それから数日、姉は本当に「男」としての生活を始めた。まずは髪を短くし、男物の服を着て、口調も少しずつ変えていった。最初は戸惑いもあったが、次第にその姿はまるで本物の男性のようになりつつあった。

驚いたことに、周囲の反応も思ったほど悪くなかった。姉は学校や職場で「最近ちょっと雰囲気が変わった」と言われることはあったが、誰もそれが「本物の変化」であるとは気づかないようだった。

しかし、僕は時折、姉が鏡を見て少し複雑な表情を浮かべるのを目にしていた。心の中では、まだ完全には受け入れられていないのかもしれない。それでも彼女は前を向いて生きていこうと決意している。

「新しい名前とか、考えた方がいいのかな?」ある日、姉が冗談めかして言った。

「新しい名前?いや、そこまでしなくても…」

「でも、せっかく男として生きるなら、ちゃんとした男っぽい名前があった方がいいかもね。どうせならカッコいい名前にしようかな。どう?『アキラ』とか?」姉は少し笑いながら僕に尋ねた。

僕もその冗談に少し笑い返した。「アキラ、か…。悪くないんじゃない?」

そうして、姉は新しい自分を受け入れ、「アキラ」としての人生を歩み始めた。

---

それからしばらくして、僕と姉、いや「アキラ」との関係は少しずつ変わっていった。彼女は男としての役割を受け入れる一方で、時には昔の姉らしい優しさや気遣いも見せてくれる。そして、僕たちはこの奇妙な状況を少しずつ「普通」のものとして受け入れていった。

ただ、ひとつだけ言えることがある。二度と、風呂場でペニスが取れることはないようにと、僕は心から願っている。姉が男として生きる決意を固めた今、これ以上の混乱はもうごめんだ。

そして、僕もまた、彼女の新しい人生を全力でサポートすることを決めたのだった。
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