架空戦国伝

第５章 祐藤の野望編

56.米村山城改修

志太家は先程の戦いによって荒れた米村山城の改修作業に早速取り掛かろうとしていた。
今回の改修も細野城での改修において大成功を収めた大村義道と羽村貞道が担当。
そして新たに口羽崇数も米村山城へ派遣され、改修作業に取り組むこととなった。

貞道
「崇数殿、共に改修を行ってこの米村山城下を立派なものとできるように力を合わせて参ろうぞ。」

崇数
「うむ、米村山の民たちの為にも我らの頑張りが伝わるようにお互いにしっかりと働こうではないか。」

二人の目は輝いていた。

貞道は、自身の配下である山賊衆を米村山城に集めていた。

貞道
「今回もお前たちの力を貸していただきたい。よろしく頼みぞ。」

貞道は山賊衆に深々と頭を下げてそう言った。

山賊
「お頭。いや貞道様、お辞めくだされ。貞道様は我らのような身分の者に頭を下げられるお方ではありませぬ。」

貞道
「身分など関係無いわ。それにお前たちが今回の改修に貢献することでもお前たち自身の生活も楽にさせてやることができる。心して励んでくれよ。」

かつて貞道が山賊衆の頭領だった頃、今のように安定した収入が無く配下の山賊衆たちを養えきれなくなり、多くの者たちを路頭に迷わせてしまった過去があった。
そうした出来事からか貞道の配下への配慮は人一倍の気を配っていたようだ。

義道
「よし、それでは米村山城の改修に取り掛かろうぞ。」

こうして米村山城の改修作業が始まったのである。