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第6章 風雲志太家編
57.柳城攻め(4)
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崇数は、晴清の軍勢に対して挑発的な態度をとっていた。
それに対して晴清は反応し、軍勢は昂り始めていた。
晴清
「お望み通り、拙者の力をとくと見せてやろうぞ。お前たちよ、いくぞ!」
そう言うと晴清は果敢にも前線に出て崇数の本体を目指して突撃を開始した。
崇数
「かかりおったな、儂の挑発工作にまんまと引っかかりおって。私怨の為に我を忘れるなど人の上に立つ者にはあるまじき行為であることを思い知らせてやろうぞ。」
崇数の軍勢は鉄砲を構え始め、突撃してくる晴清の軍勢に対して照準を合わせた。
崇数
「鉄砲隊、打ち方良し。撃つは今ぞ、一気に放て!」
辺りには鉄砲の砲撃による轟音が響き渡った。
この戦いにおいて崇数の用意した鉄砲隊は相当な人数であったとされ、その威力は凄まじいものであったという。
やがて晴清の軍勢は次々と銃弾を体に受け、多数の死傷者が出始めていた。
晴清
「ぐっ…い、いかん!これでは全員やられてしまうぞ!全軍退くのじゃ。」
晴清は自身の兵たちが崇数の軍勢によって放たれる鉄砲によって一人、また一人と倒れていく様子を見てそう叫んだ。
しかし辺りは凄まじい鉄砲の砲撃音の為、晴清の悲痛な叫びはかき消されていた。
崇数
「もう遅い、指示を見誤ったことを後悔するが良い、晴清殿。」
崇数による攻撃によって晴清の軍勢は半分程度の犠牲が出ていたと言われている。
晴清が崇数の挑発工作にかかった事によるこの被害によって、後々の戦いに大きく影響することになる事は間違い無いであろう。
やがて崇数の軍勢による鉄砲の攻撃が止んだ。
晴清の軍勢は突然の猛反撃に恐れをなし、士気は著しく低下していた。
晴清
「えぇい、貴様ら聞こえぬか!早う退け。城に戻って籠城を始めるのじゃ。」
晴清は混乱している兵たちに対して激昂した様子でそう叫んだ。
その様子を見た兵たちは我を取り戻したかのように急いで柳城を目指して退却を始めたのであった。
崇数
「ふむ、籠城するか。ここで晴清殿の首を取れると思うておったがな。まぁ良い、遅かれ早かれ柊家は間もなく滅びようぞ。」
柳城へ退却し始めた晴清の軍勢を見て残念そうな様子であった。
一方その頃、崇冬の軍勢は大奮闘を繰り広げており、こちらも志太軍が優勢であった。
崇冬
「先程の勢いはどうされましたかな、実幸殿。」
崇冬は余裕そうな表情をして実幸に向かってそう言った。
先刻前には大口を叩いていた崇冬に対して見下した態度を見せた実幸ではあったが、みるみるうちに戦況は崇冬の軍勢が優勢となったことに対して納得がいかない様子だ。
何よりも崇冬との実力の差を見せつけられたことによって実幸の自尊心は酷く傷つけられていた。
実幸
「くっ、かような小童に翻弄されるなどこの上ない屈辱にござる。だが、このまま戦えば我らの軍勢は壊滅じゃ、真に悔しいがここは城へ戻って兵を立て直すべきじゃな。」
実幸は悔しげな表情を見せ、兵たちに対して退却の号令をかけた。
次の瞬間、兵たちは皆が凄まじい勢いで柳城を目指して退却し始めていた。
崇冬
「平岡実幸殿、口ほどにも無き者でござったな。もう少し骨のある御方であると思うておったのじゃが、残念にござる。」
こうして柊軍は志太軍による猛攻を受けたことにより撤退し、柳城へ戻った。
戦いの舞台は柳城の籠城戦へと移ろうとしている。
それに対して晴清は反応し、軍勢は昂り始めていた。
晴清
「お望み通り、拙者の力をとくと見せてやろうぞ。お前たちよ、いくぞ!」
そう言うと晴清は果敢にも前線に出て崇数の本体を目指して突撃を開始した。
崇数
「かかりおったな、儂の挑発工作にまんまと引っかかりおって。私怨の為に我を忘れるなど人の上に立つ者にはあるまじき行為であることを思い知らせてやろうぞ。」
崇数の軍勢は鉄砲を構え始め、突撃してくる晴清の軍勢に対して照準を合わせた。
崇数
「鉄砲隊、打ち方良し。撃つは今ぞ、一気に放て!」
辺りには鉄砲の砲撃による轟音が響き渡った。
この戦いにおいて崇数の用意した鉄砲隊は相当な人数であったとされ、その威力は凄まじいものであったという。
やがて晴清の軍勢は次々と銃弾を体に受け、多数の死傷者が出始めていた。
晴清
「ぐっ…い、いかん!これでは全員やられてしまうぞ!全軍退くのじゃ。」
晴清は自身の兵たちが崇数の軍勢によって放たれる鉄砲によって一人、また一人と倒れていく様子を見てそう叫んだ。
しかし辺りは凄まじい鉄砲の砲撃音の為、晴清の悲痛な叫びはかき消されていた。
崇数
「もう遅い、指示を見誤ったことを後悔するが良い、晴清殿。」
崇数による攻撃によって晴清の軍勢は半分程度の犠牲が出ていたと言われている。
晴清が崇数の挑発工作にかかった事によるこの被害によって、後々の戦いに大きく影響することになる事は間違い無いであろう。
やがて崇数の軍勢による鉄砲の攻撃が止んだ。
晴清の軍勢は突然の猛反撃に恐れをなし、士気は著しく低下していた。
晴清
「えぇい、貴様ら聞こえぬか!早う退け。城に戻って籠城を始めるのじゃ。」
晴清は混乱している兵たちに対して激昂した様子でそう叫んだ。
その様子を見た兵たちは我を取り戻したかのように急いで柳城を目指して退却を始めたのであった。
崇数
「ふむ、籠城するか。ここで晴清殿の首を取れると思うておったがな。まぁ良い、遅かれ早かれ柊家は間もなく滅びようぞ。」
柳城へ退却し始めた晴清の軍勢を見て残念そうな様子であった。
一方その頃、崇冬の軍勢は大奮闘を繰り広げており、こちらも志太軍が優勢であった。
崇冬
「先程の勢いはどうされましたかな、実幸殿。」
崇冬は余裕そうな表情をして実幸に向かってそう言った。
先刻前には大口を叩いていた崇冬に対して見下した態度を見せた実幸ではあったが、みるみるうちに戦況は崇冬の軍勢が優勢となったことに対して納得がいかない様子だ。
何よりも崇冬との実力の差を見せつけられたことによって実幸の自尊心は酷く傷つけられていた。
実幸
「くっ、かような小童に翻弄されるなどこの上ない屈辱にござる。だが、このまま戦えば我らの軍勢は壊滅じゃ、真に悔しいがここは城へ戻って兵を立て直すべきじゃな。」
実幸は悔しげな表情を見せ、兵たちに対して退却の号令をかけた。
次の瞬間、兵たちは皆が凄まじい勢いで柳城を目指して退却し始めていた。
崇冬
「平岡実幸殿、口ほどにも無き者でござったな。もう少し骨のある御方であると思うておったのじゃが、残念にござる。」
こうして柊軍は志太軍による猛攻を受けたことにより撤退し、柳城へ戻った。
戦いの舞台は柳城の籠城戦へと移ろうとしている。
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