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第7章 天下分け目の大決戦編
28.攻撃目標
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翌日、祐藤は家臣と大名たちを集めて評定が開かれた。
皆が集まった中で祐藤は、堂々たる様子で声をあげた。
祐藤
「皆に報告がある。この先日、信常の発明した兵器がついに完成したぞ。その名も、地獄式爆弾である。」
その瞬間、家臣や大名たちがざわつき始めた。
「地獄式爆弾」という余りにも物騒な名前の兵器が祐藤の口から出た事に対しての驚きであろうか。
そんな中、玄名が恐る恐る口を開く。
玄名
「地獄式爆弾…にございますか…」
玄名は、動揺した様子であった。
さらに祐藤が続けて言う。
祐藤
「うむ、そうじゃ。この地獄式爆弾で桐丘城を吹き飛ばす。こうして幕府の直轄地である桐丘島の惨状をあえて継晴に見せてやるのじゃ。さすれば幕府も恐れをなして我らの前に降伏するであろうぞ。」
祐藤は毅然とした態度で今回の作戦について説明していたが、それ以上にほとんどの家臣や大名たちがうろたえていた事もあってか状況を理解できずにいた。
しかし、ただ一人冷静な表情をしていた崇数は祐藤に対して言った。
崇数
「なるほど。話し合っても無駄な相手故に、武をもって分からせるということにございますな。致し方ありませぬな。」
この強行手段について崇数は概ね肯定的な様子である。
そして先程に動揺していた様子の玄名がそれに続いて言った。
玄名
「殿の新たな犠牲を生み出さぬ為の策であることは承知しております。しかし、僧の身である私としてはあまり気の進む話ではございません。」
戦では兵たちを傷つける事を嫌った玄名らしい意見である。
事実、柳家や柊家との戦いにおいても兵たちをいかにして説得するかが玄名にとっての戦であった為、今回の作戦については気が進まない様子だ。
祐藤
「玄名殿よ、これは戦の無き泰平の世を造る為には乗り越えねばならぬ犠牲である。どうか分かってはくれぬか。」
祐藤は、玄名に真剣な眼差しを向けてそう言った。
綺麗事では皆が望む泰平の世は訪れない。
今ここで犠牲を払わなければ、また新たな犠牲を次々と呼ぶであろう。
祐藤は、こうした説得の言葉を淡々と述べていた。
すると、玄名が再び口を開いた。
玄名
「泰平の世…にございますか…分かりました。私も心を鬼に致しましょう…」
渋々ながらも玄名は納得した様子であった。
そして祐藤による作戦の説明が一通り終わり、任務の遂行について祐藤が口を開いた。
祐藤
「では、こたびの作戦は地獄式爆弾を発明した当人の信常に任せよう。よろしく頼んだぞよ。」
信常
「承知いたしました。」
すると祐宗がすかさず立ち上がり、祐藤に対して言った。
祐宗
「お待ちくだされ父上。作戦実行の前に一度、幕府に対して猶予を与えてはいかがでございましょうか。」
祐藤
「ほう、あらかじめ攻撃することを幕府に伝えておくと申すか。祐宗よ、真意を何とする?」
祐宗は、志太家からあえて事前に桐丘島を攻撃する旨を幕府に伝えておく事を提案した。
そして、地獄式爆弾を用いる事で起きるであろう桐丘城での惨劇を出来るだけ詳しく幕府に伝える。
いわば脅しのような外交手段ではあるが、幕府が恐れをなして志太家に対して降伏する事も充分に有り得る。
そうすれば無血で幕府を降伏させ、多大な犠牲を無くす事も可能であろう。
祐宗は、その可能性に賭けようとしていたのだ。
祐藤
「ふむ、確かにお前の申す通り上手く行けば犠牲も少なく済む。良かろう。では、やって見せよ。作戦の実行は幕府の返答次第ぞ。」
祐宗
「はっ、それでは拙者が継晴の元へ出向きます。良き返事が貰えれば良いのですが…」
祐宗は、少し不安げな表情をしていた。
皆が集まった中で祐藤は、堂々たる様子で声をあげた。
祐藤
「皆に報告がある。この先日、信常の発明した兵器がついに完成したぞ。その名も、地獄式爆弾である。」
その瞬間、家臣や大名たちがざわつき始めた。
「地獄式爆弾」という余りにも物騒な名前の兵器が祐藤の口から出た事に対しての驚きであろうか。
そんな中、玄名が恐る恐る口を開く。
玄名
「地獄式爆弾…にございますか…」
玄名は、動揺した様子であった。
さらに祐藤が続けて言う。
祐藤
「うむ、そうじゃ。この地獄式爆弾で桐丘城を吹き飛ばす。こうして幕府の直轄地である桐丘島の惨状をあえて継晴に見せてやるのじゃ。さすれば幕府も恐れをなして我らの前に降伏するであろうぞ。」
祐藤は毅然とした態度で今回の作戦について説明していたが、それ以上にほとんどの家臣や大名たちがうろたえていた事もあってか状況を理解できずにいた。
しかし、ただ一人冷静な表情をしていた崇数は祐藤に対して言った。
崇数
「なるほど。話し合っても無駄な相手故に、武をもって分からせるということにございますな。致し方ありませぬな。」
この強行手段について崇数は概ね肯定的な様子である。
そして先程に動揺していた様子の玄名がそれに続いて言った。
玄名
「殿の新たな犠牲を生み出さぬ為の策であることは承知しております。しかし、僧の身である私としてはあまり気の進む話ではございません。」
戦では兵たちを傷つける事を嫌った玄名らしい意見である。
事実、柳家や柊家との戦いにおいても兵たちをいかにして説得するかが玄名にとっての戦であった為、今回の作戦については気が進まない様子だ。
祐藤
「玄名殿よ、これは戦の無き泰平の世を造る為には乗り越えねばならぬ犠牲である。どうか分かってはくれぬか。」
祐藤は、玄名に真剣な眼差しを向けてそう言った。
綺麗事では皆が望む泰平の世は訪れない。
今ここで犠牲を払わなければ、また新たな犠牲を次々と呼ぶであろう。
祐藤は、こうした説得の言葉を淡々と述べていた。
すると、玄名が再び口を開いた。
玄名
「泰平の世…にございますか…分かりました。私も心を鬼に致しましょう…」
渋々ながらも玄名は納得した様子であった。
そして祐藤による作戦の説明が一通り終わり、任務の遂行について祐藤が口を開いた。
祐藤
「では、こたびの作戦は地獄式爆弾を発明した当人の信常に任せよう。よろしく頼んだぞよ。」
信常
「承知いたしました。」
すると祐宗がすかさず立ち上がり、祐藤に対して言った。
祐宗
「お待ちくだされ父上。作戦実行の前に一度、幕府に対して猶予を与えてはいかがでございましょうか。」
祐藤
「ほう、あらかじめ攻撃することを幕府に伝えておくと申すか。祐宗よ、真意を何とする?」
祐宗は、志太家からあえて事前に桐丘島を攻撃する旨を幕府に伝えておく事を提案した。
そして、地獄式爆弾を用いる事で起きるであろう桐丘城での惨劇を出来るだけ詳しく幕府に伝える。
いわば脅しのような外交手段ではあるが、幕府が恐れをなして志太家に対して降伏する事も充分に有り得る。
そうすれば無血で幕府を降伏させ、多大な犠牲を無くす事も可能であろう。
祐宗は、その可能性に賭けようとしていたのだ。
祐藤
「ふむ、確かにお前の申す通り上手く行けば犠牲も少なく済む。良かろう。では、やって見せよ。作戦の実行は幕府の返答次第ぞ。」
祐宗
「はっ、それでは拙者が継晴の元へ出向きます。良き返事が貰えれば良いのですが…」
祐宗は、少し不安げな表情をしていた。
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