294 / 549
第7章 天下分け目の大決戦編
68.三浦宮御所の戦い(21)
しおりを挟む
志太連合軍の猛攻を受けた事により幕府軍の士気は著しく低下。
その結果、多くの兵たちの戦意が喪失されつつあった。
その様子を見た教晴は、御所内の人質の監視を強化する事を提案。
人質には多くの兵たちの家族が囚われている為、脅しを効かせて志太連合軍と戦わせる策とした。
しかしこの策は継晴に対しての表向きの目的であり、真の目的は人質を解放させて兵たちの寝返りを促す事にあった。
ほどなくして教晴は人質の捕えられている牢獄に到着。
辺りは継晴直属の兵たちが監獄の周りを警備していた。
教晴は兵たちに対して声をかける。
教晴
「お前たちよ、ご苦労であるな。」
兵
「ははっ!これは教晴様!何か…御用にございますか?」
将軍の跡継ぎである教晴がこのような場所にわざわざ足を踏み入れに来た事に対して兵たちは非常に驚いた様子であった。
そして教晴が兵たちに対して説明を始めた。
教晴
「父上より御所内の人質を監視せよとの命により、今より余がこの場を守ることになった。」
教晴は、将軍である継晴の主命であることを強調していた。
そして続けて教晴が言う。
教晴
「我が幕府軍は志太軍に押されておる故、お前たちは父上の元へと急ぎ、志太軍との戦いに専念するのじゃ。良いな?」
教晴は神妙な表情をしていた。
その表情からは、少しでも多くの兵が志太軍と戦わなければ幕府軍は壊滅すると言った切羽詰まった状態である事を伝えているようである。
兵
「それは…真にございますか?」
教晴の急な言葉に兵たちは困惑し始めた。
兵たちの数は、多く見積もってもせいぜい百あるかどうかである。
この場にいる兵たちが志太軍との戦いの前線に出たところで果たして勝機はあるのか。
など、少し腑に落ちない様子であった。
すると教晴は苛立った表情を見せて強い口調で兵たちに言った。
教晴
「えぇい!何をぐずぐずしておるか!余の申すことが分からぬのか?このままでは我が軍は壊滅してしまうというのじゃぞ!さぁ、急ぐのじゃ!」
普段は温厚で怒りの表情を見せない教晴が、この時ばかりは鬼のような形相をして声を荒らげていた。
その様子を見た兵たち皆が慌て出した。
兵
「ははっ!大変失礼いたしました!それでは拙者たちは早急に継晴様の元へ参らせていただきます!」
そう言うと兵たちは移動を開始した。
牢獄の周りを囲っていた群れが一つの方角を目指して進んで行く。
やがて全ての兵たちが牢獄を去った事を確認した教晴が人質の方を向いて言う。
教晴
「さてと…そろそろ始めるとするか。」
教晴の声を聞いた人質たちは、恐怖に満ちた表情で体を震わせながら言う。
人質
「の、教晴様…私たちは殺されてしまうのでございましょうか?」
人質たちは、教晴のような将軍家の中でも身分の高い人間が直々にこの牢獄に赴くには何か意味があるのでは、と考えていた。
もしや、継晴が教晴に対して処刑を命じられてこの場に来たのでは無いか。
そう考えた人質たちは、絶望に満ちた表情をしていた。
すると、今まで神妙な顔つきをしていた教晴が突如笑顔を見せて人質たちに言う。
教晴
「安心いたせ、余はお前たちを殺めに参ったのではござらん。皆の者よ、この者たちの縄をほどいてあげよ!」
教晴直属の兵たちは牢獄の扉を開け、人質たちを縛っていた縄をほどき始めた。
人質
「教晴様?これは一体…どういうことにございますか?」
人質たちはきょとんとした顔で教晴にそう言った。
教晴
「余はお前たちを解放する機会を伺っておった。その機会が今、訪れたのじゃ。これでお前たちも家族の元へと帰られるぞ、喜ぶが良い!」
教晴は人質たちに対して笑顔を向けていた。
その瞬間、人質たちは先程と一転して希望の表情を見せ始める。
人質
「教晴様…ありがとうございます!ありがとうございます!」
人質たちは何度も何度も教晴に深々と頭を下げ、感謝の言葉を口にしていた。
教晴
「感謝するならば志太家の者たちにするが良い。今後はお前たちの良き領主様となってくれるであろう。志太将軍殿としてな…」
教晴は人質たちに対してそう言っていた。
その結果、多くの兵たちの戦意が喪失されつつあった。
その様子を見た教晴は、御所内の人質の監視を強化する事を提案。
人質には多くの兵たちの家族が囚われている為、脅しを効かせて志太連合軍と戦わせる策とした。
しかしこの策は継晴に対しての表向きの目的であり、真の目的は人質を解放させて兵たちの寝返りを促す事にあった。
ほどなくして教晴は人質の捕えられている牢獄に到着。
辺りは継晴直属の兵たちが監獄の周りを警備していた。
教晴は兵たちに対して声をかける。
教晴
「お前たちよ、ご苦労であるな。」
兵
「ははっ!これは教晴様!何か…御用にございますか?」
将軍の跡継ぎである教晴がこのような場所にわざわざ足を踏み入れに来た事に対して兵たちは非常に驚いた様子であった。
そして教晴が兵たちに対して説明を始めた。
教晴
「父上より御所内の人質を監視せよとの命により、今より余がこの場を守ることになった。」
教晴は、将軍である継晴の主命であることを強調していた。
そして続けて教晴が言う。
教晴
「我が幕府軍は志太軍に押されておる故、お前たちは父上の元へと急ぎ、志太軍との戦いに専念するのじゃ。良いな?」
教晴は神妙な表情をしていた。
その表情からは、少しでも多くの兵が志太軍と戦わなければ幕府軍は壊滅すると言った切羽詰まった状態である事を伝えているようである。
兵
「それは…真にございますか?」
教晴の急な言葉に兵たちは困惑し始めた。
兵たちの数は、多く見積もってもせいぜい百あるかどうかである。
この場にいる兵たちが志太軍との戦いの前線に出たところで果たして勝機はあるのか。
など、少し腑に落ちない様子であった。
すると教晴は苛立った表情を見せて強い口調で兵たちに言った。
教晴
「えぇい!何をぐずぐずしておるか!余の申すことが分からぬのか?このままでは我が軍は壊滅してしまうというのじゃぞ!さぁ、急ぐのじゃ!」
普段は温厚で怒りの表情を見せない教晴が、この時ばかりは鬼のような形相をして声を荒らげていた。
その様子を見た兵たち皆が慌て出した。
兵
「ははっ!大変失礼いたしました!それでは拙者たちは早急に継晴様の元へ参らせていただきます!」
そう言うと兵たちは移動を開始した。
牢獄の周りを囲っていた群れが一つの方角を目指して進んで行く。
やがて全ての兵たちが牢獄を去った事を確認した教晴が人質の方を向いて言う。
教晴
「さてと…そろそろ始めるとするか。」
教晴の声を聞いた人質たちは、恐怖に満ちた表情で体を震わせながら言う。
人質
「の、教晴様…私たちは殺されてしまうのでございましょうか?」
人質たちは、教晴のような将軍家の中でも身分の高い人間が直々にこの牢獄に赴くには何か意味があるのでは、と考えていた。
もしや、継晴が教晴に対して処刑を命じられてこの場に来たのでは無いか。
そう考えた人質たちは、絶望に満ちた表情をしていた。
すると、今まで神妙な顔つきをしていた教晴が突如笑顔を見せて人質たちに言う。
教晴
「安心いたせ、余はお前たちを殺めに参ったのではござらん。皆の者よ、この者たちの縄をほどいてあげよ!」
教晴直属の兵たちは牢獄の扉を開け、人質たちを縛っていた縄をほどき始めた。
人質
「教晴様?これは一体…どういうことにございますか?」
人質たちはきょとんとした顔で教晴にそう言った。
教晴
「余はお前たちを解放する機会を伺っておった。その機会が今、訪れたのじゃ。これでお前たちも家族の元へと帰られるぞ、喜ぶが良い!」
教晴は人質たちに対して笑顔を向けていた。
その瞬間、人質たちは先程と一転して希望の表情を見せ始める。
人質
「教晴様…ありがとうございます!ありがとうございます!」
人質たちは何度も何度も教晴に深々と頭を下げ、感謝の言葉を口にしていた。
教晴
「感謝するならば志太家の者たちにするが良い。今後はお前たちの良き領主様となってくれるであろう。志太将軍殿としてな…」
教晴は人質たちに対してそう言っていた。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
江戸の夕映え
大麦 ふみ
歴史・時代
江戸時代にはたくさんの随筆が書かれました。
「のどやかな気分が漲っていて、読んでいると、己れもその時代に生きているような気持ちになる」(森 銑三)
そういったものを選んで、小説としてお届けしたく思います。
同じ江戸時代を生きていても、その暮らしぶり、境遇、ライフコース、そして考え方には、たいへんな幅、違いがあったことでしょう。
しかし、夕焼けがみなにひとしく差し込んでくるような、そんな目線であの時代の人々を描ければと存じます。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる