あの日、好きになったのは君でした

SNOW❄️

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第7章 すれ違いの夏

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夏休みが始まって、一週間。
気づけばカレンダーに、×印が増えていく。

「今日も……会えなかったな」

当たり前だ。
学校がないんだから。

でも、どこかで偶然に――
駅で、バス停で、コンビニで。
そんな奇跡を、どこかで期待していた。

けれど、現実は静かだった。
毎日、暑さだけが襲ってくる。

──連絡先なんて、知らない。
──クラスも違う。
──部活も被っていない。

それでも、
鈴本さんのことばかりが頭に浮かんだ。

あの日、目が合ったのは――
気のせいじゃなかった。
きっと、何かを感じてくれてた。
そう思いたかった。


ある日、俺はふと母に言われる。

「最近、外に出ないじゃない。誰かと遊んでくれば?」

「……別に」

言えなかった。
誰にも言えるわけがない。
自分の中で、あの“気持ち”だけが膨らんでいた。


その夜、花火大会のポスターを見つけた。
「8月5日、市民公園」

そこで、ふと思った。

――鈴本さんも来るかもしれない。

脈なんてない。
希望もない。
でも、たった一つの想像が、ユウトを動かした。

「行ってみようかな……」

次の日、鏡の前で髪を整えた。
いつもより少しだけ、シャツをアイロンして。
だけど――

会えなかった。
探しても、探しても。

似ている子は何人もいた。
でも、あの空気感、
あの表情の子は一人もいなかった。

「……やっぱ、無理か」

夜空に大きな花火が咲いた。

「来てるわけ、ないか……」

涙は出なかった。
でも、胸の奥がずっと苦しかった。

その夜、布団の中で小さくつぶやいた。

「鈴本さん……今、何してるんだろ」

空は静かだった。
ただ、セミの声が遠く響いていた。
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