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悪いお兄ちゃんー弦×朔良×凌空ー(後編)
しおりを挟む「ちょっ……ダメかも……気持ちいい……」
僅かに開けた唇を、まるで空気を求める魚のようにハクハクとさせる。
すっかり剥ぎ取られた服は四方に転がり、背後から凌空に、前から弦に、朔良は刺激を受けた。
「凌空くん……キスして……」
首筋に感じる凌空の吐息。
振り返り朔良は、凌空を求める。
凌空の目に映る朔良。
細めた目に覗く瞳は潤み、頬を染め、そして唇までもが、赤く火照る。
合わせた唇を味わい、クチュッ……と絡み合う音が鳴る。
「朔良……エロ……すぎん?」
「……え?」
唇を重ねながら、凌空が囁く。
息が、重なり合う。
「だって……凌空くんと弦くんがこんなんするから……」
「ふっ……エロすぎ……」
朔良は静かに笑いながら、朔良の肩に舌を這わせた。
凌空の温かい吐息が、背にかかる。
「……ちょっと……止めよっか」
SUUの声がそれを止めた。
朔良の背中に体重を預けた凌空が、ふるふると震えているのが、背中から伝わる。
「え……どうしたんすか?」
「朔良……エロすぎだろ……」
「えぇ?」
「りっちゃん~隠れたつもりやったん?」
「ばれた? エロすぎて思わず吹いたわ! 誤魔化したんだけどなぁ」
「それで背中いったんすか?」
「口もとがにやけとんのわかったで」
「まじかー!」
「いやでも朔良ちょっとエロすぎだよ、俺らがペース呑みこまれた感あったなぁ」
刺激を受け勃ち上がったソレを軽く弾き、弦は言った。
白い肌に染まる頬。
長めの前髪から覗く瞳は潤み、そしてそれは、凌空を求めた。
「お前どっかでやってた? この仕事」
「なに言ってるんすか」
「まじでエロすぎ!」
「なにがっすか? 自分ではわかんないですよ」
「なんだろ? 目つき? 雰囲気?」
「表情がいいよねぇ……」
頷きながら、SUUは言う。
凌空のような、絶対的に整った万人受けする顔ではない。
弦のような、惹かれる雰囲気ある空気感でもない。
櫂のような、無邪気な可愛らしさもない。
クールで多くを語らない朔良の、朔良にしか醸し出せないナニか、がある。
SUUはそれを確信していた。
「ただちょっとエロすぎるなぁ~可愛らしさもっと出せる? 恥ずかしさとかさ」
「結構最大限出してたんすけど……」
「圧倒的にそれよりエロさが出てたよ」
「難しいなぁ……」
朔良自身に、余裕があるわけではなかった。
凌空や弦の言うエロさがどこにあるのか、わからない。ただ、凌空と弦から受ける刺激に身を委ねていた。
自分の中にある可愛らしさ。
可愛いなんて言われたこともなければ、それを出そうと思ったこともない。
「女の子とヤッててさ、可愛いって思ったことないの?」
「へ?」
「いや、そーゆー朔良が相手に対して思ったことを、再現してみたら?」
「いやぁ……」
「え、まさか童貞?」
「いやいやいやまさか流石にそれはないっすけど」
「初体験が俺だったら申し訳ないわ!」
弦がソファに身体を投げ出し、笑った。
その足は、朔良の身体を挟むように、凌空と絡み合う。
「え、じゃあどっから?」
「凌空くんキスしてってとこかな? あれがエロすぎたからなぁ……」
「どんな感じで言えばいいかなぁ……」
「ちゅぅーとか?」
「キャラ違いすぎねぇ?」
「表情変えればいいんじゃねぇ?」
ただ、雰囲気に呑まれ凌空を求めた。
でもこれは、お兄ちゃんたちに遊ばれている若者の設定。凌空や弦に、遊ばれながらも、それに気づきながらも雰囲気に溺れていく若者を演じる。
「ヤリながら演じるってムズイっすね」
朔良は何度も、そのセリフを繰り返した。
その度に、アドバイスを受ける。
「凌空くん……キスして……」
背後にいる凌空の方を振り返るように、首を伸ばす。
間をおき少し、はにかみながら、視線をゆっくりと凌空に向けた。
ニヤリと、凌空が笑う。
まるで「OK」という合図のように、凌空は朔良の首筋に手を当てた。
「お前可愛いなぁ……」
そう耳元でささやき、そして唇を重ねた。
その音と、重ねた唇を捉えるように、カメラが近づく。動くそのカメラに意識を取られぬように、朔良は凌空の舌を追いかけた。
「朔良が挿れて、俺、最初フェラさせりゃいいよな?」
「うん、それから朔良に挿れよう」
「それ、俺動けるんすか?」
「自由に動いていいよ、俺、朔良の動きに合わせるから」
「弦ちゃんカッコいい~すっかりベテランやね」
すっかり全裸になった男3人が、真面目に流れを確認する。その光景をふと客観的に捉えると滑稽な姿で、でもそう感じさせないピリッとした雰囲気がココにはあって、朔良は心地良い緊張感の中にいた。
「挿れさしてやるよ……」
「ほんと?」
大きなソファに、凌空が仰向けに横になり、そして朔良に手を伸ばす。あらかじめ装着しておいたコンドームとローションを、よく馴染ませる。そしてたっぷりと馴染ませた凌空の穴に、挿し当てた。
ゆっくりと、引きずり込まれるように、絡みつく凌空のナカ。その朔良の動きに合わせるように、凌空はふぅーっと息を吐き、カラダの中心の力を緩めた。
「凌空くん……あったかい……」
馴染む感覚を感じながら、朔良は凌空を見下ろした。
静かに微笑を浮かべ、凌空を見つめる。
「朔良……お前エロいなぁ~……突いていいよ……」
もはやエロいという言葉にも、行為は止まらない。
呑まれた朔良が、引き出されたエロさ。
ナカを感じるように朔良はゆっくりと、腰を振る。
ねっとりとしたローションが、ふたりの間で温められ、クチュ……と音を立てた。
「凌空くん……気持ちいい……」
目を閉じて、そのあたたさを感じて朔良は、そのスピードを少しずつ速めていく。
「あ、あっーー……当たる……」
「当たる?……気持ちいい?」
少し声を高くした凌空が、朔良に手を伸ばした。
その指から感じるわずかな力が、朔良の頬を押し上げる。
凌空の手に誘導されるように目を開けるとそこには、ニヤリと笑った弦の顔があった。
「おいちょっと2人の世界はやめてくんねぇか?」
そう言って朔良の唇に吸い付いた。
「んーっ…… んんっーー」
弦の舌が、朔良の口腔内をなぞる。
凌空のナカで締め付けられ刺激を受けながら、弦から激しくなぞられそこに、ゾクゾクと不思議な感覚が走った。
溺れていく様を演じる。
弄ばれながら、快感に溺れながら、そこに、甘えながら。
完全に溺れてはいけないという理性が頭をかすめ、なんとかその一線を超えぬように、朔良は弦の舌を追いかけた。追いかけることに、集中した。
「俺のも気持ちよくしてくれよ」
あの日、あっちの撮影で激しく喉を突かれ、激しく嗚咽した。頭を掠める嫌な記憶。
朔良はすがるように、弦を見上げた。
「優しくしてやるよ」
それを見透かしたように弦は、朔良の髪を撫でた。
男のソレを口に含む。
初めて経験したのも、弦だった。
迷いはきっと、映像に現れる。
それをきっと、SUUは見抜く。
弦を見上げながら朔良は、勃ちあがりかけた、まだ少し柔らかいソレをペロリと舐めた。
「そんなんじゃ気持ちよくなんねぇよ?」
その声に、ピクピクと動く弦のソレを咥え込み、そっと、優しくそれに舌を這わせる。
「あーっ……気持ちい……」
弦は朔良のその顔を覗き込むように、その髪を撫でながら朔良の口のナカを感じた。
朔良は少しずつ、奥まで飲み込み、入りきらないほどに大きくなった弦のソレをじゅるじゅると吸い上げる。
それを待っていたかのように今度は凌空が、下から朔良を刺激する。
「こっち忘れんなよ? 腰振れよ」
「んんっーー……」
首筋まで赤く染まった朔良は、わずかに首を振った。
「しょうがねぇなぁ……」
朔良の反応を愉しむかのように凌空は、下からそっと、腰を揺らした。
決して、激しくはない。
そっと、ゆっくりと、朔良に刺激を与える。
「んーっ……んんっーー……きもちぃ……」
言葉にならない、朔良の口元から、はぁっと大きく息が漏れた。
「俺も挿れていい? やばい我慢できねぇ」
じゅぽっと音を立て、弦は朔良の口内から自らのソレを抜き、朔良の後孔に挿し当てた。
「はい、カットぉー。いいねぇ……」
カットがかかり、朔良は慌てて凌空のナカから引き抜いた。
「どした?」
「やべぇ……イキそうだった……」
「マジで!?」
「めっちゃ我慢してた……」
倒れ込むように凌空の腹部に体重を預けた朔良は、そう言って静かに笑った。
「言えよー! イッたら2回目は大変だぞ? イキ待ちは待つより待たせる方がしんどいからな?」
凌空は笑いながらポンポンと朔良の後頭部に手を置いた。
「ちょっと……頭冷静にします」
ハァハァと上がる呼吸を整えながら、朔良は目を閉じ意識をずらした。
「いや、いいよイキたいときイケよ」
「へ?」
「朔良、今いいよこのまま行こう」
「早くイキすぎたらお前転がして、俺らふたりで始めるわ」
「それはヤダ……」
「いやそれも面白そうやん。中出しでもええな」
「もはやコントだな」
再び、挿入する。
冷静に、場の空気を読みながら、この空気に溺れる。
締め付けられる刺激に、静かに抗いながら。
「朔良……挿れるぞ……」
ひんやりと、そしてねっとりとしたモノが、ゆっくりと臀部を流れる。それをすくい取るように、弦が指でほぐし、そして大きくなったモノを、ぐっと挿れた。
「あっーーッ……」
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ぐぐぐっと、ゆっくりと圧迫が強くなる。
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「やばっ……なに今の……」
「お前のイイトコ、ここなの?」
弦はそこをめがけて、引き抜いたソレをもう1度挿れた。
「あぁっ……ーーなんかっ……ダメ……」
「ココ、当たるの? 見つけた……いいトコ……」
「あぁーーっんんっ……弦くん……ッーー」
決して激しくはない弦のそのグラインドは、ピンポイントでその場所を攻める。次々と駆け上がる電流のような刺激に抗えず朔良は、抑えきれない声を凌空の唇で塞ぐ。
「ほら俺のことも気持ちよくしてくれよ……」
キスをしながら凌空は、朔良の腰に手を当てた。
弦の揺れを利用して、朔良の腰を揺らす。
「あぁっーーッーー凌空くんッ……ーー」
強制的に刺激を受けた朔良の腰は、自然と快感を求めグラインドを始める。
人の欲。
快楽を求める。
理性なんて、今、ここには、ない。
「あーーッ……もう……イキそ……だめ、イクッーー」
その瞬間に、弦が後ろから朔良の腕を引いた。
凌空に覆いかぶさっていた朔良のカラダがふわりと浮き、ガクガクと震えるその表情を、カメラが捉えた。
「あーあ……ナカでイッたの……悪い奴だなぁ…」
凌空のナカから引き抜き、たっぷりと吐き出され重みを増したコンドームをそっと外す。正面から、カメラが揺れる白濁の液体を狙う。朔良の目の前でそれは、ゆらゆらと揺れる。
「ほら、いっぱい……」
後ろから弦が、耳をかじる。
くすぐったい刺激に、思わず身震いをした。
「お前……良かったよ……」
笑みを浮かべ弦は朔良のナカから、自らのモノを引き抜いた。そして「ありがとな」と言って朔良をソファから転がした。
腰が立たない朔良はそのままソファの下に転げ落ちた。ふわふわのラグが、朔良を受け止める。
終わったはずの刺激が、カラダの中に渦巻く。
後ろから、パンパンと肉がぶつかり合う音が聞こえる。
徐々に意識を取り戻した朔良に、KANがそっと指示を出す。ジェスチャーで、おそらく、視線を2人に向けろと。
朔良は整わない息を吐き出しながら、うっすらと覗かせた瞳を背後に向けた。
「弦……弦……好き……弦ッーー」
「凌空……お前やっぱ最高……ぁあッーー」
パチンと言う音と共に、吐き出された欲が放つ独特な香りが、朔良の鼻に届いた。凌空と弦の舌が絡む音が響く。
その音をすぐ後ろに聞きながら朔良は、そっと、瞳を閉じた。
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