月夜の闇に煌めく星〜ゲイビの世界に愛はあるのか〜

はちこ

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fan side……

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『俺、男やぞ?』 
『わかってる……けど……』
『けどなに?』
『……わかんねぇよ……俺にも、わかんねぇよ』
『朔良……そんな顔すんなよ……』

櫂は朔良の頬に手を当て、自らの方へ顎を引き上げた。それは、顎クイとかいう、そんな軽い言葉で片付けられるようなものではなかった。

ゆっくりと、頬を撫でるように這わせた指を顎に当て、そっと、ゆっくりと、その顎を誘導した。

朔良の瞳は戸惑いに揺れていて、そこにあるのは、思いがけない自分の想いに気づいてしまった苦悩が、見てとれた。

『朔良……』

壁に肘をつき額がつくかつかないか、そこで櫂は、一瞬動きを止めた。少しだけ躊躇したような、一瞬の、動き。

でも、彼はその一線を、そっと超えた。
音もなく、そっと、まるで風に背中をトンと押されたかのように、自然にそれを超えて、朔良に、キスをした。

拒絶されるかもしれない恐怖。

それを恐らく抱えていた朔良の怯えた瞳は、そのキスに、涙を浮かべているようにも見えた。

ゆっくりと、包み込むように、櫂は朔良を抱いた。

ゆっくりと、服を脱がせて。
朔良のパンツを脱がせた時、すでにそれは固く勃ち上がっていて、それを見た櫂は、愛おしいものに触れるかのように、笑みを浮かべ、それにキスをした。

『本当にいいの?』

髪を撫でて囁く櫂の言葉に、コクリと朔良は頷いた。

櫂はゆっくりと、その時をその瞬間を味わうように、目を瞑り朔良のナカを感じている。

『あーっ……ソコ……あぁっーー』
『どした?……ここ?ーーイイところ?』
『うん……なんかあたるーーんんッーー』
『気持ちいいっ……朔ぅ……あーッ』

話をするときのクールな朔良の、乱れる姿。
それを見下ろす、普段天然で可愛らしい少年のような櫂の、包み込む優しさと男らしさ。

『後ろから……挿れていい?』
『うん……』

そっと引き抜いた櫂は、朔良のカラダを支え、背中にキスをした。

首、肩、肩甲骨、腰。
その場所を移動してそして、再び挿入した。

『あぁッーー櫂……だめ……』

いつもより少し、高めの声で。
いつもより少し、大きめの声で。

喘ぐその声に、櫂は朔良の顔を覗き込む。

『朔良? 大丈夫?』 
『もう……このままイキそ……』 
『なに? 気持ちいいの?』
『声……出る……』
『出してよ、気持ちいい朔の声、聞かしてよ……』

その櫂の表情は、感じる朔良を愛おしいと思う温かさと、なぜか少し、切なさも感じる。

櫂は激しく後ろから、刺激を与えた。
より一層声をあげる朔良はそのまま、ベッドに白濁の液を垂らした。そしてそのすぐ後に、パチンという音を鳴らして櫂は、朔良の尻に自らの遺伝子を吐き出した。




息をするのを、忘れていた。
普段の姿、関係性とは真逆の、形勢逆転したかのような姿。

「リアルじゃん……これ……」

思わずポツリと、呟いた。

画面が切り替わり、ベッドに横たわる2人の姿。



『良かった……拒否られるかと思った……』
『俺は、ずっと好きやったよ……』
『全然……気づかなかった』
『好き、朔……好きだよ』
『ん……俺も、好き……』

額をコツンと当て、櫂はぐりぐりとその額を擦り付けた。仔犬のような可愛らしい笑みを浮かべて、朔良への想いが溢れ出ているようだった。



「もう……なにこれぇーーっ」

イヤホンを耳から、スポンと外した。
子どもの走る音が、2階から聞こえる。

キッチンで、夕飯のカレーを煮込みながら、スマホ片手に彼らを愛でる。


ノンケである彼らが、男とSEXをすること。
そこに、どんな感情があるんだろう。

いつだったか、彼らの先輩である凌空だか弦が、言っていた。

『相手を好きにならないとできない。その時は、相手をいちばん好きだと思っている』

つまり、やはり見せられているものは、リアルなのだろうか。
リアルであってほしい。

彼らにとってこれは、仕事。
理解している。
それでもそこに、ホンモノを求めてしまう。

そういえば初期。
まだ斗真と凌空が新人だった頃。
女性相手に絡みをしていたことがあった。

あれは、誰を対象に作られた作品だったのだろう。
今でも謎で、あの作品について今、語られることは殆どない。
そして、あれは、あまり見たくない。

きっと私生活には彼女だっていて、もしかしたら引退の理由は結婚かもしれない。そのくらい、冷静に考えることはできるのに、作品のリアルを求めてしまう。それがその先も続いていますようにと、願ってしまう。

そのくらい、創り上げられた作品に、リアルを感じる。 


櫂と朔良。

リアルに彼らが、この空の下。
どこかで2人寄り添って、存在していたらいいのに。
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