月夜の闇に煌めく星〜ゲイビの世界に愛はあるのか〜

はちこ

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fan side……

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朔良くんを好きになり、そして、幸せな時間を過ごした。何度も何度も会いに行き、誠実な彼の言葉を聞くたびに思った。

なぜ、この人とプライベートで出会えなかったのだろう。

この人と近づきたいとか、そういうんじゃなくて。

ただ、もっとこの人の言葉を聞いていたかった。
真っ直ぐ目を見て、言葉を選ぶように丁寧に話す彼の言葉は優しくて、温かくてそして、厳しい。

自分の芯を太く、真っ直ぐ育ててくれる気がする。

もっと。
もっと彼といろんな話を、してみたかった。


引退と聞いて、発売されたそのDVD。
それが手元に届いて、そして、間もなく朔良くんは、この世界から去って行った。

引退イベントもなく。
本当に静かに、彼らしく。


ただ。

そのDVDの、その1枚を見たときの衝撃。
一切事前情報なし。

DVDは、2枚組だった。
1枚は、碧生くんや悠くん、聖也くんとの、絡み。
インタビューコーナーでは、後輩たちが朔良くんとの思い出を大いに語って、ファンも知らないエピソードが、たくさんあった。

もう1枚は、『secret』と、DVDそのものに描かれた文字。

それをプレイヤーに滑り込ませたとき、友だちからの連絡が入った。

『secret見た⁉︎』
『今から』

素早くメールを返し、そして、キュルキュルと読み込まれる音を聞く。

『泣いた』

ひとこと、その言葉だけが、送られてきて。
そして、画面に映し出された映像。

それに、言葉を失いそして、一瞬で視界がぼやけた。

そこには、画面一杯に広がる、朔良と櫂が額をコツンと当て微笑む姿。

そして『bonus chapter』と書かれたそこには、凌空と弦の笑顔があった。



なにこれ。
なにこれ、こんなの聞いてない。


もう二度と、見ることはないと思っていた姿。
その人たちの『今』の姿が、そこにはあって。
 


そのまま、溢れる想いを抑えられずにボロボロと涙を流して、泣いた。

そして堪える気のない涙を流したまま、その、ふたりを見た。


何が起きているんだろう。


ただ、静かに涙を流しながら見たふたりの姿は、ただ、ただ、美しかった。


そして、画面が暗転するその直前に。
それは起きた。


なにも、聞こえない。
聞こえるのはふたりの整わない呼吸で。

でもその唇は確かに、これからの彼らの姿を、見せてくれた気がした。


それに気づいたとき。
その唇の動きを見たとき。


溢れ出した感情を抑えることができずに私は、子どものように声を出して、泣いた。



どんな時でも彼らは、輝いていた。
眩しいほどの笑顔で、それはいつも私たちの支えとなり、希望であった。

その彼らが引退して、絶望を感じた中に見た、希望。

彼らの『これから』を見た。

その唇の動き。
たった、その動きに、希望を見た。
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