お人好し転生鍛冶師は異世界で幸せを掴みます! ものづくりチートでらくらく転生ライフ

かむら

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第五章 獣人国の王都へ

#95 歓迎パーティー

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 パーティーの準備が整ったとのことで、僕とドレアスさんは場内にある舞踏場の前までやって来た。


「……ん、ショーマ」

「おお……! ノアル、それ……」


 そこには既に準備を終えた女性陣がいて、その中からスカートタイプのウエストがしっかり締まっていて、肩が出ているオフショルダータイプのドレスを着ているノアルがててっと僕の方に近づいてきて、腕を抱くようにして密着してきた。


「うん、すごく似合ってる。 綺麗だよ」

「……ありがと、嬉しい。 ショーマも似合ってる。 かっこいい」

「そう? ありがとね」


 恋人からの素直な褒め言葉はやっぱり嬉しくなってしまうな。 

 ノアルもそうなのか、耳をピコピコさせて柔らかい笑みを浮かべている。
 

「ノアル、あんまり強く抱きついたりしたら化粧が崩れちゃうわよ」

「……確かに」


 ただ、アルジェさんに苦笑されながらそんな風に言われ、ノアルは名残惜しみながら僕から体を離していった。


「中々着心地良いドレスね」

「うー、落ち着かないです……」


 そんなノアルと一緒にいたアリシャとセフィもドレス姿で、アリシャはロングスカートタイプの金色と翠色があしらわれたドレス、セフィはミニスカートタイプの純白のドレスを身につけていた。
 

「アリシャ、それにセフィも似合ってるね。 綺麗だよ」

「そ、そうかしら? ありがとう」

「ち、ちょっと恥ずかしいですけど、嬉しいですっ」


 僕がそんな2人を褒めると、2人とも仄かに顔を赤く染め、嬉しそうな表情を見せてくれた。


「ドレスなんて久々ですね」

「お、本当だな。 似合ってるぞ」

「ふふ、どうも」


 そして、アルジェさんも体に張り付くようなタイトなタイプのドレスを着ており、はっきり言ってノアルの母親とは思えないくらい若々しくて綺麗に見える。


「待っていたよ、ドレアス君にアルジェ、ショーマ君達も」


 そうしてお互いの服を褒めあったりしていると、ルコシール様、スルト様、ゼイル様もこの場にやって来た。

 どうやら、僕達はこれからルコシール様達と一緒に入場するらしい。


「では、行こうか」


 それから僕は少し緊張しながら、歩き出したルコシール様についていき、舞踏場の扉を潜ると、そこにはいかにもパーティーなどが行われそうな、煌びやかで広い空間が広がっていた。

 そして、既にこの国の貴族であろう方々もいて、入ってきたルコシール様や僕達に向かって盛大な拍手をしながら出迎えてくれた。

 そんな貴族の方々の間を抜けて、周りがよく見えるステージの上に僕達は上がっていった。


「皆、よく集まってくれた。 今日はこちらの前騎士団長であるドレアス君が帰ってきた事を祝す…… そして、そのドレアス君や彼の家族、そして彼が治める村を危機から救ってくれ、更には帝国の崩壊を食い止めた冒険者のショーマ君達を歓迎するパーティーだ。 ぜひ楽しんでいってくれたまえ」


 ――パチパチパチパチ!


 ルコシール様がそう僕達の事を紹介すると、先程よりも大きな拍手が舞踏場に鳴り響いた。


「では、ショーマ君。 軽く一言頼めるかい?」

「あ、はいっ」


 さっき舞踏場に入る前に一言もらうとは言われたけど、やっぱりちょっと緊張するな……!

 
「えーっと、ご紹介に預かりました、ショーマと申します。 平民出身なので、礼儀や言葉遣いに拙いところがあるかもしれませんが、ご容赦ください。 ……今回、このような素晴らしい機会を設けていただき、感謝しかありません。 僕達も存分に楽しませていただきますので、皆さんも共に楽しんでいきましょう」


 僕がそう手短に挨拶をすると、再び拍手の音が鳴り響いた。

 少し不安はあったが、周りの貴族の方々からすると、冒険者だというのにそれなりに綺麗な言葉遣いや所作ができるだけでかなり高評価なようで、その表情は感心感心といったような感じだった。


「では、ドレアス君も」

「ああ。 ……久しぶりだ、皆々。 息災だったか? 俺はまぁ、腕一本失くしたがそれ以外は元気だ! ショーマがいなかったら、腕どころか命も失くしてただろうな。 だから、俺はショーマにめちゃくちゃ感謝している。 だから、お前さん達もショーマとは仲良くしてやってくれ!」


 ドレアスさんはそんな風にいつも通りの豪快な言葉遣いで貴族の方々に挨拶をした。

 不遜とも取られかねないその態度だったが、ここにいる貴族の方々はドレアスさんの事を知っているようで、不快に思ったりしている人はいないようだった。


「では、食事や音楽を存分に楽しんでいってくれたまえ」


 そう最後にルコシール様が締め括ると、貴族の方々は散り散りに舞踏場の中に散らばっていった。


「それじゃあ、君達も存分に楽しんでいってくれ」

「分かりました、ありがとうございます」


 僕達に配慮してか、堅苦しい挨拶回りなども省いてくれたようで、そこから僕とノアル、アリシャとセフィは自由時間となり、一緒に舞踏場を回っていくことにした。


「……料理美味しそう」

「そうだね、食べてみよっか」


 まず僕達は、時間帯的にもちょうどお腹が空いてくる時間帯な事もあり、料理が並ぶスペースに立ち寄って、そこにいたシェフの方々に料理を取り分けてもらった。

 それを受け取ったら、立食ができる高めのテーブルがあったので、そこに料理が載ったお皿を持っていき、僕はまず良い匂いがするソースがかけられたお肉を口に運んでみた。


「うん、美味しいね」

「……うまうま」


 すると、口の中に肉の旨みがこれでもかと広がり、しかも舌先で切れてしまいそうなくらい柔らかくて、非常に美味しかった。


「これはなんのお肉なんですか?」

「キングバッファローの肉になります」

「あら、最高級のお肉ね」


 確か、バッファローという牛っぽい魔物が危険度Dランクくらいの魔物で、その上位種のキングバッファローは恐らくBランクくらいになるだろうから、結構このお肉は貴重なものかもしれない。
 

「そんな凄いものを食べても良いんでしょうか……?」

「……それだけ私達に感謝してるし歓迎してるということ」


 ノアルの言う通り、折角こうして用意してくれたんだから、食べない方がもったいないし申し訳ないだろう。

 なので、他にも気になる料理をどんどん僕達は胃袋に収めていく。
 

「本当に美味しいなぁ。 懐にも余裕できたし、何かいつもとは違う美味しい食材を自分で買って料理もしてみたいな」

「……ショーマの料理、楽しみ」


 そんな風に僕達は一通り用意された料理を楽しみ、合間合間に話しかけてきた貴族の方々と軽く話したりもしていった。

 その貴族の方々も、ルコシール様が言っていた通り、種族や礼儀などを気にしない方達で、僕達では聞けないような話も色々聞けて、ちょっと緊張はしたけど普通に楽しい時間だった。

 それからしばらくして、僕達以外の者達もあらかた食事は済んだところで、演奏隊による演奏が始まり、貴族の方々はパートナーと一緒に用意された舞台の上でダンスを踊り始めた。

 
「……ショーマ、一緒に踊ろ?」


 すると、ノアルが僕をダンスに誘ってきた。
 

「えっ、でも僕、踊り方とか全然知らないよ?」

「……大丈夫。 ノアルの動きに合わせてくれればいいし、音楽に乗って揺れてるだけでもそれなりに絵になるから」

「まぁ、それくらいで良いなら。 うん、踊ろっか」

「……ん!」


 という事で、僕はノアルと一緒にダンスを行う事になった。

 舞台まで進み、ノアルと手を結んだら、ノアルがゆっくりと動き出したので、その動きに合わせるようにして僕も動いてみる。

 踊りの心得などは全くない僕だが、ノアルがゆっくりとリードしてくれるおかげで、まぁ不格好にはならずに済んでいる気がする。

 でも、こういう場では普通男がリードするものだとは思うから、こっそり練習しておこうかな?

 ノアルは舞踊のスキルを持っているから、踊りもそれなりに好きなんだろうし、一緒に踊れたら喜んでくれるかもしれないから。


「……ふふ、楽しい」

「それは良かった」

「……ショーマとの時間は全部宝物。 これからもこうして色んなところに行って、色んなことをしていきたい」

「僕もだよ。 ノアルと思い出沢山作っていきたい」

「……ん、嬉しい」
 

 そんな風に小声で囁き合ったりもしながら、僕達は一曲踊らせてもらい、曲が終わると同時にゆっくりと体を離していった。


「ふぅ、ノアルのおかげでなんとかなったよ」

「……お疲れ」

「違和感ないくらいには踊れてたわよ」

「お二人とも、綺麗でしたっ」

「ありがとう、アリシャ、セフィ」


 僕達の踊りを見ていたアリシャとセフィの所に戻ると、とりあえず不格好ではなかった事を教えてくれた。
 

「……そしたら、アリシャとセフィも踊ってきたら?」

「「えっ!?」」


 すると、ノアルがアリシャとセフィにそんな提案をした。


「わ、私はその…… ノアルがもう踊ったし……」

「ぼ、僕、踊り方分かりませんし……」

「……ショーマと同じパーティーなわけだし、一緒に踊っても別に変じゃない。 踊り方も、ショーマがそれなりに覚えてるだろうから合わせればいい」

「「うぅ……」」

「……ショーマとドレス着て踊れるなんて、中々ない機会だと思うけど」

「た、確かに…… えっと、じゃあ、ショーマ、まずは私と踊ってくれる……?」

「あ、うん。 僕はノアルが良いなら構わないよ」

「……ん、いってらっしゃい。 待ってる間、セフィにちょっと教えておく」

「分かった。 じゃあ、アリシャ行こっか?」

「え、ええ……!」


 どうやら、今度はアリシャと踊る事になったようだ。
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