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第1部
第2話 異世界転生したけど、目覚めは最悪
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「う~ん……」
目が覚めると、知らない空間にいた。
辺り一面真っ暗で、背中には何やら生温かい嫌な感触。そして鼻につくのは甘いのと生臭さが混じり合ったような歪な臭い。思わず鼻をつまむ。
ぼんやりと意識を失う前の記憶を思い出す。
ユリリーニャさんの言っていた通りなら、ここは異世界で私は転生してきたってことになる。そして、確かチートと加護がうんたらかんたら言っていた気がするけど…
「『ステータス』!……とか言ってみたりして、えへへ」
流石に漫画の見過ぎかとか思って頭を掻いていると、「ブォン」と音がして脳内に文字が浮かび上がってきた。
アカリ・トモサト
加護//百合神の導き
エクストラスキル//リリーイーター
スキル//なし
「おぉっ!!」
すごい!何だかすごいRPGっぽい!漫画とかかの有名な小説投稿サイトで無限に見たことあるやつだ!
「にしても、この百合神の導きとか、リリーイーターってどういうものなんだろ?『詳細』が今一分からないな」
加護//
百合神の導き/男絡みいらん。男を除き、自分に対して性別、種族に関わらず恋愛感情を持つようになる。
エクストラスキル//
リリーイーター/雌の体液を摂取すると、対象が持っているスキルをコピーし自分のものに出来る。また、摂取する体液は無害化され、良い匂いで美味しいものになる。
「ブォン」と言う音とともに非常に親切な説明書きが頭に浮かんできた。
「ふむふむ。つまり、女の子の唾とか飲んだらその人が持ってるスキルをゲットできるってことだよね?それでこの『百合神の導き』ってやつは多分、私が女の子といちゃいちゃしやすくなれるようにユリリーニャさんが粋な計らいをしてくれたってところかな?」
私がたくさんの女の子といちゃいちゃすればするほど私が強くなっていく素晴らしいシステム。
スキルと加護はとりあえずわかったけど、それはそれとして、ホントにここはどこなんだろうか。何も見えないとどうしようもないんだけどな。
一先ず体を起こしてから気付いたが、手にねちょっとした液体がこびりついている。明らかに有毒そうなそれを鼻元まで持っていって嗅いでみると、存外いい匂いがした。言うなればジューシーなお肉のタレのような匂いで、何も考えずに口に運んでぺろりと舐めてみる。
「お、美味しいっ!!」
そのままお肉のタレのような味がして、少し濃い味だが美味しい。
まさか私は今からお肉として調理されてしまうのだろうか、なんて思っていたら急に視界が明るくなってきて、周囲の様子が見えるようになってくる。
そして絶句。
「ひっ!?し、死体!?」
お尻をつけていた生温かい感触の正体は無数に積み上がった死体たちだった。血やら臓器やらが飛び散っており、不快な臭いの正体が判明した。
恐る恐る手を上げて見ると、びっしりと血がこびりついていた。つまり私は、この血を舐めて美味しいって………
「う、う、うぎゃあああぁぁーー!!?」
叫んだ。叫んで咽て叫んで疲れて気絶するように眠って、起きてまた叫んで、しばらくしてからようやく落ち着いてきた。
「『ステータス』!」
アカリ・トモサト
加護//百合神の導き
エクストラスキル//リリーイーター
スキル//暗視(new!)
やっぱり、『暗視』が追加されていた。
つまり、私が血を舐めたことで『リリーイーター』が発動して新たに『暗視』を習得して、この暗い洞窟のような場所でも問題なく見えるようになったってことかな。
周囲を見渡すと一面岩肌に囲まれていて、一つだけ通路が伸びている以外ここには死体しかない。何者かがこの死体をここまで運んだのか、通路からここまで血の跡が伸びていた。
「まずはここから外に出ることを目標にしようかな………流石に異世界転生してまでこんな所で飢え死にしたくないし」
となれば私のすべきことは一つだ。
この死体の山から女の液体を探し出し、舐めまくるべし!そして習得したスキルでここから脱出するんだ!
吐き気を催しながら死体の山を歩き回り、血を一つずつ舐め回る。ものによって色んな味がして美味しかったが、たまに外れを引いて普通に血の味がして吐きそうになった。と言うか吐いた。最悪だ。
そんなこんなで死にそうな思いをしながら作業を続け、粗方目についた血は舐めた気がする。
「『ステータス』!」
アカリ・トモサト
加護//百合神の導き
エクストラスキル//リリーイーター
スキル//
風魔法G2(new!)
水魔法G1(new!)
聖魔法G1(new!)
暗視
身体強化G3(new!)
物理耐性G2(new!)
めっちゃ増えた!『G』は『Grade』のことらしく、数字が高いものは恐らく摂取した女の子が持っていたスキルが重複してたのか、元々育ってたのかな。
増えたスキルは説明を見なくても何となく使い勝手が分かる。個人的には『聖魔法』と『身体強化』が特に便利そうだなと言う印象。
それよりも魔法に関する具体的な知識がないんだけど、
「えーと………『ウォーターボール』!………的な?」
なんとなく手の平サイズの水球をイメージしながら手を構えてみると、全身から何かが肩から腕に向かって流れだす感覚がして、手の前に水飛沫が集まって段々と丸い塊を生成していく。
完成した水球は数秒間手の前に留まってから、やがてぽとりと地面に落ちて小さな水たまりを作った。
「で、出来た!!」
童貞のまま30歳になると魔法使いになれると言う噂を前世で耳にしたことがあるが、齢22処女にして魔法使いに私はなったのだ!やったー!
「……飲めるのかな。『ウォーターボール』!」
ゴクゴク。
美味い!新鮮なお水だ。
これで水問題は解決。さて、お次は食糧問題だ。
ここには死体しかないし、一先ずあの一本だけ伸びてる通路を進んでみよう。
目が覚めると、知らない空間にいた。
辺り一面真っ暗で、背中には何やら生温かい嫌な感触。そして鼻につくのは甘いのと生臭さが混じり合ったような歪な臭い。思わず鼻をつまむ。
ぼんやりと意識を失う前の記憶を思い出す。
ユリリーニャさんの言っていた通りなら、ここは異世界で私は転生してきたってことになる。そして、確かチートと加護がうんたらかんたら言っていた気がするけど…
「『ステータス』!……とか言ってみたりして、えへへ」
流石に漫画の見過ぎかとか思って頭を掻いていると、「ブォン」と音がして脳内に文字が浮かび上がってきた。
アカリ・トモサト
加護//百合神の導き
エクストラスキル//リリーイーター
スキル//なし
「おぉっ!!」
すごい!何だかすごいRPGっぽい!漫画とかかの有名な小説投稿サイトで無限に見たことあるやつだ!
「にしても、この百合神の導きとか、リリーイーターってどういうものなんだろ?『詳細』が今一分からないな」
加護//
百合神の導き/男絡みいらん。男を除き、自分に対して性別、種族に関わらず恋愛感情を持つようになる。
エクストラスキル//
リリーイーター/雌の体液を摂取すると、対象が持っているスキルをコピーし自分のものに出来る。また、摂取する体液は無害化され、良い匂いで美味しいものになる。
「ブォン」と言う音とともに非常に親切な説明書きが頭に浮かんできた。
「ふむふむ。つまり、女の子の唾とか飲んだらその人が持ってるスキルをゲットできるってことだよね?それでこの『百合神の導き』ってやつは多分、私が女の子といちゃいちゃしやすくなれるようにユリリーニャさんが粋な計らいをしてくれたってところかな?」
私がたくさんの女の子といちゃいちゃすればするほど私が強くなっていく素晴らしいシステム。
スキルと加護はとりあえずわかったけど、それはそれとして、ホントにここはどこなんだろうか。何も見えないとどうしようもないんだけどな。
一先ず体を起こしてから気付いたが、手にねちょっとした液体がこびりついている。明らかに有毒そうなそれを鼻元まで持っていって嗅いでみると、存外いい匂いがした。言うなればジューシーなお肉のタレのような匂いで、何も考えずに口に運んでぺろりと舐めてみる。
「お、美味しいっ!!」
そのままお肉のタレのような味がして、少し濃い味だが美味しい。
まさか私は今からお肉として調理されてしまうのだろうか、なんて思っていたら急に視界が明るくなってきて、周囲の様子が見えるようになってくる。
そして絶句。
「ひっ!?し、死体!?」
お尻をつけていた生温かい感触の正体は無数に積み上がった死体たちだった。血やら臓器やらが飛び散っており、不快な臭いの正体が判明した。
恐る恐る手を上げて見ると、びっしりと血がこびりついていた。つまり私は、この血を舐めて美味しいって………
「う、う、うぎゃあああぁぁーー!!?」
叫んだ。叫んで咽て叫んで疲れて気絶するように眠って、起きてまた叫んで、しばらくしてからようやく落ち着いてきた。
「『ステータス』!」
アカリ・トモサト
加護//百合神の導き
エクストラスキル//リリーイーター
スキル//暗視(new!)
やっぱり、『暗視』が追加されていた。
つまり、私が血を舐めたことで『リリーイーター』が発動して新たに『暗視』を習得して、この暗い洞窟のような場所でも問題なく見えるようになったってことかな。
周囲を見渡すと一面岩肌に囲まれていて、一つだけ通路が伸びている以外ここには死体しかない。何者かがこの死体をここまで運んだのか、通路からここまで血の跡が伸びていた。
「まずはここから外に出ることを目標にしようかな………流石に異世界転生してまでこんな所で飢え死にしたくないし」
となれば私のすべきことは一つだ。
この死体の山から女の液体を探し出し、舐めまくるべし!そして習得したスキルでここから脱出するんだ!
吐き気を催しながら死体の山を歩き回り、血を一つずつ舐め回る。ものによって色んな味がして美味しかったが、たまに外れを引いて普通に血の味がして吐きそうになった。と言うか吐いた。最悪だ。
そんなこんなで死にそうな思いをしながら作業を続け、粗方目についた血は舐めた気がする。
「『ステータス』!」
アカリ・トモサト
加護//百合神の導き
エクストラスキル//リリーイーター
スキル//
風魔法G2(new!)
水魔法G1(new!)
聖魔法G1(new!)
暗視
身体強化G3(new!)
物理耐性G2(new!)
めっちゃ増えた!『G』は『Grade』のことらしく、数字が高いものは恐らく摂取した女の子が持っていたスキルが重複してたのか、元々育ってたのかな。
増えたスキルは説明を見なくても何となく使い勝手が分かる。個人的には『聖魔法』と『身体強化』が特に便利そうだなと言う印象。
それよりも魔法に関する具体的な知識がないんだけど、
「えーと………『ウォーターボール』!………的な?」
なんとなく手の平サイズの水球をイメージしながら手を構えてみると、全身から何かが肩から腕に向かって流れだす感覚がして、手の前に水飛沫が集まって段々と丸い塊を生成していく。
完成した水球は数秒間手の前に留まってから、やがてぽとりと地面に落ちて小さな水たまりを作った。
「で、出来た!!」
童貞のまま30歳になると魔法使いになれると言う噂を前世で耳にしたことがあるが、齢22処女にして魔法使いに私はなったのだ!やったー!
「……飲めるのかな。『ウォーターボール』!」
ゴクゴク。
美味い!新鮮なお水だ。
これで水問題は解決。さて、お次は食糧問題だ。
ここには死体しかないし、一先ずあの一本だけ伸びてる通路を進んでみよう。
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