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ぬらりひょんと学校
第15話 餌
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風月は難しい顔になる。
「しずくと言ったな。お前は人間だから当然弱い。お前を倒せばここら一体を縄張りにしていたぬらりひょんの力を得る。このぬらりひょんは、ちゃらんぽらんだ」
ビシッとそういってシュカを風月は指さした。
「誰がちゃらんぽらんなんだよ!」
「でも、こいつはぬらりひょんの名に恥じない力を最低限持っている。人間のお前は違うのだ。どうして倒せたのかは聞かないが……学校には結界が張ってあり、弱い妖怪は入れるが、ある程度強い妖怪は入れないようになっている。にもかかわらず主様の結界を越えて、ここ最近は何かが出入りしている感じがあった。我々はどうどうと正門から入ってくるぬらりひょんのせいだと思っていたが、そういう状況なら話が違う……」
それほどに、私がシュカを倒したことは大事件なの?
「しずくを狙う妖怪がいるかもしれない。そいつらが、結界を超え学校に出入りしているのかもしれない。詳しいことはこの眠っている娘が起きればわかる」
風月はそういって眠っているちなみちゃんを見つめた。
それから30分ほどして、ちなみちゃんは起きた。
「大丈夫?」
「ふっ? へ? あっわた、わた、私」
きょろきょろとちなみちゃんがあたりを見渡す。またパニックになったら大変と思った私は話を切り出した。
「私たちはちなみちゃんに危害を加える気はないから。大丈夫」
「はっ、はい。あの私……伸びてませんでしたか?」
おどおどと私たちにそう質問してきた。
伸びていた……思いっきりにゅーーーっと。お化けやしきなんかよりもはるかに長く、まるで龍のように長ーーーーく。
「伸びてたよ。ちなみちゃん、興奮していたみたいだったからちょっと眠ってもらったの。身体は大丈夫?」
「かっ……身体は大丈夫」
そういって、何度もうなずいて見せてくれた。
「おい、娘。お前はこの人間の童しずくに何を話すつもりだったのだ?」
ずいっと後ろから風月が出てきてちなみちゃんに問いただす。
ちなみちゃんは風月を見ると慌てて頭を深々と下げる。
「すすっ少し前くらいから、つ、強い妖怪が入り込み、学校の弱い妖怪を食べております。私、わっ私はろくろっ首という首から上は妖怪ですが、身体は人間という弱い妖怪です。しししし、しずくちゃんが、強い妖怪と仲良くしていたので、助けてもらえないかお願いしようと思いました」
「どうりでおかしいと思った。ぬらりひょんは人にまぎれて生きることに特化した妖怪だから、主様の張られた結界に引っ掛かること自体おかしいと思ったのだ。やはり、ぬらりひょんの他に強い妖怪が学校に出入りしていたか」
風月は難しい顔でそう言った。
私がシュカに勝ったことで狙われるから傍にいるとシュカは言ってくれた。
力を持たない人間の私が身に余る力を持てば、狙われる――その意味を実感して私は怖くなった。
「弱い妖怪は他の妖怪の感知がうまいって聞いたことあるんだけど。そいつはまだ学校にいる?」
シュカがちなみちゃんにそう質問すると。
ちなみちゃんは目を閉じて首をにゅーっと伸ばす。
「わっ」
また首が伸びたことで私はびっくりしてしまう。
「ごっご、ごめんね。し、しずくちゃん。私首から上だけ妖怪だから。こっこうしないとわかんないの。あの、今はいないみたいです」
「そっか、ありがとね。ちょっと理由があってさ、この事態を解決するために、俺はちなみちゃんと勝負したいんだけど。ろくろっ首の勝負って何?」
シュカの格が私より上になれば、シュカの術が私に通る。そうすれば、私がシュカを倒したことで得た力は無くなって、元通りだ。
ぬらりひょんのシュカとの勝負は、ぬらりひょんの術である人から認識できないことをみやぶることだった。
果たしてろくろっ首のちなみちゃんの妖怪としての勝負はなんなのか。
「しょしょしょしょうぶ? ですか。妖怪同士のですよね、ろくろっ首だと、首の長さと伸びる速度で競うそうです」
ちらりと私はシュカをみた。
シュカはぎゅっとこぶしを握りしめこういった。
「ごめん、肉弾戦のほうでもいいかな? ちょっと痛いけど、すぐすむから」
「嫌です!!!!……わ、私を殴るんですか?」
ちなみちゃんの瞳がまたうつろになりそうで、慌てて風月と私が止めに入る。
あれは私の中でちょっとしたトラウマになりそうだもん。もう見たくないし、次もうまく見つからず終わるとは限らない。
「ちぇっ、他の妖怪を探すしかないか。雑魚妖怪でいいから学校に他に妖怪いる?」
ちなみちゃんにシュカはそう質問をする。
「強い妖怪が、弱い妖怪を食べるので、弱い妖怪はとっくに学校から逃げたか、食べられたかです。の、のっ残っているのは、半分人間で学校に毎日来ないといけないろくろっ首の私くらいです……ご、ごめんなさい」
申し訳ない顔でそういうと、ちなみちゃんは頭を下げた。
「まいったなぁ。学校で適当な妖怪見つけて倒せば解決と思ってたのに、いないんじゃ倒しようがない」
トントンとつま先で地面にリズムを刻みながらシュカが困ったという顔になる。
「困ったことになったな……こちらにしても変な妖怪がしずくを狙って学校を出這入りされては困るのだ」
そんな時私にいい考えが浮かんだ。
「風月は、学校に変な妖怪が出這入るすると困るのね」
「そうだ」
「ちなみちゃんも、他の妖怪を食べるような強い妖怪がいたから助けを求めてきたのね」
「はっ、はい」
「放課後は4人で今度は学校の外にいるシュカが倒せそうな妖怪を探すのを手伝って欲しいの。ちなみちゃんは弱い妖怪だから他の妖怪がいるかどうかわかるし。ちなみちゃんが暴走した時、私とシュカだけじゃなんとかできなかったから、風月がいてくれると心強いし」
私はそういって、ちなみちゃんと風月を見る。
「はぁ……妖怪に協力するのはいろいろ思うことがあるが、しかたあるまい」
風月はため息をつくとそう言った。
「わっ私も、狙われるのはごめんですし。ぬらりひょん様と戦うのはもっとごめんです。探します……私、妖怪を探します!」
そうして、私とぬらりひょんのシュカと神様の使い風月と、ろくろっ首のちなみちゃんで放課後の妖怪探しを今度は街で行うことになった。
「しずくと言ったな。お前は人間だから当然弱い。お前を倒せばここら一体を縄張りにしていたぬらりひょんの力を得る。このぬらりひょんは、ちゃらんぽらんだ」
ビシッとそういってシュカを風月は指さした。
「誰がちゃらんぽらんなんだよ!」
「でも、こいつはぬらりひょんの名に恥じない力を最低限持っている。人間のお前は違うのだ。どうして倒せたのかは聞かないが……学校には結界が張ってあり、弱い妖怪は入れるが、ある程度強い妖怪は入れないようになっている。にもかかわらず主様の結界を越えて、ここ最近は何かが出入りしている感じがあった。我々はどうどうと正門から入ってくるぬらりひょんのせいだと思っていたが、そういう状況なら話が違う……」
それほどに、私がシュカを倒したことは大事件なの?
「しずくを狙う妖怪がいるかもしれない。そいつらが、結界を超え学校に出入りしているのかもしれない。詳しいことはこの眠っている娘が起きればわかる」
風月はそういって眠っているちなみちゃんを見つめた。
それから30分ほどして、ちなみちゃんは起きた。
「大丈夫?」
「ふっ? へ? あっわた、わた、私」
きょろきょろとちなみちゃんがあたりを見渡す。またパニックになったら大変と思った私は話を切り出した。
「私たちはちなみちゃんに危害を加える気はないから。大丈夫」
「はっ、はい。あの私……伸びてませんでしたか?」
おどおどと私たちにそう質問してきた。
伸びていた……思いっきりにゅーーーっと。お化けやしきなんかよりもはるかに長く、まるで龍のように長ーーーーく。
「伸びてたよ。ちなみちゃん、興奮していたみたいだったからちょっと眠ってもらったの。身体は大丈夫?」
「かっ……身体は大丈夫」
そういって、何度もうなずいて見せてくれた。
「おい、娘。お前はこの人間の童しずくに何を話すつもりだったのだ?」
ずいっと後ろから風月が出てきてちなみちゃんに問いただす。
ちなみちゃんは風月を見ると慌てて頭を深々と下げる。
「すすっ少し前くらいから、つ、強い妖怪が入り込み、学校の弱い妖怪を食べております。私、わっ私はろくろっ首という首から上は妖怪ですが、身体は人間という弱い妖怪です。しししし、しずくちゃんが、強い妖怪と仲良くしていたので、助けてもらえないかお願いしようと思いました」
「どうりでおかしいと思った。ぬらりひょんは人にまぎれて生きることに特化した妖怪だから、主様の張られた結界に引っ掛かること自体おかしいと思ったのだ。やはり、ぬらりひょんの他に強い妖怪が学校に出入りしていたか」
風月は難しい顔でそう言った。
私がシュカに勝ったことで狙われるから傍にいるとシュカは言ってくれた。
力を持たない人間の私が身に余る力を持てば、狙われる――その意味を実感して私は怖くなった。
「弱い妖怪は他の妖怪の感知がうまいって聞いたことあるんだけど。そいつはまだ学校にいる?」
シュカがちなみちゃんにそう質問すると。
ちなみちゃんは目を閉じて首をにゅーっと伸ばす。
「わっ」
また首が伸びたことで私はびっくりしてしまう。
「ごっご、ごめんね。し、しずくちゃん。私首から上だけ妖怪だから。こっこうしないとわかんないの。あの、今はいないみたいです」
「そっか、ありがとね。ちょっと理由があってさ、この事態を解決するために、俺はちなみちゃんと勝負したいんだけど。ろくろっ首の勝負って何?」
シュカの格が私より上になれば、シュカの術が私に通る。そうすれば、私がシュカを倒したことで得た力は無くなって、元通りだ。
ぬらりひょんのシュカとの勝負は、ぬらりひょんの術である人から認識できないことをみやぶることだった。
果たしてろくろっ首のちなみちゃんの妖怪としての勝負はなんなのか。
「しょしょしょしょうぶ? ですか。妖怪同士のですよね、ろくろっ首だと、首の長さと伸びる速度で競うそうです」
ちらりと私はシュカをみた。
シュカはぎゅっとこぶしを握りしめこういった。
「ごめん、肉弾戦のほうでもいいかな? ちょっと痛いけど、すぐすむから」
「嫌です!!!!……わ、私を殴るんですか?」
ちなみちゃんの瞳がまたうつろになりそうで、慌てて風月と私が止めに入る。
あれは私の中でちょっとしたトラウマになりそうだもん。もう見たくないし、次もうまく見つからず終わるとは限らない。
「ちぇっ、他の妖怪を探すしかないか。雑魚妖怪でいいから学校に他に妖怪いる?」
ちなみちゃんにシュカはそう質問をする。
「強い妖怪が、弱い妖怪を食べるので、弱い妖怪はとっくに学校から逃げたか、食べられたかです。の、のっ残っているのは、半分人間で学校に毎日来ないといけないろくろっ首の私くらいです……ご、ごめんなさい」
申し訳ない顔でそういうと、ちなみちゃんは頭を下げた。
「まいったなぁ。学校で適当な妖怪見つけて倒せば解決と思ってたのに、いないんじゃ倒しようがない」
トントンとつま先で地面にリズムを刻みながらシュカが困ったという顔になる。
「困ったことになったな……こちらにしても変な妖怪がしずくを狙って学校を出這入りされては困るのだ」
そんな時私にいい考えが浮かんだ。
「風月は、学校に変な妖怪が出這入るすると困るのね」
「そうだ」
「ちなみちゃんも、他の妖怪を食べるような強い妖怪がいたから助けを求めてきたのね」
「はっ、はい」
「放課後は4人で今度は学校の外にいるシュカが倒せそうな妖怪を探すのを手伝って欲しいの。ちなみちゃんは弱い妖怪だから他の妖怪がいるかどうかわかるし。ちなみちゃんが暴走した時、私とシュカだけじゃなんとかできなかったから、風月がいてくれると心強いし」
私はそういって、ちなみちゃんと風月を見る。
「はぁ……妖怪に協力するのはいろいろ思うことがあるが、しかたあるまい」
風月はため息をつくとそう言った。
「わっ私も、狙われるのはごめんですし。ぬらりひょん様と戦うのはもっとごめんです。探します……私、妖怪を探します!」
そうして、私とぬらりひょんのシュカと神様の使い風月と、ろくろっ首のちなみちゃんで放課後の妖怪探しを今度は街で行うことになった。
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