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第28話 気づかれた?
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腰は本来貸すパーツではない。
「腰って本来人様に貸すパーツじゃないと思うわよ」
「そんなこと知ってる」
なら、一体何をするのかと大人しくしていると、ショウが近づいてきてギュっと私を抱きしめたのだ。
え? なんで? どうして今私を抱きしめてるの? 頭の中で沢山『?』が浮かぶ。
抱きしめ返したほうがいいの? とか、そもそもなんでってことがグルグルする。
「もういいありがと」
実にあっさりと腕が離れた。
「あっ、うん」
それ以上なんとなく追求できなくて、私はなんとなく返事をした。
「そういえば、ハルトとどう?」
えっ? ハルトの話に戻るの? さっきの腰の流れなんだったの? ますますわからない。
長く一緒にいたけれど、あんなこと初めてでショウの意図がわからない。
「まぁ、普通にそれなりに連絡とってるよ。漫画とかゲームの話もできるから、結構楽しい。これから二人で遊べたらいいねって感じになってるかな。ハルトは私のこと何かショウのに言ってる?」
「いや、別に特に何も言われてない」
「そう」
会話終わっちゃったんですけど。
だから、何なの? わざわざ私を呼びつけておいて……
ここで聞かないのってやっぱり変だよねってことから聞いてみる。
「あのさ、用事って結局ハルトとどうなったかって聞きたかったことなの? それとも謎の腰貸してのほう?」
「……腰のほう」
「いったいどうした? 要求不満が爆発しそうなの? 大丈夫?」
そういって詰め寄ってみる。
なのに、ショウがまじめな顔でぽつりとこういった。
「同じようなつもりでずっといたんだけど。ユウキって案外……ちっぽけなんだな」
ちっぽけ? ちっぽけってなによ……存在が? それって悪口?
「あのさ、悪口面と向かって言うの流石にどうかと思うよ」
「いや、そういう意味じゃなくて。なんていうか、こうずっと一緒だったじゃん。背だって中学の途中まではむしろユウキのほうがでかかったし。ずっと、あの頃のままでイメージが止まってた。身長差、今は結構あるけど、身長だけが違うだけで、身体のつくりとかそんな変わらないのかなって……思ってた」
「は?」
思わず腹の底から低い声が出た。
いや、そうよ。私はショウの友達としていようと思いましたよ。そして、そのためにいろんなことを今まで諦めてきたさ……
身長差はできちゃったけど、体系は自分と変わらないだ? お前鏡みたことあんのかよ!? くらいの衝撃だった。
だって、ショウの身長は中学半ばからにょきにょきと成長し始めた。
身長が伸びるのに合わせて、食べる量がグーンと増えて、身体も男性らしく骨ばりがっしりとしてきて、高校生の今やどうみても女性とは言い難い体系に成長した。
かたや私は、成長期は小学生で終わり中学では身長がほぼ伸びなかったし、高校生の今後1cmでも伸びればいいところって感じだし。
体つきだって、ショウの身長が伸び始めたころくらいから、女性特有の丸みを帯びた。
確かに、少し前までは、女性らしい体系が隠れるような服を来てなかった。ジャージやスエットはしっかり身体のラインを隠してきた。
それに、身体のラインにいたっては、ここ最近偽物の私になるようになってから、努力して変わったところは確かに多い。
ただね、いくらなんでも男性と同じ体つきには見えないと思う。
ショウと私の体系が変わらないと思っていたとか……人の印象の思いこみが見せるのってすごい。
「小さくなったなはと思ってたんだけど、女子ってよく考えたらサイズ的にこんなもんだよな。そうだよな」
「あっ? さっきから喧嘩売ってんの? 売ってるなら買いますけど? ちっぽけとか人を指して使う言葉じゃないでしょうよ」
口では私はそういうけど、ショウにとって私は今までそんなイメージでいたことが少しショックでもあった。
自分がそう見えるようにやってきたのにだ……
「悪い悪い、でもサイズが思っていたのと誤差があったけど。中身は変わんないもんな」
そういって、ショウはバシンっと私がショウいつもやるように背中を叩かれた。
「いっ……力加減考えろ馬鹿!?」
「え? そんな強くやってないと思うけど……。ごめんごめん、まだ読んでないけど先これ読んでいいからさ」
そういってショウは買ったばかりの本を私に差し出した。
その後は普通すぎるほど普通だった。
……なんていうか、私の中でこの日ずっと心につっかえていたものが取れた。
ずっと、姿が変わったら友達として傍に入れないんじゃないかなって不安だった。
今だって、ショウに彼女ができるってことがなかったら、ショウの前では友達でいるためにきっとスウェットかジャージだったと思う。
まぁ、その彼女って詐欺メイクした私っていう何ともややこしい話なんだけどね……
でも、彼女ができても、ショウが私に見せる顔はショウのままで。
このままじゃいけないって、女らしい恰好を私がしてもこうして友達で入れるじゃない……
私だけが、勝手に外見にこだわっていたんだってしみじみ思った。
「腰って本来人様に貸すパーツじゃないと思うわよ」
「そんなこと知ってる」
なら、一体何をするのかと大人しくしていると、ショウが近づいてきてギュっと私を抱きしめたのだ。
え? なんで? どうして今私を抱きしめてるの? 頭の中で沢山『?』が浮かぶ。
抱きしめ返したほうがいいの? とか、そもそもなんでってことがグルグルする。
「もういいありがと」
実にあっさりと腕が離れた。
「あっ、うん」
それ以上なんとなく追求できなくて、私はなんとなく返事をした。
「そういえば、ハルトとどう?」
えっ? ハルトの話に戻るの? さっきの腰の流れなんだったの? ますますわからない。
長く一緒にいたけれど、あんなこと初めてでショウの意図がわからない。
「まぁ、普通にそれなりに連絡とってるよ。漫画とかゲームの話もできるから、結構楽しい。これから二人で遊べたらいいねって感じになってるかな。ハルトは私のこと何かショウのに言ってる?」
「いや、別に特に何も言われてない」
「そう」
会話終わっちゃったんですけど。
だから、何なの? わざわざ私を呼びつけておいて……
ここで聞かないのってやっぱり変だよねってことから聞いてみる。
「あのさ、用事って結局ハルトとどうなったかって聞きたかったことなの? それとも謎の腰貸してのほう?」
「……腰のほう」
「いったいどうした? 要求不満が爆発しそうなの? 大丈夫?」
そういって詰め寄ってみる。
なのに、ショウがまじめな顔でぽつりとこういった。
「同じようなつもりでずっといたんだけど。ユウキって案外……ちっぽけなんだな」
ちっぽけ? ちっぽけってなによ……存在が? それって悪口?
「あのさ、悪口面と向かって言うの流石にどうかと思うよ」
「いや、そういう意味じゃなくて。なんていうか、こうずっと一緒だったじゃん。背だって中学の途中まではむしろユウキのほうがでかかったし。ずっと、あの頃のままでイメージが止まってた。身長差、今は結構あるけど、身長だけが違うだけで、身体のつくりとかそんな変わらないのかなって……思ってた」
「は?」
思わず腹の底から低い声が出た。
いや、そうよ。私はショウの友達としていようと思いましたよ。そして、そのためにいろんなことを今まで諦めてきたさ……
身長差はできちゃったけど、体系は自分と変わらないだ? お前鏡みたことあんのかよ!? くらいの衝撃だった。
だって、ショウの身長は中学半ばからにょきにょきと成長し始めた。
身長が伸びるのに合わせて、食べる量がグーンと増えて、身体も男性らしく骨ばりがっしりとしてきて、高校生の今やどうみても女性とは言い難い体系に成長した。
かたや私は、成長期は小学生で終わり中学では身長がほぼ伸びなかったし、高校生の今後1cmでも伸びればいいところって感じだし。
体つきだって、ショウの身長が伸び始めたころくらいから、女性特有の丸みを帯びた。
確かに、少し前までは、女性らしい体系が隠れるような服を来てなかった。ジャージやスエットはしっかり身体のラインを隠してきた。
それに、身体のラインにいたっては、ここ最近偽物の私になるようになってから、努力して変わったところは確かに多い。
ただね、いくらなんでも男性と同じ体つきには見えないと思う。
ショウと私の体系が変わらないと思っていたとか……人の印象の思いこみが見せるのってすごい。
「小さくなったなはと思ってたんだけど、女子ってよく考えたらサイズ的にこんなもんだよな。そうだよな」
「あっ? さっきから喧嘩売ってんの? 売ってるなら買いますけど? ちっぽけとか人を指して使う言葉じゃないでしょうよ」
口では私はそういうけど、ショウにとって私は今までそんなイメージでいたことが少しショックでもあった。
自分がそう見えるようにやってきたのにだ……
「悪い悪い、でもサイズが思っていたのと誤差があったけど。中身は変わんないもんな」
そういって、ショウはバシンっと私がショウいつもやるように背中を叩かれた。
「いっ……力加減考えろ馬鹿!?」
「え? そんな強くやってないと思うけど……。ごめんごめん、まだ読んでないけど先これ読んでいいからさ」
そういってショウは買ったばかりの本を私に差し出した。
その後は普通すぎるほど普通だった。
……なんていうか、私の中でこの日ずっと心につっかえていたものが取れた。
ずっと、姿が変わったら友達として傍に入れないんじゃないかなって不安だった。
今だって、ショウに彼女ができるってことがなかったら、ショウの前では友達でいるためにきっとスウェットかジャージだったと思う。
まぁ、その彼女って詐欺メイクした私っていう何ともややこしい話なんだけどね……
でも、彼女ができても、ショウが私に見せる顔はショウのままで。
このままじゃいけないって、女らしい恰好を私がしてもこうして友達で入れるじゃない……
私だけが、勝手に外見にこだわっていたんだってしみじみ思った。
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