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第27話 違和感
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ハルトとやり取りをするようになって気がついたことがある。
女の子特有の物が好きで、可愛い服着ておしゃれしたい私。
ゲームプレイしてジャンプ読んじゃう私。
その両方が私だってこと。
今までは、女の子らしいことができなかったんだけど、ハルトとは、女の子らしい恰好であったこともあって、私の好きなは隠さず好きって言えた。
それは、本当に私が望んでいたことで。だからこそ、話しやすいことやしたいことを我慢しなくてもいいことが気楽だった。
それでも、やっぱりずっと好きな人の隣は自分を偽ってでも傍にいたいと思うほど特別。
本物の私では絶対にこんな風に隣にいれないからこそ、手放せないと思うのも事実。
だから、ハルトと連絡を取るたびに、ユウの存在をそろそろどうするか考えないといけない。
旅行の話の最後の打ち合わせとして今日はユウのほうでショウの家にお邪魔していた。
同じ部屋への訪問でも、ユウキでくるのとユウで来るのとでは大違いだ。隣に並んでるるぶを眺める際にちょっとショウのほうにコテンとくっついてもショウも私にコテンと頭をくっつけて返してくるのがたまらなく愛しい。
手放したくないと欲をかいてしまう。
「どうした?」
ショウが突然私に聞いてきたからびっくりした。
ユウのこと今後どうしようみたいなの顔に出てたかな?
「ん?」
私がどうかした? と言わんばかりにきき返すと。
「いや、気のせいだったかも」
ショウはそういって私の腰に手をゆっくりと回してギュっとしてきたから、私もギュっとくっつき返した時だった。
ハッとした顔をして、急にショウが距離を取ったのだ。
「どうかした?」
今度は逆に私のほうがショウに聞き返す。
「なんでもない」
そういってショウは笑うけど、なんでもないって顔をしてないのが、私にはわかってしまう。
私何かした? 嫌われたくない、はっきり言ってほしい。
「嘘ついてるでしょ。眉間のしわ」
そういって、ほんのりよってるショウの眉間に人差し指をあてて、いつものようにぐりぐりしようとして私は止まった。
ユウキのようにしたら駄目じゃんって。
そっと指を戻して曖昧に笑ってごまかす。
その後は普通に集合時間を決めて、どういう順番で回るとか話して解散した。
頭をグルグル回るのは、さっきのショウの反応はなんだったんだろうっていうこと。
そんなことを考えながらもトイレで慣れた手つきで私はメイクを落としていく、そして、最近は素っぴんではなく新たに化粧をしてかえるというわけのわからないことをする。
化粧をやり直ししてるときだった。
ショウからラインがユウキのほうに来たのだ。
『今暇?』
ユウへの時と違って絵文字など一切なく用件のみなのがショウらしい。
『出先から帰ってるところ』
『俺んち集合』
『私の予定は無視かい』
『帰ってるところならもう用終わったんだろ』
お見通しというわけか。
ユウでおじゃましてユウキでおじゃまするを一日の間にするとなんか変な感じだ。
トランクを一回家においてからショウの家に向かう。
一体何だろう、ユウのときちょっと変だったし、そのことで何か相談されるのかな?
……もしかして、ユウの正体が私ってばれた? 自分で言うのもだけど完全にあのメイクは別人だと思う。でも、私その後いつもの癖でショウの眉間をぐりぐりしようとした。それは未遂で終わったけど。
ばれたんじゃないかってことが頭をグルグルする。
悶々と考えてもしょうがなくてショウの家にお邪魔する。
「こんばんは」
「おう、2階上がって」
顔も出さずに、2階からショウの声が聞こえる。
「いや、私ご飯の前にサッとお風呂も入りたかったから上がるのはなんだけど……」
「すぐすむから」
「なら、玄関先でいいじゃん」
そういいながらも靴を脱ごうとして止まった。
服は変えているけど、靴はユウのときのままで変えていなかったということに気がついたからだ。
サッと帰れば大丈夫か。いや、こういう油断がいけないのか。
「まだ?」
ショウが降りてきそうな気配がして、慌てて靴をぬいでお邪魔した。
ヤバい、ヤバい。なんでこんな単純ミスしたんだろう。同じ日に家にお邪魔するとか思わなかったし。
階段をのぼりながらも、ばれたらどうしようが頭の仲をグルグル回る。
「よっ!」
ドアをあけるとショウが短い挨拶をしてきた。
「もう、こんな時間になによ。ご飯前は忙しいんだから手短にね」
「ハルトとどう?」
あっ、なんだそっちか。紹介した手前気になるってほうね。ほっと胸をなでおろした。
「あの後は会えてないんだけど、ラインは結構してるかな。割と趣味もあいそうな感じ」
「そりゃよかった……」
はんとなく歯切れが悪い。
わざわざ呼び出してまで私に言いたいことってこれじゃなさそうってことがわかる。
「要件コレじゃないよね? もう私お風呂も入りたいからさくっと頼むわ」
「うん」
返事はするけどショウは切りださない。
「もう、今さらだから。ほら、さっさといいなさいよ。こっちだって毎回暇ってわけじゃないんだからね」
強めに言うと。意を決したようにショウはいった。
「ちょっと腰を……かしてください」
「え?」
言われた言葉の意味がわからず、かつ腰という単語になんとなく自分の身体を抱きしめて、後ろに数歩下がってショウと距離をとる。
「ほら、そうなるから」
「いや、別に腰は貸してやらないこともないけど。どうした? 人様の腰に何の用があるわけ」
「とりあえず、だまって貸して」
腰ってだまってホイホイかすところではないと思う。
ショウの手が伸びてくるのからゆっくりとその手から逃れるべく距離を取る。
「いや、お前貸すって言うくせに貸す気ないだろ」
ショウの手を避けた私にショウがそう言ってくる。
女の子特有の物が好きで、可愛い服着ておしゃれしたい私。
ゲームプレイしてジャンプ読んじゃう私。
その両方が私だってこと。
今までは、女の子らしいことができなかったんだけど、ハルトとは、女の子らしい恰好であったこともあって、私の好きなは隠さず好きって言えた。
それは、本当に私が望んでいたことで。だからこそ、話しやすいことやしたいことを我慢しなくてもいいことが気楽だった。
それでも、やっぱりずっと好きな人の隣は自分を偽ってでも傍にいたいと思うほど特別。
本物の私では絶対にこんな風に隣にいれないからこそ、手放せないと思うのも事実。
だから、ハルトと連絡を取るたびに、ユウの存在をそろそろどうするか考えないといけない。
旅行の話の最後の打ち合わせとして今日はユウのほうでショウの家にお邪魔していた。
同じ部屋への訪問でも、ユウキでくるのとユウで来るのとでは大違いだ。隣に並んでるるぶを眺める際にちょっとショウのほうにコテンとくっついてもショウも私にコテンと頭をくっつけて返してくるのがたまらなく愛しい。
手放したくないと欲をかいてしまう。
「どうした?」
ショウが突然私に聞いてきたからびっくりした。
ユウのこと今後どうしようみたいなの顔に出てたかな?
「ん?」
私がどうかした? と言わんばかりにきき返すと。
「いや、気のせいだったかも」
ショウはそういって私の腰に手をゆっくりと回してギュっとしてきたから、私もギュっとくっつき返した時だった。
ハッとした顔をして、急にショウが距離を取ったのだ。
「どうかした?」
今度は逆に私のほうがショウに聞き返す。
「なんでもない」
そういってショウは笑うけど、なんでもないって顔をしてないのが、私にはわかってしまう。
私何かした? 嫌われたくない、はっきり言ってほしい。
「嘘ついてるでしょ。眉間のしわ」
そういって、ほんのりよってるショウの眉間に人差し指をあてて、いつものようにぐりぐりしようとして私は止まった。
ユウキのようにしたら駄目じゃんって。
そっと指を戻して曖昧に笑ってごまかす。
その後は普通に集合時間を決めて、どういう順番で回るとか話して解散した。
頭をグルグル回るのは、さっきのショウの反応はなんだったんだろうっていうこと。
そんなことを考えながらもトイレで慣れた手つきで私はメイクを落としていく、そして、最近は素っぴんではなく新たに化粧をしてかえるというわけのわからないことをする。
化粧をやり直ししてるときだった。
ショウからラインがユウキのほうに来たのだ。
『今暇?』
ユウへの時と違って絵文字など一切なく用件のみなのがショウらしい。
『出先から帰ってるところ』
『俺んち集合』
『私の予定は無視かい』
『帰ってるところならもう用終わったんだろ』
お見通しというわけか。
ユウでおじゃましてユウキでおじゃまするを一日の間にするとなんか変な感じだ。
トランクを一回家においてからショウの家に向かう。
一体何だろう、ユウのときちょっと変だったし、そのことで何か相談されるのかな?
……もしかして、ユウの正体が私ってばれた? 自分で言うのもだけど完全にあのメイクは別人だと思う。でも、私その後いつもの癖でショウの眉間をぐりぐりしようとした。それは未遂で終わったけど。
ばれたんじゃないかってことが頭をグルグルする。
悶々と考えてもしょうがなくてショウの家にお邪魔する。
「こんばんは」
「おう、2階上がって」
顔も出さずに、2階からショウの声が聞こえる。
「いや、私ご飯の前にサッとお風呂も入りたかったから上がるのはなんだけど……」
「すぐすむから」
「なら、玄関先でいいじゃん」
そういいながらも靴を脱ごうとして止まった。
服は変えているけど、靴はユウのときのままで変えていなかったということに気がついたからだ。
サッと帰れば大丈夫か。いや、こういう油断がいけないのか。
「まだ?」
ショウが降りてきそうな気配がして、慌てて靴をぬいでお邪魔した。
ヤバい、ヤバい。なんでこんな単純ミスしたんだろう。同じ日に家にお邪魔するとか思わなかったし。
階段をのぼりながらも、ばれたらどうしようが頭の仲をグルグル回る。
「よっ!」
ドアをあけるとショウが短い挨拶をしてきた。
「もう、こんな時間になによ。ご飯前は忙しいんだから手短にね」
「ハルトとどう?」
あっ、なんだそっちか。紹介した手前気になるってほうね。ほっと胸をなでおろした。
「あの後は会えてないんだけど、ラインは結構してるかな。割と趣味もあいそうな感じ」
「そりゃよかった……」
はんとなく歯切れが悪い。
わざわざ呼び出してまで私に言いたいことってこれじゃなさそうってことがわかる。
「要件コレじゃないよね? もう私お風呂も入りたいからさくっと頼むわ」
「うん」
返事はするけどショウは切りださない。
「もう、今さらだから。ほら、さっさといいなさいよ。こっちだって毎回暇ってわけじゃないんだからね」
強めに言うと。意を決したようにショウはいった。
「ちょっと腰を……かしてください」
「え?」
言われた言葉の意味がわからず、かつ腰という単語になんとなく自分の身体を抱きしめて、後ろに数歩下がってショウと距離をとる。
「ほら、そうなるから」
「いや、別に腰は貸してやらないこともないけど。どうした? 人様の腰に何の用があるわけ」
「とりあえず、だまって貸して」
腰ってだまってホイホイかすところではないと思う。
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ショウの手を避けた私にショウがそう言ってくる。
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