26 / 41
第26話 そんなに食べれない
しおりを挟む
トンカツはおいしい、おいしいことは正義である。
ダイエットするとしても、トンカツの日だけは無礼講だ。
それほどトンカツというものは、すごくおいしい。
ショウのお母さんの作るトンカツは、ロースカツ、ヒレカツ、豚バラをミルフィーユのように重ねての3つのバージョンがある。
今日は私がいるから、メニューを変更してくれたようで、ミルフィーユカツのほうだ。
間にチーズやキムチが入ってるのがまたおいしいの。
おばさん本当に料理上手で神。
すでに、私の皿には、チーズのとキムチのと2種類が乗せられてる。はい、2枚食べますよもちろん。
ちょこっと食べてお腹いっぱいで……とかはやらない主義。
だってトンカツおいしいし。どうせなら、ご飯は少なめにしてその分一切れでも多くトンカツを食べたいくらい。
ショウのほうを見ると、何味かはわからないけれど私のより大きいものが3枚ものっている。それだけ食べれるっていいなぁ。
私は水着のせいでダイエットというより、くびれを作るべく頑張ってこれだし、何もしてなさそうなのにその身体はずるいと思う。神様は不公平だ。
いただきますの号令がかかるまえに、すでにワクワクとしてしまう。
ショウのお父さんは遅いようで、3人でご飯を食べ始める。
おいしい、おいしい。
「ユウキちゃんいっぱい食べてね。ご飯とおみそ汁とサラダはお変わり沢山あるから。トンカツは足りなかったらショウから取ってね!」
かなりガッツリキープしているけれど、もっと食べてね食べてねが今日も始まる。
途中で電話がかかってきておばさんが気にせず先に食べててというから気にせず食べ勧める。
私の皿に、トンカツが一切れおかれた。
ショウが大好物のトンカツを私の皿になぜおいたの? と不思議な気持ちになる。
ちらりとショウをみると黙々とカツを食べている。
よく考えて……ショウとは長い付き合いじゃない。私の皿にカツをなぜ乗せたのか、ショウの考えを読み取るのよ。
ショウが口に出さずとも幼馴染の私にならわかるはず。
トンカツの味は再確認するけれどキムチとチーズの2種類。私はそれぞれ一枚ずつ。
ショウのは3枚。ということはぱっと見ではわからないけれど、チーズ2キムチ1かチーズ1キムチ2というわけだ。
ショウがよこしたカツを箸で持ち上げてみる、チーズだ。
つまり、ショウの手持ちのカツはチーズ2キムチ1だったにちがいない。ということは、私にチーズを一切れやるからキムチを1よこせということね。
『まったく子供だなぁ』と思いつつも、真中のおいしいところを一切れキムチ味のからとってショウの皿に入れてあげる。
「そんじゃ、はい」
「いや、なんで俺にカツくれるんだよ」
「え? チーズ2キムチ1だったから、キムチもうちょっと食べたいから一切れ交換してほしいのかなって思ったんだけど違った?」
この名推理が外れたというの? えっ……この推理がはずれてしまうと、なんでかさっぱりわからないけれど普通にカツを一切れくれたということになってしまう。
ハルト紹介したから頑張れという叱咤激励的な意味でこの恋勝ち取れよみたいな?
私の頭に『?』が沢山浮かぶ。
「いいから食べとけ」
なんで、私はカツを譲ってもらえたのだろう。
譲ってもらえるようなことをしただろうか? よくわからないけれど、カツはせっかくもらったから食べるけれど。
よくわからないままカツを食べて。そろそろ帰ることになった。
いつもはそのまま徒歩30秒だから玄関先でバイバイなのにショウがスニーカーを履く。
「いいよ、送ってくんなくても、徒歩30秒だしさ」
今までこんなこと一回もなかったじゃん。
「いつもより遅いだろ、一応だよ一応。何かあったら寝覚めが悪いじゃん」
「そかそか……」
いつもと違うパターンに戸惑う。
ショウがスニーカー履くのをまって家から出た。
走っちゃえばあっという間についちゃう我が家。いつもは遊びに行くとき近くていいってずっと思っていたけれど。今日だけは、ちょっとこの短い距離がもったいない。
だって、あの幼馴染で長年好きだったショウがユウではなくユウキのために家まで送ってくれるとかきっと、これが最初で最後だと思うもん。
本当にあっという間に家についてしまった。
あーあーってユウキで送ってもらったからこそ余計に思ってしまう。
「ありがとね」
恥ずかしくて手短にお礼をいってドアを開けようとした。
「あのさ」
ショウが声をかけてきて思わず振り返る。
ちょっと待って、こんな風に呼び止められるパターンも今までなかった、なんだ? あっ、ハルトのことかな……もしかして私には連絡きてなくてもショウのほうには無理そうとか連絡きちゃった?
「……なに?」
「もっと食えよ」
「え? なんだって?」
もっと食べろっていった? どういうこと、何が言いたいの? 私トンカツ2枚も食べたよ人様の家で。
「だから、もっとちゃんと食べたほうがいいと思う」
「はぃ? ごめん、長く幼馴染してるけど、今日はショウが言いたいことが一つもわかんないんだけど」
本当にショウが言いたいことがさっぱりわからなくて思わず真顔になる。
「だから、お前ダイエットでもしてる? もっと食べたほうがいいと思う」
「いや、ダイエットしてる女はトンカツを人様の家で2枚も食べないよ。何言ってんの? いや、どうしてそうなったのかわからないけど。だからトンカツ一切れもしかして交換じゃなくてくれようとしてたの? まるまる私を太らせてどうしたいのさ……彼氏作れとか男紹介しといて、肥え太れとか意味がわからない」
本当にわからなくてポカーンとしてしまう。
「思ったより軽かったし」
そういって、ショウの左手がわきっと動く。なるほど、左手が変だったのってウエストこんなもんかなってしてたのかもしかして……
もっとドーンと落ちてくると思ったら思いのほか軽かったと、私どんだけ重いと思ってたんだよ失礼な。
「あのさ、昔と違って今の私達って身長差何センチあると思ってんのよ」
ショウの近くにいって、私の頭の一番高いところに手をやって、ショウのほうへ思い切りドスっとやってみる。
私の手はショウの鎖骨あたりにドスっときまる。
「グッ」
思いのほか強い衝撃だったようで、ショウが軽くうめき声をあげる。
「中学の途中までは大体同じくらいだったのにね、ショウだけぐんぐん伸びてずるいわ。まぁ、高さが違う分くらいは軽いわよ一応。親友は親友でも男じゃなくて女で有ることを忘れてはいけないわよショウ」
そういって笑うとショウもそうかといってニカっと笑った。
ダイエットするとしても、トンカツの日だけは無礼講だ。
それほどトンカツというものは、すごくおいしい。
ショウのお母さんの作るトンカツは、ロースカツ、ヒレカツ、豚バラをミルフィーユのように重ねての3つのバージョンがある。
今日は私がいるから、メニューを変更してくれたようで、ミルフィーユカツのほうだ。
間にチーズやキムチが入ってるのがまたおいしいの。
おばさん本当に料理上手で神。
すでに、私の皿には、チーズのとキムチのと2種類が乗せられてる。はい、2枚食べますよもちろん。
ちょこっと食べてお腹いっぱいで……とかはやらない主義。
だってトンカツおいしいし。どうせなら、ご飯は少なめにしてその分一切れでも多くトンカツを食べたいくらい。
ショウのほうを見ると、何味かはわからないけれど私のより大きいものが3枚ものっている。それだけ食べれるっていいなぁ。
私は水着のせいでダイエットというより、くびれを作るべく頑張ってこれだし、何もしてなさそうなのにその身体はずるいと思う。神様は不公平だ。
いただきますの号令がかかるまえに、すでにワクワクとしてしまう。
ショウのお父さんは遅いようで、3人でご飯を食べ始める。
おいしい、おいしい。
「ユウキちゃんいっぱい食べてね。ご飯とおみそ汁とサラダはお変わり沢山あるから。トンカツは足りなかったらショウから取ってね!」
かなりガッツリキープしているけれど、もっと食べてね食べてねが今日も始まる。
途中で電話がかかってきておばさんが気にせず先に食べててというから気にせず食べ勧める。
私の皿に、トンカツが一切れおかれた。
ショウが大好物のトンカツを私の皿になぜおいたの? と不思議な気持ちになる。
ちらりとショウをみると黙々とカツを食べている。
よく考えて……ショウとは長い付き合いじゃない。私の皿にカツをなぜ乗せたのか、ショウの考えを読み取るのよ。
ショウが口に出さずとも幼馴染の私にならわかるはず。
トンカツの味は再確認するけれどキムチとチーズの2種類。私はそれぞれ一枚ずつ。
ショウのは3枚。ということはぱっと見ではわからないけれど、チーズ2キムチ1かチーズ1キムチ2というわけだ。
ショウがよこしたカツを箸で持ち上げてみる、チーズだ。
つまり、ショウの手持ちのカツはチーズ2キムチ1だったにちがいない。ということは、私にチーズを一切れやるからキムチを1よこせということね。
『まったく子供だなぁ』と思いつつも、真中のおいしいところを一切れキムチ味のからとってショウの皿に入れてあげる。
「そんじゃ、はい」
「いや、なんで俺にカツくれるんだよ」
「え? チーズ2キムチ1だったから、キムチもうちょっと食べたいから一切れ交換してほしいのかなって思ったんだけど違った?」
この名推理が外れたというの? えっ……この推理がはずれてしまうと、なんでかさっぱりわからないけれど普通にカツを一切れくれたということになってしまう。
ハルト紹介したから頑張れという叱咤激励的な意味でこの恋勝ち取れよみたいな?
私の頭に『?』が沢山浮かぶ。
「いいから食べとけ」
なんで、私はカツを譲ってもらえたのだろう。
譲ってもらえるようなことをしただろうか? よくわからないけれど、カツはせっかくもらったから食べるけれど。
よくわからないままカツを食べて。そろそろ帰ることになった。
いつもはそのまま徒歩30秒だから玄関先でバイバイなのにショウがスニーカーを履く。
「いいよ、送ってくんなくても、徒歩30秒だしさ」
今までこんなこと一回もなかったじゃん。
「いつもより遅いだろ、一応だよ一応。何かあったら寝覚めが悪いじゃん」
「そかそか……」
いつもと違うパターンに戸惑う。
ショウがスニーカー履くのをまって家から出た。
走っちゃえばあっという間についちゃう我が家。いつもは遊びに行くとき近くていいってずっと思っていたけれど。今日だけは、ちょっとこの短い距離がもったいない。
だって、あの幼馴染で長年好きだったショウがユウではなくユウキのために家まで送ってくれるとかきっと、これが最初で最後だと思うもん。
本当にあっという間に家についてしまった。
あーあーってユウキで送ってもらったからこそ余計に思ってしまう。
「ありがとね」
恥ずかしくて手短にお礼をいってドアを開けようとした。
「あのさ」
ショウが声をかけてきて思わず振り返る。
ちょっと待って、こんな風に呼び止められるパターンも今までなかった、なんだ? あっ、ハルトのことかな……もしかして私には連絡きてなくてもショウのほうには無理そうとか連絡きちゃった?
「……なに?」
「もっと食えよ」
「え? なんだって?」
もっと食べろっていった? どういうこと、何が言いたいの? 私トンカツ2枚も食べたよ人様の家で。
「だから、もっとちゃんと食べたほうがいいと思う」
「はぃ? ごめん、長く幼馴染してるけど、今日はショウが言いたいことが一つもわかんないんだけど」
本当にショウが言いたいことがさっぱりわからなくて思わず真顔になる。
「だから、お前ダイエットでもしてる? もっと食べたほうがいいと思う」
「いや、ダイエットしてる女はトンカツを人様の家で2枚も食べないよ。何言ってんの? いや、どうしてそうなったのかわからないけど。だからトンカツ一切れもしかして交換じゃなくてくれようとしてたの? まるまる私を太らせてどうしたいのさ……彼氏作れとか男紹介しといて、肥え太れとか意味がわからない」
本当にわからなくてポカーンとしてしまう。
「思ったより軽かったし」
そういって、ショウの左手がわきっと動く。なるほど、左手が変だったのってウエストこんなもんかなってしてたのかもしかして……
もっとドーンと落ちてくると思ったら思いのほか軽かったと、私どんだけ重いと思ってたんだよ失礼な。
「あのさ、昔と違って今の私達って身長差何センチあると思ってんのよ」
ショウの近くにいって、私の頭の一番高いところに手をやって、ショウのほうへ思い切りドスっとやってみる。
私の手はショウの鎖骨あたりにドスっときまる。
「グッ」
思いのほか強い衝撃だったようで、ショウが軽くうめき声をあげる。
「中学の途中までは大体同じくらいだったのにね、ショウだけぐんぐん伸びてずるいわ。まぁ、高さが違う分くらいは軽いわよ一応。親友は親友でも男じゃなくて女で有ることを忘れてはいけないわよショウ」
そういって笑うとショウもそうかといってニカっと笑った。
0
あなたにおすすめの小説
寵愛の花嫁は毒を愛でる~いじわる義母の陰謀を華麗にスルーして、最愛の公爵様と幸せになります~
紅葉山参
恋愛
アエナは貧しい子爵家から、国の英雄と名高いルーカス公爵の元へと嫁いだ。彼との政略結婚は、彼の底なしの優しさと、情熱的な寵愛によって、アエナにとってかけがえのない幸福となった。しかし、その幸福を妬み、毎日のように粘着質ないじめを繰り返す者が一人、それは夫の継母であるユーカ夫人である。
「たかが子爵の娘が、公爵家の奥様面など」 ユーカ様はそう言って、私に次から次へと理不尽な嫌がらせを仕掛けてくる。大切な食器を隠したり、ルーカス様に嘘の告げ口をしたり、社交界で恥をかかせようとしたり。
だが、私は決して挫けない。愛する公爵様との穏やかな日々を守るため、そして何より、彼が大切な家族と信じているユーカ様を悲しませないためにも、私はこの毒を静かに受け流すことに決めたのだ。
誰も気づかないほど巧妙に、いじめを優雅にスルーするアエナ。公爵であるあなたに心配をかけまいと、彼女は今日も微笑みを絶やさない。しかし、毒は徐々に、確実に、その濃度を増していく。ついに義母は、アエナの命に関わるような、取り返しのつかない大罪に手を染めてしまう。
愛と策略、そして運命の結末。この溺愛系ヒロインが、華麗なるスルー術で、最愛の公爵様との未来を掴み取る、痛快でロマンティックな物語の幕開けです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した
あと
BL
「また物が置かれてる!」
最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…?
⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。
攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。
ちょっと怖い場面が含まれています。
ミステリー要素があります。
一応ハピエンです。
主人公:七瀬明
幼馴染:月城颯
ストーカー:不明
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
reva
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる