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最終章
遠征~2
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「フォルティス、お前の今日の任務はこれまでだ。後は自由にしてよろしい」
エリゼル殿下と共に王都を離れ、第二の都市ピレノールの離宮に到着したジュリア達は、荷ほどきをしたり、馬を従者に手渡したりと、忙しく雑用に没頭していた。それもおおかた片付き、これから警備への体制へと移行するタイミングで上官に言われた言葉だ。
「まだ、警備体制の打ち合わせも終わっておりませんが?」
ジュリアが不思議そうに聞けば、熊のようながっしりした上官は事も無げに言う。
「お前は、警備体制には組み込まれておらん。飯の後は好きにしていろ」
「あの・・・それはどうしてでしょうか?」
何だか外されたような気がして、怪訝な顔をするジュリアに上官は言った。
「殿下からのご要望でな。お前には夜の仕事を一切与えてはならん、と。昼は殿下の補佐の仕事だ」
「通常の騎士の業務とは全く異なりますが」
「全て殿下のご希望なのだ。殿下の命令だからな。お前が気にする必要はない」
心配そうなジュリアには、上官の心遣いがありがたく響く。
「枢機院のメンバーでもある貴族のお前さんを一般の騎士と同じ外警や夜警に回す訳にもいかんしな。お前さんを連れていく分、護衛騎士の人数も増やしてもらったから俺たちとしてはそのほうがありがたい。だから、お前も気に病む必要はないぞ」
「すみません」
「まあ、気にするな。俺たちも女のお前をそこまでこき使おうなどとは思ってはいないからな」
団長は豪快な男だった。申し訳なさそうに身を縮めるジュリアとは対照的に、そんな些細なことは全く気にするなという風にカラカラと笑った。
◇
そういう訳で仕事から解放され、少しほっとしたジュリアは窓から外を眺めた。ピレノール宮殿、王都から険しい山脈を越えた場所に広がるのは美しい丘陵地帯。その中でも最も美しい田園風景に囲まれた白亜の宮殿に、今、ジュリアたちはいる。空を見上げれば、あかね色の空の中に宵の明星が輝きを放ち始めていた。もうすぐ日が暮れる。木立の向こうに広がる湖もまた青い色を反射しながら澄んだ水をたたえていた。
そんな美しい景色を眺めていると言うのに、ジュリアの胸は晴れやかな気分にはなれなかった。
─ 何もかもが洗練されているこの場所で、殿下は一体自分に何を伝えたいのだろう。
舞踏会で彼がジュリアの耳元で囁いた言葉。
─ 私が君をどれほど愛しているか示す機会を与えて欲しい。
参ったな、とジュリアは額に手をやり少し項垂れてしまった。殿下はやはりどうも本気らしい。この遠征にはその目的も含まれていたか。
「こちらでございます」
殿下の従者に案内されてきてみた部屋を一目みて、ジュリアは驚きのあまり固まった。顔が少しこわばっているかもしれない。
「ここは・・・ 殿下の寝室の隣になるのですが?」
戸惑いがちに言葉を口にするジュリアに、従者はこともなげに言う。
「殿下のご要望ですので」
「はあ?」
見渡せば貴婦人のために設えたような美しい部屋だ。ジュリアは慌てて部屋を代えてもらうように従者に言おうと思ったのに、気づけば、従者はさっさと部屋を出てしまっていたらしい。
こまった。ジュリアは、力なくベッドの縁に腰をかけた。
騎士達は通称たこ部屋と呼ばれる詰め所で、剣を片手に仮眠を取りながら緊急時に備えるのが常であるのだが、たこ部屋でなく、殿下の隣の寝室とは。
それでも、暖炉には火が入っていて、冷たい石造りのたこ部屋の中で、薄い毛布にくるまりながら仮眠を取る状況を思えば、とてもありがたいことは確かだ。
腰掛けた敷布にそっと触れば、極上品の毛布の手触りはとても柔らかくて暖かい。今日はまる一日、馬に揺られながら、崖に面した細い道を油断なく進み続けたのだ。疲れていても当然だ。同僚には申し訳ないが、殿下の配慮に感謝しなければ、と思った。
それでもこの部屋は身に余る。他の部屋へと代えてもらわなくては、とジュリアは、暖炉の火をぼんやりと見つめながら考えていた。別の部屋でもきっと気持ちよく眠れるだろう。
◇
銀の皿の上には、丸ごと焼いた鳥が乗っているし、クリスタルのグラスにつがれた酒は素晴らしい香りを放っていた。一つ一つの料理も素晴らしく美味い。蝋燭が沢山灯され、とてもロマンティックな夕食のひと時・・・のはずなが、その席についた女性はただただ困惑した視線を自分の主へと向けていた。
「ほら、遠慮せずに食べろ」
目の前には天使かと思う程の美貌の王太子が煌びやかな衣装を着て座っている。華やかな食卓を囲んでいるのは二人だけだ。
「殿下・・・私にこのような待遇は身に余ることと思われますが」
控えめなドレスに身を包んだジュリアが遠慮がちに言えば、王太子は、にこりと愛想のよい微笑みをジュリアになげかけた。
「この前の舞踏会で約束しただろう? 私のプライベートな顔を見せると」
「それはそうですが、私は今、任務中なのです」
寒空の下で、警護に当っている同僚のことを考えれば、とても申し訳ない気がして仕方が無い。
「君は今私の護衛という特別任務に当っていることになっているから気にする必要はない」
そんなジュリアの顔を王太子は読み取っていたようだ。
「同僚を気にしているのか?」
「ええ。そうです。私たちは仲間ですから」
「君を連れてくる分、護衛の人数も増やしたから、奴らも今回は幾分楽が出来ているはずだぞ。ふむ・・・そうだな。では、後であいつらにも少し豪華な夕食を振る舞ってやろう。それでいいか?」
「・・・はい。あの・・・それでよろしいのなら」
では決まりだ。と殿下はにやりと笑った。
「奴らも一日警護で疲れてるだろう。君をこちらによこした分の分け前くらいはもらっても罰はあたらんな」
殿下が尊大な口調で言うが、ジュリアにはわかっていた。この人は、口は悪いが部下のことをよくわかっている。体調が悪そうな部下をそっと前線からはずしたり、意地悪で冷たい顔をしているが、本当は細やかな心遣いが出来る人だった。
「マクナム伯爵ともあろうものが、そんなに周りを気にしているようでは到底、貴族など務まらないぞ」
「それはそうなのですが・・・」
それにしても、目の前の殿下はよく食べる。今も旺盛な食欲で大きな鳥を平らげた所だ。ジュリアも勧められるがままに食事を口に運ぶ。やはり王宮の料理人だ。
ほっそりとして繊細な外見なのに、殿下は旺盛な食欲で見ていて気持ち良いくらいに皿を平らげていく。
「よくお召し上がりになられるのですね?」
「そうか? いつもこのくらい食べるんだが?」
キョトンとして自分を見上げる殿下は、愛らしい天使のようにも見える。淡い金色の巻き毛に、光沢のある深いグリーンの瞳。 薄めだが形のよい口元は引き締まっている。天使の中でも、戦闘を司る天使をジュリアは思い出していた。教会の聖堂のステンドグラスに使われている天使だ。
そういえば、殿下はその繊細な風貌に似合わず、肩や胸は意外としっかりしていたな、と一緒に踊った時のことを思い出した。彼には騎士に劣らないほどの握力がある。きっと剣を握らせたら、とても強いのだろう。
「・・・私のことを観察しているね?」
殿下がジュリアに向って笑いかけた。
─ この人、こんな顔もするんだ。
美しい緑色の瞳を細めて笑う彼の顔は、思いもよらない程素直な笑みで、ジュリアは毒気を抜かれた。
「ええ。そういえば、殿下の顔を拝見させていただくのは初めてかと思いましたので」
「何度か一緒に踊っていたのに?」
「はい。その時は、とても緊張していましたから」
踊っている時は敵と対峙している気分だったと、どうして言えようか。
「・・・それで、私の顔はどう思う? 私は美男? それとも醜男? 君の気に入るといいが」
「まさか殿下を醜男だと思う人は皆無だと思います」
「そうかな? 人にはそれぞれ美の基準というものがある。それでも、大切なことを君は言い忘れている」
「どのようなことですか?」
「私は君にとって魅力的かな?」
ちらりとジュリアを見つめる緑色の瞳と目があった。彼の瞳の中には一種の知性と、人を見抜く鋭さがある。それでも、口元は柔らかな笑みが浮かんでいる。
なんて綺麗な人なんだろう、とジュリアは思った。
「ええ」
ジュリアは簡潔に答えた。社交界の貴婦人のように世慣れた会話は苦手だった。
「・・・けれども、私にはもう心に決めた人がいるのです。彼と・・結婚の約束もしています」
「・・・ガルバーニ公爵だな?」
ジュリアははっとして目の前の殿下を見つめた。
エリゼル殿下と共に王都を離れ、第二の都市ピレノールの離宮に到着したジュリア達は、荷ほどきをしたり、馬を従者に手渡したりと、忙しく雑用に没頭していた。それもおおかた片付き、これから警備への体制へと移行するタイミングで上官に言われた言葉だ。
「まだ、警備体制の打ち合わせも終わっておりませんが?」
ジュリアが不思議そうに聞けば、熊のようながっしりした上官は事も無げに言う。
「お前は、警備体制には組み込まれておらん。飯の後は好きにしていろ」
「あの・・・それはどうしてでしょうか?」
何だか外されたような気がして、怪訝な顔をするジュリアに上官は言った。
「殿下からのご要望でな。お前には夜の仕事を一切与えてはならん、と。昼は殿下の補佐の仕事だ」
「通常の騎士の業務とは全く異なりますが」
「全て殿下のご希望なのだ。殿下の命令だからな。お前が気にする必要はない」
心配そうなジュリアには、上官の心遣いがありがたく響く。
「枢機院のメンバーでもある貴族のお前さんを一般の騎士と同じ外警や夜警に回す訳にもいかんしな。お前さんを連れていく分、護衛騎士の人数も増やしてもらったから俺たちとしてはそのほうがありがたい。だから、お前も気に病む必要はないぞ」
「すみません」
「まあ、気にするな。俺たちも女のお前をそこまでこき使おうなどとは思ってはいないからな」
団長は豪快な男だった。申し訳なさそうに身を縮めるジュリアとは対照的に、そんな些細なことは全く気にするなという風にカラカラと笑った。
◇
そういう訳で仕事から解放され、少しほっとしたジュリアは窓から外を眺めた。ピレノール宮殿、王都から険しい山脈を越えた場所に広がるのは美しい丘陵地帯。その中でも最も美しい田園風景に囲まれた白亜の宮殿に、今、ジュリアたちはいる。空を見上げれば、あかね色の空の中に宵の明星が輝きを放ち始めていた。もうすぐ日が暮れる。木立の向こうに広がる湖もまた青い色を反射しながら澄んだ水をたたえていた。
そんな美しい景色を眺めていると言うのに、ジュリアの胸は晴れやかな気分にはなれなかった。
─ 何もかもが洗練されているこの場所で、殿下は一体自分に何を伝えたいのだろう。
舞踏会で彼がジュリアの耳元で囁いた言葉。
─ 私が君をどれほど愛しているか示す機会を与えて欲しい。
参ったな、とジュリアは額に手をやり少し項垂れてしまった。殿下はやはりどうも本気らしい。この遠征にはその目的も含まれていたか。
「こちらでございます」
殿下の従者に案内されてきてみた部屋を一目みて、ジュリアは驚きのあまり固まった。顔が少しこわばっているかもしれない。
「ここは・・・ 殿下の寝室の隣になるのですが?」
戸惑いがちに言葉を口にするジュリアに、従者はこともなげに言う。
「殿下のご要望ですので」
「はあ?」
見渡せば貴婦人のために設えたような美しい部屋だ。ジュリアは慌てて部屋を代えてもらうように従者に言おうと思ったのに、気づけば、従者はさっさと部屋を出てしまっていたらしい。
こまった。ジュリアは、力なくベッドの縁に腰をかけた。
騎士達は通称たこ部屋と呼ばれる詰め所で、剣を片手に仮眠を取りながら緊急時に備えるのが常であるのだが、たこ部屋でなく、殿下の隣の寝室とは。
それでも、暖炉には火が入っていて、冷たい石造りのたこ部屋の中で、薄い毛布にくるまりながら仮眠を取る状況を思えば、とてもありがたいことは確かだ。
腰掛けた敷布にそっと触れば、極上品の毛布の手触りはとても柔らかくて暖かい。今日はまる一日、馬に揺られながら、崖に面した細い道を油断なく進み続けたのだ。疲れていても当然だ。同僚には申し訳ないが、殿下の配慮に感謝しなければ、と思った。
それでもこの部屋は身に余る。他の部屋へと代えてもらわなくては、とジュリアは、暖炉の火をぼんやりと見つめながら考えていた。別の部屋でもきっと気持ちよく眠れるだろう。
◇
銀の皿の上には、丸ごと焼いた鳥が乗っているし、クリスタルのグラスにつがれた酒は素晴らしい香りを放っていた。一つ一つの料理も素晴らしく美味い。蝋燭が沢山灯され、とてもロマンティックな夕食のひと時・・・のはずなが、その席についた女性はただただ困惑した視線を自分の主へと向けていた。
「ほら、遠慮せずに食べろ」
目の前には天使かと思う程の美貌の王太子が煌びやかな衣装を着て座っている。華やかな食卓を囲んでいるのは二人だけだ。
「殿下・・・私にこのような待遇は身に余ることと思われますが」
控えめなドレスに身を包んだジュリアが遠慮がちに言えば、王太子は、にこりと愛想のよい微笑みをジュリアになげかけた。
「この前の舞踏会で約束しただろう? 私のプライベートな顔を見せると」
「それはそうですが、私は今、任務中なのです」
寒空の下で、警護に当っている同僚のことを考えれば、とても申し訳ない気がして仕方が無い。
「君は今私の護衛という特別任務に当っていることになっているから気にする必要はない」
そんなジュリアの顔を王太子は読み取っていたようだ。
「同僚を気にしているのか?」
「ええ。そうです。私たちは仲間ですから」
「君を連れてくる分、護衛の人数も増やしたから、奴らも今回は幾分楽が出来ているはずだぞ。ふむ・・・そうだな。では、後であいつらにも少し豪華な夕食を振る舞ってやろう。それでいいか?」
「・・・はい。あの・・・それでよろしいのなら」
では決まりだ。と殿下はにやりと笑った。
「奴らも一日警護で疲れてるだろう。君をこちらによこした分の分け前くらいはもらっても罰はあたらんな」
殿下が尊大な口調で言うが、ジュリアにはわかっていた。この人は、口は悪いが部下のことをよくわかっている。体調が悪そうな部下をそっと前線からはずしたり、意地悪で冷たい顔をしているが、本当は細やかな心遣いが出来る人だった。
「マクナム伯爵ともあろうものが、そんなに周りを気にしているようでは到底、貴族など務まらないぞ」
「それはそうなのですが・・・」
それにしても、目の前の殿下はよく食べる。今も旺盛な食欲で大きな鳥を平らげた所だ。ジュリアも勧められるがままに食事を口に運ぶ。やはり王宮の料理人だ。
ほっそりとして繊細な外見なのに、殿下は旺盛な食欲で見ていて気持ち良いくらいに皿を平らげていく。
「よくお召し上がりになられるのですね?」
「そうか? いつもこのくらい食べるんだが?」
キョトンとして自分を見上げる殿下は、愛らしい天使のようにも見える。淡い金色の巻き毛に、光沢のある深いグリーンの瞳。 薄めだが形のよい口元は引き締まっている。天使の中でも、戦闘を司る天使をジュリアは思い出していた。教会の聖堂のステンドグラスに使われている天使だ。
そういえば、殿下はその繊細な風貌に似合わず、肩や胸は意外としっかりしていたな、と一緒に踊った時のことを思い出した。彼には騎士に劣らないほどの握力がある。きっと剣を握らせたら、とても強いのだろう。
「・・・私のことを観察しているね?」
殿下がジュリアに向って笑いかけた。
─ この人、こんな顔もするんだ。
美しい緑色の瞳を細めて笑う彼の顔は、思いもよらない程素直な笑みで、ジュリアは毒気を抜かれた。
「ええ。そういえば、殿下の顔を拝見させていただくのは初めてかと思いましたので」
「何度か一緒に踊っていたのに?」
「はい。その時は、とても緊張していましたから」
踊っている時は敵と対峙している気分だったと、どうして言えようか。
「・・・それで、私の顔はどう思う? 私は美男? それとも醜男? 君の気に入るといいが」
「まさか殿下を醜男だと思う人は皆無だと思います」
「そうかな? 人にはそれぞれ美の基準というものがある。それでも、大切なことを君は言い忘れている」
「どのようなことですか?」
「私は君にとって魅力的かな?」
ちらりとジュリアを見つめる緑色の瞳と目があった。彼の瞳の中には一種の知性と、人を見抜く鋭さがある。それでも、口元は柔らかな笑みが浮かんでいる。
なんて綺麗な人なんだろう、とジュリアは思った。
「ええ」
ジュリアは簡潔に答えた。社交界の貴婦人のように世慣れた会話は苦手だった。
「・・・けれども、私にはもう心に決めた人がいるのです。彼と・・結婚の約束もしています」
「・・・ガルバーニ公爵だな?」
ジュリアははっとして目の前の殿下を見つめた。
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