25 / 44
突然の婚約破棄からそれは始まった
決着
しおりを挟む
「覚悟しろ」
アーロンが大きく剣を振り上げ、レイモンドに向けて強く振り下ろす。
これで、決着がついた。
私がそう思った次の瞬間、レイモンドの口元に歪んだ笑みが浮かぶ。血が凍るとはこういうことなのだろう。彼の意図に気付いて、私は大きく目を見開いた。
「しまった」
アーロンも、レイモンドの次の動きを見た瞬間、彼が何をしようとしているのか、すぐに察したのだろう。レイモンドのフェイントに、アーロンがまんまと引っかかってしまったのである。
アーロンが決着をつけようと、レイモンドとの間合いを詰めて剣を振り上げた瞬間、レイモンドは隠し持っていた短剣をすらりと引き抜いた。剣を振り上げたアーロンの腕の下に出来た隙から、彼の心臓を狙う。
確か、彼は暗殺者としての訓練も受けていたはずだったということを思い出した。
「アーロン、あぶない!」
顔からさっと血の気が引いていくのが自分でもわかる。
「油断したな。小僧」
レイモンドはにやりと笑い、彼の心臓目掛けて、その刃を真っ直ぐに突き立てようとした瞬間。
ごんっ。
鈍い音が響きわたる。そして、次の瞬間、レイモンドがアーロンの目の前で、ゆっくりと崩れ落ちるように地面に沈んでいく。
「エレーヌ……」
アーロンがレイモンドの後ろに立つ私へと視線を向けた。彼の目に映ったのは、木の棒をレイモンドの後頭部目掛けて振り下ろした私の姿だった。
「や、やった…‥」
恐怖と興奮で、私は木の棒を強く握りしめたまま、ぶるぶると震える。
それはもう、咄嗟の判断としか言いようがない。
レイモンドがアーロンの胸目掛けて、刃を突き立てようとするのを見た瞬間、私は近くに落ちていた木の棒を拾い上げ、レイモンドの後頭部から思い切り振り下ろしたのだ。
地下牢に閉じ込められている間に、アーロンに剣の素振りを教えてもらっていてよかった。
しかし、女の力では、レイモンドに致命的な打撃を与えるに至らず、レイモンドにはまだ意識がかすかに残っていたのだ。
「エ…レーヌ…」
半ば朦朧としながら、地面に倒れ込んだレイモンドに私は駆け寄った。乙女ゲームの中の大切な情報を思い出したせいだ。
意識が次第に薄れていく彼の耳元で、私は小さな声でそっと囁く。
「貴方に聖マリウスのご加護がありますように」
それは嗜虐癖で歪んだレイモンドを、まっとうな人間に戻すための呪文であった。
聖マリウス。それは遠い昔、無罪の罪を着せられ処刑された聖人の名前である。
ゲームの記憶をよりはっきりと思い出したのは、ほんの数日前のことだ。
レイモンドは、まだ小さな頃に母を失くし、子供心にもまだショックが癒えない間に、なんと彼の父は後妻を迎えた。その女が慈愛に満ちた女性であれば、レイモンドはこんなに歪みはしなかっただろう。
その義母は、まだ小さかった彼をことあるごとに虐待した。その暗い生い立ちが彼の性癖を醜くく歪めてしまったのだ。その歪んだ彼の心を、普通の人間に戻す呪文が、聖マリウス。それは、彼の母親の記憶でもある。
彼の産みの母は、聖マリウスを強く信仰しており、その気高い精神は、子供であったレイモンドにもしっかり受け継がれていたはずだった。
私はその言葉を知っている。そして、今、その言葉をレイモンドに伝えたのだ。
「聖マリウス……」
レイモンドは焦点が定まらないまま私を見つめて、ぼんやりとその言葉を繰り返した。
「そう。聖マリウスよ。レイモンド、おやすみなさい」
彼の母親がそうしたように、意識を失いつつある彼の髪を優しく撫でたやる。
これで、きっと彼は大切な母親のことを思い出すだろう。気高く優しい母の姿を。
その後、彼はすぐに気を失ったが、その直前、レイモンドの顔の上に、一瞬だが、柔らかな笑みが通り過ぎていった。きっと、夢の中で彼は本当のお母さまのことを思い出すのだろう。優しく慈愛に満ちた正しい母の顔を。
そして、ふと見上げると、自分の前にアーロンが立っていた。
「助かった。エレーヌ。礼を言う」
そういえば、今は戦いの真っ最中だったことを思い出して周囲を見渡してみると、あたりは静まり返っていた。背後の看守の建物が燃えていて、その向こう側からは消火活動にあたる男たちの叫び声が響いていた。
レイモンドの部下たちはどうしたのかと、不思議に思いながら振り返ると、すでにノワイエが他の騎士達を全員のしてしまっていた。あちこちに転がる騎士達を眺めながら、私も急いで地面から立ち上がる。
次の追手が来る前に、ここから逃げなくてはならないのだ。
ノワイエが剣を片手に、こちらに近づいてきた。その剣は、当然ながら、血で塗れている。
「この男も始末しておきましょうか?」
剣から血をしたたり落としながら、ノワイエが聞くが、私はいい顔をしなかった。意識を失って倒れている人を殺めるのは、いくら何でも道理に反する。
アーロンはすぐに私の考えを察してくれたようだ。
「ノワイエ、無駄な殺生はするな。意識を失っているんだ。放っておこう」
「はい。閣……、いえ、アーロン様、わかりました」
「馬はどこだ」
「あの森の中です。急ぎましょう」
ノワイエの後ろに続いて、私たちが森の中に入り、少し進んだ先には、馬が三頭、木につながれていた。
どれも質のよいサラブレッドだ。
「ダル、お前か」
ダルと呼ばれた馬は、アーロンの持ち馬なのだろう。馬は持ち主を認識して、アーロンが近づくと、嬉しそうに尻尾を揺らす。
「元気だったか」
アーロンも、自分の馬を見て、嬉しそうに馬の首を撫でてやった。
その間に、ノワイエがもう一頭の馬の手綱を掴み、私に渡してくれた。
「エレーヌ様はこちらをお使いください」
アーロンが私を馬の上に押し上げると、彼も急いで自分の馬に乗る。馬の上から手綱を引くと、馬はすんなりと言うことを聞いてくれた。
市井では滅多に見かけないほど、上質の馬だ。貴族でもない限り、こんなにいい馬は手に入らないはずなのだが、アーロンはかなり商売上手なのだろうか。
そんなことを考えていると、馬に乗ったアーロンが近づいてきた。
「エレーヌ、俺についてこい。馬は大丈夫か?」
「ええ、もちろん。この私を誰だとお思い?」
「よし、じゃあ、出発だ」
アーロンの掛け声と共に、私たちは馬の腹を蹴ると、馬は勢いよく駆け出す。そして、夜通し馬を走らせ、隣国との国境線にまで差し掛かろうとしていた。
アーロンが大きく剣を振り上げ、レイモンドに向けて強く振り下ろす。
これで、決着がついた。
私がそう思った次の瞬間、レイモンドの口元に歪んだ笑みが浮かぶ。血が凍るとはこういうことなのだろう。彼の意図に気付いて、私は大きく目を見開いた。
「しまった」
アーロンも、レイモンドの次の動きを見た瞬間、彼が何をしようとしているのか、すぐに察したのだろう。レイモンドのフェイントに、アーロンがまんまと引っかかってしまったのである。
アーロンが決着をつけようと、レイモンドとの間合いを詰めて剣を振り上げた瞬間、レイモンドは隠し持っていた短剣をすらりと引き抜いた。剣を振り上げたアーロンの腕の下に出来た隙から、彼の心臓を狙う。
確か、彼は暗殺者としての訓練も受けていたはずだったということを思い出した。
「アーロン、あぶない!」
顔からさっと血の気が引いていくのが自分でもわかる。
「油断したな。小僧」
レイモンドはにやりと笑い、彼の心臓目掛けて、その刃を真っ直ぐに突き立てようとした瞬間。
ごんっ。
鈍い音が響きわたる。そして、次の瞬間、レイモンドがアーロンの目の前で、ゆっくりと崩れ落ちるように地面に沈んでいく。
「エレーヌ……」
アーロンがレイモンドの後ろに立つ私へと視線を向けた。彼の目に映ったのは、木の棒をレイモンドの後頭部目掛けて振り下ろした私の姿だった。
「や、やった…‥」
恐怖と興奮で、私は木の棒を強く握りしめたまま、ぶるぶると震える。
それはもう、咄嗟の判断としか言いようがない。
レイモンドがアーロンの胸目掛けて、刃を突き立てようとするのを見た瞬間、私は近くに落ちていた木の棒を拾い上げ、レイモンドの後頭部から思い切り振り下ろしたのだ。
地下牢に閉じ込められている間に、アーロンに剣の素振りを教えてもらっていてよかった。
しかし、女の力では、レイモンドに致命的な打撃を与えるに至らず、レイモンドにはまだ意識がかすかに残っていたのだ。
「エ…レーヌ…」
半ば朦朧としながら、地面に倒れ込んだレイモンドに私は駆け寄った。乙女ゲームの中の大切な情報を思い出したせいだ。
意識が次第に薄れていく彼の耳元で、私は小さな声でそっと囁く。
「貴方に聖マリウスのご加護がありますように」
それは嗜虐癖で歪んだレイモンドを、まっとうな人間に戻すための呪文であった。
聖マリウス。それは遠い昔、無罪の罪を着せられ処刑された聖人の名前である。
ゲームの記憶をよりはっきりと思い出したのは、ほんの数日前のことだ。
レイモンドは、まだ小さな頃に母を失くし、子供心にもまだショックが癒えない間に、なんと彼の父は後妻を迎えた。その女が慈愛に満ちた女性であれば、レイモンドはこんなに歪みはしなかっただろう。
その義母は、まだ小さかった彼をことあるごとに虐待した。その暗い生い立ちが彼の性癖を醜くく歪めてしまったのだ。その歪んだ彼の心を、普通の人間に戻す呪文が、聖マリウス。それは、彼の母親の記憶でもある。
彼の産みの母は、聖マリウスを強く信仰しており、その気高い精神は、子供であったレイモンドにもしっかり受け継がれていたはずだった。
私はその言葉を知っている。そして、今、その言葉をレイモンドに伝えたのだ。
「聖マリウス……」
レイモンドは焦点が定まらないまま私を見つめて、ぼんやりとその言葉を繰り返した。
「そう。聖マリウスよ。レイモンド、おやすみなさい」
彼の母親がそうしたように、意識を失いつつある彼の髪を優しく撫でたやる。
これで、きっと彼は大切な母親のことを思い出すだろう。気高く優しい母の姿を。
その後、彼はすぐに気を失ったが、その直前、レイモンドの顔の上に、一瞬だが、柔らかな笑みが通り過ぎていった。きっと、夢の中で彼は本当のお母さまのことを思い出すのだろう。優しく慈愛に満ちた正しい母の顔を。
そして、ふと見上げると、自分の前にアーロンが立っていた。
「助かった。エレーヌ。礼を言う」
そういえば、今は戦いの真っ最中だったことを思い出して周囲を見渡してみると、あたりは静まり返っていた。背後の看守の建物が燃えていて、その向こう側からは消火活動にあたる男たちの叫び声が響いていた。
レイモンドの部下たちはどうしたのかと、不思議に思いながら振り返ると、すでにノワイエが他の騎士達を全員のしてしまっていた。あちこちに転がる騎士達を眺めながら、私も急いで地面から立ち上がる。
次の追手が来る前に、ここから逃げなくてはならないのだ。
ノワイエが剣を片手に、こちらに近づいてきた。その剣は、当然ながら、血で塗れている。
「この男も始末しておきましょうか?」
剣から血をしたたり落としながら、ノワイエが聞くが、私はいい顔をしなかった。意識を失って倒れている人を殺めるのは、いくら何でも道理に反する。
アーロンはすぐに私の考えを察してくれたようだ。
「ノワイエ、無駄な殺生はするな。意識を失っているんだ。放っておこう」
「はい。閣……、いえ、アーロン様、わかりました」
「馬はどこだ」
「あの森の中です。急ぎましょう」
ノワイエの後ろに続いて、私たちが森の中に入り、少し進んだ先には、馬が三頭、木につながれていた。
どれも質のよいサラブレッドだ。
「ダル、お前か」
ダルと呼ばれた馬は、アーロンの持ち馬なのだろう。馬は持ち主を認識して、アーロンが近づくと、嬉しそうに尻尾を揺らす。
「元気だったか」
アーロンも、自分の馬を見て、嬉しそうに馬の首を撫でてやった。
その間に、ノワイエがもう一頭の馬の手綱を掴み、私に渡してくれた。
「エレーヌ様はこちらをお使いください」
アーロンが私を馬の上に押し上げると、彼も急いで自分の馬に乗る。馬の上から手綱を引くと、馬はすんなりと言うことを聞いてくれた。
市井では滅多に見かけないほど、上質の馬だ。貴族でもない限り、こんなにいい馬は手に入らないはずなのだが、アーロンはかなり商売上手なのだろうか。
そんなことを考えていると、馬に乗ったアーロンが近づいてきた。
「エレーヌ、俺についてこい。馬は大丈夫か?」
「ええ、もちろん。この私を誰だとお思い?」
「よし、じゃあ、出発だ」
アーロンの掛け声と共に、私たちは馬の腹を蹴ると、馬は勢いよく駆け出す。そして、夜通し馬を走らせ、隣国との国境線にまで差し掛かろうとしていた。
32
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!
木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。
胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。
けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。
勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに……
『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。
子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。
逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。
時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。
これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday
気配消し令嬢の失敗
かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。
15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。
※王子は曾祖母コンです。
※ユリアは悪役令嬢ではありません。
※タグを少し修正しました。
初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる