【R18】剣と魔法とおみ足と

華菱

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桜色の髪の王女Another side②

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「アルミ殿下……ええっと、何の御用でしょうか?」





教室に入ると不安そうな声で彼が問いかけてきます。







「トーノ=マガネ、貴方が気に入らないのよ」




私はそう言って彼を睨み付けました。





「何故でしょうか?やはり平民が視界に入るのが気に入らないのでしょうか?」





「違うわ」





私は言いました。そして思っていたことを彼にぶつけます。





「申し訳ありません」





すると彼は私に謝罪をしたのです。



その謝罪は心からのもののようで……



「それが気に入らないのよ!本来なら貴方が代表挨拶をしていたのよ、その栄誉を私に奪われたのに、なぜ全く怒りもしていないの!そんな事、どうでもいいって顔して、気にしてませんって私をバカにしているの!?」



私は自分を抑えきれませんでした。



こんなこと言われて困ったのだろう。

彼は何も言わず、困った顔で私を見ていました。





「この私を虚仮にするのも大概にしなさい!どちらが上かはっきりしましょう」



「今すぐ、跪づいて私の足を舐めなさい!」





私は彼にこんなにも感情を揺さぶられているというのに、微動だにしない彼を見て、なんだかくやしくなったのです。

彼を怒らせようとあんなことを言ってしまったのです。







「へい!喜んで!」







「ふぇッ!」

予想外の答えに思わず変な声をあげてしまいました。







「あ、貴方にはプライドがないの?普通、足を舐めろなんて言われたら抵抗ぐらいするでしょう!?」



「アルミ様のような美人の足を舐めれるなんて、我々の業界ではご褒美にございます」



「ッ!?!?」





彼は跪づき、戸惑っている私の黒いストッキングに包まれた足を手に取り、顔を近づけると、すうっと息を吸い込みました。





「ッ!」





そして彼は口を開けて、彼女の足を舐めました。



親指、人指し指、中指、薬指、小指と順に丁寧にねぶっていきます。





その躊躇いのない行動に脳の処理がおいつきませんでした。





「んッ」





呆然としていた私はハッと我に帰り





「お、おやめなさい!」





私は慌てて彼の顎を蹴りあげました。





「こ、この変態!覚えてなさい!」





そう叫んで逃げ出してしまったのです。不覚。





もーなんなんですか!あの男は!











翌日、彼は何事もなかったかのように普通に挨拶をしてきたのだ!

その次の日もそのまた次の日も彼は普通で、さらに目が合う度に微笑んできます。

なんなのですか!私は彼を見る度にあの日取り乱した恥ずかしさが甦ってくるというのに!

ついに私は耐えられなくなり、再び彼を呼び出しました。

―決着をつけねばなりません。





「トーノ=マガネ!貴方、私をからかっているのですね!?毎日毎日私を見て笑って!」







「そんなことありません!お、俺はただアルミ様と仲良くなりたいのです!」





彼はそう言ったけれど、きっと姉様目当てなのだろう



「仲良くなりたい?あ、貴方も姉を紹介してほしいのですか!?」







「姉君とはなんのことでしょう?」







「とぼけないで!わかっています!貴方も姉様とお近づきになりたいのでしょう?彼女たちと同じよ」







「皆そうよ、口では私を称賛しながらも二言目にはお姉さまによろしくっていうのよ!」







「違います!俺は姉君でなくアルミ様、貴女と親しくなりたいのです!」

―信じられない。



だって姉様は私とは違って……

「そんなことあり得ません!姉様は私とは違い綺麗で頭もよくて強さも兼ね備えていて、将来の魔導騎士団の団長候補でもあるのですよ!」



そう言った私に対して彼は



「アルミ様、貴女は綺麗です!初めて壇上で挨拶をする貴方をお見かけした時、みとれました!こんなに美しい人がこの世にいるのだろうか、女神の化身ではないのかとまで思いました!頭だっていいではありませんか!俺も精一杯勉強したからわかります、貴方がどれ程努力したのかを!」



私を褒めてきました。



そんなことない、私はダメな人間だと言おうとして

「……そんなこと



―言わせてもらえませんでした。



彼が私に一歩踏み込み、私の手を握ります。



そして私の瞳を真っ直ぐ見つめて、言葉を重ねます。







「それに貴女は良い臭いもする、俺はあの日、貴女の足を舐めたことを忘れられない!叶うならばもう一度舐めたいのです!」







「ふぇッ!」



また変な声がでてしまいました。



それでも彼は真っ直ぐ私を見つめづづけてきます。



―ああ、彼は嘘などついていないのだろう、姉様でなく私と……

彼の熱意にあてられたのだろうか?

思わず



「わ、わかりました、そ、そこまでいうなら許可します、ど、どうぞ」



そんな言葉を口にしていました。

彼は固まってしまいました。



ち、違います!そんな事を言おうとしたのではなくて、ただ友人になりましょうと

しかし、一度口をついて出た言葉を取り消すなんてこと私のプライドが邪魔をして





「わ、私の足を舐めれるのですよ、光栄に思いなさい」

……ぁぁ、やってしまいました。





「は、はやくなさい」







「で、では、失礼します」





彼はそういうと私の前に跪づき、足の甲に唇をおとしました。







それはさながら姫に忠誠を誓う騎士のようでありました。



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