7 / 70
第7話 追放者ギルド、旗揚げ
しおりを挟む
夜明けの谷に、鳥の声が響いた。朝霧が立ちこめる広場に俺――カイルは立ち、皆を呼び集める。
「今日は特別な日だ。俺たち追放者ギルドを、正式に旗揚げする」
リナ、グレン、フィオ、セリウス。四人が並び、真剣な眼差しを向けてくる。背後では村の老人や子どもたちも見守っていた。
◇
俺は大きな板を掲げた。そこには太い筆跡で「追放者ギルド」と書かれている。
リナが布を広げ、手作りの旗を差し出した。鍋と杖と剣とフラスコが交差する奇妙な紋章――だが、俺たちには似合っていた。
「……へ、変じゃないかな」リナが不安げに言う。
「いいじゃないか! 俺の剣も描いてある!」グレンは豪快に笑う。
「杖が曲がってるけど……これ、私のだよね?」フィオが頬を赤くする。
「フラスコの線、もう少し細い方が正確ですが……まあ、味わいはありますね」セリウスは眼鏡を押し上げて呟いた。
「これでいい。俺たちらしさが詰まってる」
俺は旗を立て、風に揺らした。白布に描かれた紋章が朝日に照らされ、追放者たちの笑顔を照らす。
◇
「でも、ギルドを名乗るなら……依頼はどうするの?」フィオが不安そうに尋ねる。
「国のギルドは俺たちを相手にしない。だから――村人から直接受ける」
そう言った瞬間、老人ノームが前に出た。
「実はな……困っておることがある。山道の橋が壊れてしまって、行商人が通れぬのじゃ」
村人たちもざわめいた。
「橋がないと物資が来ない!」
「修理を頼めるギルドもないし……」
俺は笑った。
「初依頼だな。追放者ギルド、受けよう」
◇
作戦を立てる。橋の材木は森から調達、縄や釘はセリウスの錬金で補強。フィオが火を使い、木材を乾かし、リナが食事を支える。グレンは力仕事担当だ。
「よーし、任せろ!」
「私、がんばる!」
「地味ですが、強度計算は得意です」
「お弁当はわたしに任せて!」
皆の声に胸が熱くなる。これがギルド。これが仲間。
◇
森で材木を切り出し、ロープで縛り、皆で協力して橋を組み立てる。最初は不安定だったが、セリウスが調合した「瞬間硬化薬」を塗ると木が石のように固まった。
「おお……すごい!」村人たちが目を丸くする。
最後にグレンが丸太を担ぎ、俺と共に橋に渡した。フィオが火で乾かし、リナが汗を拭いてくれる。
こうして橋は完成した。
◇
「追放者ギルドのおかげだ!」
「ありがとう!」
村人たちの声に、仲間たちは顔を見合わせ、照れくさそうに笑った。
「これで、俺たちは名実ともに“ギルド”だ」
俺は胸を張って宣言した。
旗は風に揺れ、橋は輝き、追放者ギルドは初めての依頼を達成した。
――追放された者たちの居場所が、確かに世界に刻まれた瞬間だった。
「今日は特別な日だ。俺たち追放者ギルドを、正式に旗揚げする」
リナ、グレン、フィオ、セリウス。四人が並び、真剣な眼差しを向けてくる。背後では村の老人や子どもたちも見守っていた。
◇
俺は大きな板を掲げた。そこには太い筆跡で「追放者ギルド」と書かれている。
リナが布を広げ、手作りの旗を差し出した。鍋と杖と剣とフラスコが交差する奇妙な紋章――だが、俺たちには似合っていた。
「……へ、変じゃないかな」リナが不安げに言う。
「いいじゃないか! 俺の剣も描いてある!」グレンは豪快に笑う。
「杖が曲がってるけど……これ、私のだよね?」フィオが頬を赤くする。
「フラスコの線、もう少し細い方が正確ですが……まあ、味わいはありますね」セリウスは眼鏡を押し上げて呟いた。
「これでいい。俺たちらしさが詰まってる」
俺は旗を立て、風に揺らした。白布に描かれた紋章が朝日に照らされ、追放者たちの笑顔を照らす。
◇
「でも、ギルドを名乗るなら……依頼はどうするの?」フィオが不安そうに尋ねる。
「国のギルドは俺たちを相手にしない。だから――村人から直接受ける」
そう言った瞬間、老人ノームが前に出た。
「実はな……困っておることがある。山道の橋が壊れてしまって、行商人が通れぬのじゃ」
村人たちもざわめいた。
「橋がないと物資が来ない!」
「修理を頼めるギルドもないし……」
俺は笑った。
「初依頼だな。追放者ギルド、受けよう」
◇
作戦を立てる。橋の材木は森から調達、縄や釘はセリウスの錬金で補強。フィオが火を使い、木材を乾かし、リナが食事を支える。グレンは力仕事担当だ。
「よーし、任せろ!」
「私、がんばる!」
「地味ですが、強度計算は得意です」
「お弁当はわたしに任せて!」
皆の声に胸が熱くなる。これがギルド。これが仲間。
◇
森で材木を切り出し、ロープで縛り、皆で協力して橋を組み立てる。最初は不安定だったが、セリウスが調合した「瞬間硬化薬」を塗ると木が石のように固まった。
「おお……すごい!」村人たちが目を丸くする。
最後にグレンが丸太を担ぎ、俺と共に橋に渡した。フィオが火で乾かし、リナが汗を拭いてくれる。
こうして橋は完成した。
◇
「追放者ギルドのおかげだ!」
「ありがとう!」
村人たちの声に、仲間たちは顔を見合わせ、照れくさそうに笑った。
「これで、俺たちは名実ともに“ギルド”だ」
俺は胸を張って宣言した。
旗は風に揺れ、橋は輝き、追放者ギルドは初めての依頼を達成した。
――追放された者たちの居場所が、確かに世界に刻まれた瞬間だった。
82
あなたにおすすめの小説
空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜
くまみ
ファンタジー
前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?
「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。
仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。
病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。
「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!
「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」
魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。
だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。
「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」
これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。
伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!
出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた
黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆
毎日朝7時更新!
「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」
過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。
絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!?
伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!?
追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく
かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。
ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!?
俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。
第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。
「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」
信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。
賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。
様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する!
異世界ざわつき転生譚、ここに開幕!
※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。
※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
死んだ土を最強の畑に変える「土壌神の恵み」〜元農家、異世界の食糧難を救い、やがて伝説の開拓領主になる〜
黒崎隼人
ファンタジー
土を愛し、土に愛された男、アロン。
日本の農家として過労死した彼は、不作と飢饉に喘ぐ異世界の貧しい村の少年として転生する。
そこは、栄養を失い、死に絶えた土が広がる絶望の土地だった。
だが、アロンには前世の知識と、土の状態を見抜き活性化させる異能『土壌神の恵み』があった!
「この死んだ土地を、世界で一番豊かな畑に変えてみせる」
一本のスコップと規格外の農業スキルで、アロンは大地を蘇らせていく。
生み出されるのは、異世界人がかつて味わったことのない絶品野菜と料理の数々。
飢えた村人を救い、病弱な公爵令嬢を元気にし、やがてその評判は国をも動かすことに――。
食で人々を繋ぎ、戦わずして国を救う。
最強の農家による、痛快異世界農業ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる