パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第7話 追放者ギルド、旗揚げ

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 夜明けの谷に、鳥の声が響いた。朝霧が立ちこめる広場に俺――カイルは立ち、皆を呼び集める。

「今日は特別な日だ。俺たち追放者ギルドを、正式に旗揚げする」

 リナ、グレン、フィオ、セリウス。四人が並び、真剣な眼差しを向けてくる。背後では村の老人や子どもたちも見守っていた。



 俺は大きな板を掲げた。そこには太い筆跡で「追放者ギルド」と書かれている。
 リナが布を広げ、手作りの旗を差し出した。鍋と杖と剣とフラスコが交差する奇妙な紋章――だが、俺たちには似合っていた。

「……へ、変じゃないかな」リナが不安げに言う。
「いいじゃないか! 俺の剣も描いてある!」グレンは豪快に笑う。
「杖が曲がってるけど……これ、私のだよね?」フィオが頬を赤くする。
「フラスコの線、もう少し細い方が正確ですが……まあ、味わいはありますね」セリウスは眼鏡を押し上げて呟いた。

「これでいい。俺たちらしさが詰まってる」

 俺は旗を立て、風に揺らした。白布に描かれた紋章が朝日に照らされ、追放者たちの笑顔を照らす。



「でも、ギルドを名乗るなら……依頼はどうするの?」フィオが不安そうに尋ねる。
「国のギルドは俺たちを相手にしない。だから――村人から直接受ける」

 そう言った瞬間、老人ノームが前に出た。

「実はな……困っておることがある。山道の橋が壊れてしまって、行商人が通れぬのじゃ」

 村人たちもざわめいた。

「橋がないと物資が来ない!」
「修理を頼めるギルドもないし……」

 俺は笑った。

「初依頼だな。追放者ギルド、受けよう」



 作戦を立てる。橋の材木は森から調達、縄や釘はセリウスの錬金で補強。フィオが火を使い、木材を乾かし、リナが食事を支える。グレンは力仕事担当だ。

「よーし、任せろ!」
「私、がんばる!」
「地味ですが、強度計算は得意です」
「お弁当はわたしに任せて!」

 皆の声に胸が熱くなる。これがギルド。これが仲間。



 森で材木を切り出し、ロープで縛り、皆で協力して橋を組み立てる。最初は不安定だったが、セリウスが調合した「瞬間硬化薬」を塗ると木が石のように固まった。

「おお……すごい!」村人たちが目を丸くする。

 最後にグレンが丸太を担ぎ、俺と共に橋に渡した。フィオが火で乾かし、リナが汗を拭いてくれる。

 こうして橋は完成した。



「追放者ギルドのおかげだ!」
「ありがとう!」

 村人たちの声に、仲間たちは顔を見合わせ、照れくさそうに笑った。

「これで、俺たちは名実ともに“ギルド”だ」

 俺は胸を張って宣言した。

 旗は風に揺れ、橋は輝き、追放者ギルドは初めての依頼を達成した。

 ――追放された者たちの居場所が、確かに世界に刻まれた瞬間だった。
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