10 / 10
10
しおりを挟む
第10話 終わらせる人
その日の午後、空の色がゆっくりと変わり始めた。雲が低く垂れこめているわけでも、嵐の兆しがあるわけでもない。ただ、世界の輪郭が、ほんのわずかに滲でいる。畑で鍬を振るっていた私は、手を止め、胸の奥に意識を向けた。
――まだ、終わっていない。
あの温もりが、静かだが確かに、警告を送っている。王都の混乱は収束に向かっているはずだ。凛香も、奇跡を行っていない。なのに、流れの奥に、微かな引っかかりが残っている。
「……残滓」
呟いた言葉は、誰にも聞かれない。奇跡が止まっても、その“癖”はすぐには消えない。奪われ、引き延ばされた世界の流れは、元に戻る途中で、歪んだ澱を残すことがある。それは人の欲や恐怖と結びつき、災厄の芽になる。
年配の男性が、私の様子に気づいて近づいてきた。
「どうした」
「……少し、見てきます」
それだけで、通じた。彼は何も聞かず、ただ頷く。
「日が暮れる前に戻れ」
「はい」
私は畑を離れ、村の外れへ向かった。川沿いの小道。王都から続く流れが、ここで一度、緩やかになる場所だ。水面は穏やかだが、近づくにつれ、胸の奥の温もりが、はっきりと反応を強めた。
岸辺に立つと、見えないはずのものが、確かに“感じられた”。水の流れに絡みつく、粘つくような違和感。奇跡に縋った祈りの残骸。誰かに救ってほしいと願いながら、同時に、何かを差し出してしまった痕跡。
「……ここか」
私はしゃがみ込み、川に手を浸した。冷たい。けれど、その奥に、濁った熱がある。これは凛香の力そのものじゃない。凛香を通って、世界から引き剥がされた“歪み”だ。放っておけば、いつか形を持つ。
胸の奥の温もりに、静かに問いかける。
「……戻せる?」
答えは、言葉じゃなかった。感覚として、伝わってくる。
――戻せる。でも、時間がかかる。
――派手なことは、できない。
「……それで、いい」
私は深く息を吸い、吐いた。凛香の時みたいに、世界全体を撫でる必要はない。ここに溜まった澱だけを、流れに戻す。それだけでいい。
両手を水面に沈め、意識を沈める。胸の奥の温もりを、細く、長く、川へと流す。押さない。引かない。ただ、絡まった糸を、ほどく。
水面が、わずかに揺れた。光も音もない。でも、確かに、違和感が薄れていく。重かった流れが、少しずつ、本来の速度を取り戻していく。
「……欲張らない」
それが、私のやり方だ。奇跡を起こす人じゃない。世界を救う英雄でもない。ただ、終わらせる人。歪みが芽になる前に、そっと摘み取る人。
どれくらいの時間が経ったのか、分からない。気づけば、夕日が川面を赤く染めていた。胸の奥の温もりは、再び静かになっている。役目は、果たされた。
立ち上がると、身体が少し重い。でも、嫌な疲労じゃない。畑仕事の後と、同じだ。
「……帰ろう」
村へ戻る道すがら、子どもたちの笑い声が聞こえた。誰も、今起きたことを知らない。知らなくていい。世界は、今日も何事もなかったかのように回っている。
宿に戻ると、女主人が声をかけてきた。
「遅かったね」
「ちょっと、川まで」
「そうかい」
それだけで終わる会話。私は席につき、差し出された夕食を口に運ぶ。温かい。現実の味がする。
夜、部屋に戻り、ベッドに腰を下ろした。胸の奥に、もう強い鼓動はない。ただ、静かな余韻だけが残っている。
「……全部、終わった」
今度こそ、その言葉は嘘じゃない。災厄は、形になる前に消えた。凛香は、魔女にならずに済んだ。世界は、奇跡に依存しない流れへ戻った。
私は、名も称号も持たないまま、ここにいる。
選ばれなかったまま、必要な時だけ、動く存在として。
それでいい。
それが、私の答えだ。
窓の外で、夜風が静かに吹いた。
◇
夜は、何事もなかったかのように更けていった。窓の外では、虫の声が一定のリズムで鳴いている。王都の光も、奇跡の残響も、ここまでは届かない。私はベッドに横になり、天井の梁を見つめながら、ゆっくりと呼吸を整えた。
胸の奥は、静かだった。あの温もりは、もう前に出てこない。必要な時にだけ応える、深い場所へと戻っている。力を失ったわけじゃない。役目を終えたのだ。少なくとも、今は。
「……おやすみ」
小さく呟いて目を閉じると、眠りはすぐに訪れた。夢は見なかった。いや、見ていたのかもしれないけれど、覚えていない。それでいいと思えた。
翌朝、村はいつも通りに始まった。朝霧の中で、畑へ向かう人々が挨拶を交わす。私は桶を手に、川へ向かった。水は澄んでいて、昨日までの違和感は、どこにも残っていない。
「……戻ったね」
誰にともなく言い、桶に水を汲む。水面に映る自分の顔は、少し疲れているけれど、穏やかだった。聖女でも、英雄でもない。ただの白石澪だ。
畑では、年配の男性が作物の様子を見ていた。
「いい具合だ」
「そうですね」
短い会話。それだけで、十分だった。私は水を撒き、土をならす。作物は、静かに、確実に育っている。誰かが祈らなくても、称えなくても。
昼前、子どもたちが走ってきた。
「ねえ、澪!」
「今日も一緒にやる?」
「うん」
それだけの約束。私は笑って頷き、じょうろを渡した。子どもたちは水をこぼしながらも、楽しそうに畑を駆け回る。その光景を見て、胸の奥が、ほんのりと温かくなった。
遠くの世界では、きっと今も、誰かが選ばれ、誰かが落ちる。力を持つ者が生まれ、失われる。でも、ここでは、そんなことは関係ない。必要なのは、今日を生きることだけだ。
夕方、空が茜色に染まる頃、私は畑を後にした。道端の花が、昨日より少しだけ背を伸ばしている。私は立ち止まり、そっと土を寄せた。
「……大丈夫」
花は、何も答えない。でも、それでいい。
宿に戻り、女主人と短い言葉を交わし、温かい食事をとる。湯気の向こうで、今日が終わっていく。特別なことは何もない。けれど、確かに満ちている。
夜、布団に入る前、私はふと考えた。もし、また世界が歪むことがあったら。その時、私はどうするだろう。
答えは、もう分かっている。
「……必要な時に、動く」
それだけだ。名を呼ばれなくても、感謝されなくても。終わらせるべきものを、静かに終わらせる。それが、私の役目であり、生き方だ。
窓の外で、風が一度、強く吹いた。そして、すぐに止んだ。
世界は、今日も壊れなかった。
終わり
その日の午後、空の色がゆっくりと変わり始めた。雲が低く垂れこめているわけでも、嵐の兆しがあるわけでもない。ただ、世界の輪郭が、ほんのわずかに滲でいる。畑で鍬を振るっていた私は、手を止め、胸の奥に意識を向けた。
――まだ、終わっていない。
あの温もりが、静かだが確かに、警告を送っている。王都の混乱は収束に向かっているはずだ。凛香も、奇跡を行っていない。なのに、流れの奥に、微かな引っかかりが残っている。
「……残滓」
呟いた言葉は、誰にも聞かれない。奇跡が止まっても、その“癖”はすぐには消えない。奪われ、引き延ばされた世界の流れは、元に戻る途中で、歪んだ澱を残すことがある。それは人の欲や恐怖と結びつき、災厄の芽になる。
年配の男性が、私の様子に気づいて近づいてきた。
「どうした」
「……少し、見てきます」
それだけで、通じた。彼は何も聞かず、ただ頷く。
「日が暮れる前に戻れ」
「はい」
私は畑を離れ、村の外れへ向かった。川沿いの小道。王都から続く流れが、ここで一度、緩やかになる場所だ。水面は穏やかだが、近づくにつれ、胸の奥の温もりが、はっきりと反応を強めた。
岸辺に立つと、見えないはずのものが、確かに“感じられた”。水の流れに絡みつく、粘つくような違和感。奇跡に縋った祈りの残骸。誰かに救ってほしいと願いながら、同時に、何かを差し出してしまった痕跡。
「……ここか」
私はしゃがみ込み、川に手を浸した。冷たい。けれど、その奥に、濁った熱がある。これは凛香の力そのものじゃない。凛香を通って、世界から引き剥がされた“歪み”だ。放っておけば、いつか形を持つ。
胸の奥の温もりに、静かに問いかける。
「……戻せる?」
答えは、言葉じゃなかった。感覚として、伝わってくる。
――戻せる。でも、時間がかかる。
――派手なことは、できない。
「……それで、いい」
私は深く息を吸い、吐いた。凛香の時みたいに、世界全体を撫でる必要はない。ここに溜まった澱だけを、流れに戻す。それだけでいい。
両手を水面に沈め、意識を沈める。胸の奥の温もりを、細く、長く、川へと流す。押さない。引かない。ただ、絡まった糸を、ほどく。
水面が、わずかに揺れた。光も音もない。でも、確かに、違和感が薄れていく。重かった流れが、少しずつ、本来の速度を取り戻していく。
「……欲張らない」
それが、私のやり方だ。奇跡を起こす人じゃない。世界を救う英雄でもない。ただ、終わらせる人。歪みが芽になる前に、そっと摘み取る人。
どれくらいの時間が経ったのか、分からない。気づけば、夕日が川面を赤く染めていた。胸の奥の温もりは、再び静かになっている。役目は、果たされた。
立ち上がると、身体が少し重い。でも、嫌な疲労じゃない。畑仕事の後と、同じだ。
「……帰ろう」
村へ戻る道すがら、子どもたちの笑い声が聞こえた。誰も、今起きたことを知らない。知らなくていい。世界は、今日も何事もなかったかのように回っている。
宿に戻ると、女主人が声をかけてきた。
「遅かったね」
「ちょっと、川まで」
「そうかい」
それだけで終わる会話。私は席につき、差し出された夕食を口に運ぶ。温かい。現実の味がする。
夜、部屋に戻り、ベッドに腰を下ろした。胸の奥に、もう強い鼓動はない。ただ、静かな余韻だけが残っている。
「……全部、終わった」
今度こそ、その言葉は嘘じゃない。災厄は、形になる前に消えた。凛香は、魔女にならずに済んだ。世界は、奇跡に依存しない流れへ戻った。
私は、名も称号も持たないまま、ここにいる。
選ばれなかったまま、必要な時だけ、動く存在として。
それでいい。
それが、私の答えだ。
窓の外で、夜風が静かに吹いた。
◇
夜は、何事もなかったかのように更けていった。窓の外では、虫の声が一定のリズムで鳴いている。王都の光も、奇跡の残響も、ここまでは届かない。私はベッドに横になり、天井の梁を見つめながら、ゆっくりと呼吸を整えた。
胸の奥は、静かだった。あの温もりは、もう前に出てこない。必要な時にだけ応える、深い場所へと戻っている。力を失ったわけじゃない。役目を終えたのだ。少なくとも、今は。
「……おやすみ」
小さく呟いて目を閉じると、眠りはすぐに訪れた。夢は見なかった。いや、見ていたのかもしれないけれど、覚えていない。それでいいと思えた。
翌朝、村はいつも通りに始まった。朝霧の中で、畑へ向かう人々が挨拶を交わす。私は桶を手に、川へ向かった。水は澄んでいて、昨日までの違和感は、どこにも残っていない。
「……戻ったね」
誰にともなく言い、桶に水を汲む。水面に映る自分の顔は、少し疲れているけれど、穏やかだった。聖女でも、英雄でもない。ただの白石澪だ。
畑では、年配の男性が作物の様子を見ていた。
「いい具合だ」
「そうですね」
短い会話。それだけで、十分だった。私は水を撒き、土をならす。作物は、静かに、確実に育っている。誰かが祈らなくても、称えなくても。
昼前、子どもたちが走ってきた。
「ねえ、澪!」
「今日も一緒にやる?」
「うん」
それだけの約束。私は笑って頷き、じょうろを渡した。子どもたちは水をこぼしながらも、楽しそうに畑を駆け回る。その光景を見て、胸の奥が、ほんのりと温かくなった。
遠くの世界では、きっと今も、誰かが選ばれ、誰かが落ちる。力を持つ者が生まれ、失われる。でも、ここでは、そんなことは関係ない。必要なのは、今日を生きることだけだ。
夕方、空が茜色に染まる頃、私は畑を後にした。道端の花が、昨日より少しだけ背を伸ばしている。私は立ち止まり、そっと土を寄せた。
「……大丈夫」
花は、何も答えない。でも、それでいい。
宿に戻り、女主人と短い言葉を交わし、温かい食事をとる。湯気の向こうで、今日が終わっていく。特別なことは何もない。けれど、確かに満ちている。
夜、布団に入る前、私はふと考えた。もし、また世界が歪むことがあったら。その時、私はどうするだろう。
答えは、もう分かっている。
「……必要な時に、動く」
それだけだ。名を呼ばれなくても、感謝されなくても。終わらせるべきものを、静かに終わらせる。それが、私の役目であり、生き方だ。
窓の外で、風が一度、強く吹いた。そして、すぐに止んだ。
世界は、今日も壊れなかった。
終わり
10
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる