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第4章 破壊の女王

第25話 Emergency

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10分間ひたすら走り、私は店に着いた。
6台の救急車に、警察車両、消防車、テロ事件を起こした軍の姿はどこにもなかった。

「はぁっ……はぁっ…… 怪我をした男性はいませんか??」

私は救急隊の人にそう言うと、救急車の中に案内された。

「あ、あなたがこの人の言う大切な人ですかね、早く中へ」

私が救急車の中へ入ると、横になっている彼の姿があった。

彼のを見ると、下半身がなくなっていて、毛布で覆われていた。

「う、嘘でしょ…… そんな、ことが……」

私が涙を流していると、救急隊の人がこっちへ来た。

「すみません、彼はわたしたちが到着するまでの間にお店の客を逃し、身を挺して救助していました……」

その話を聞いていると、彼は私の手を取った。

「ごめん、祝えなくて…… 今まで幸せだった…… さようなr……」

言葉の途中で彼の心電図は警告音を鳴らし、そっと息を引き取った。
私はこの後、体調が悪化し2週間入院してしまった。
この二週間は何も食べることが出来ず、ただひたすらに泣いていた。

何もやる気が出なかった。ただ辛い、苦しい

会社から連絡がきて、クビにはなりたくなかったので3週間が経過したのちに退院した。

「あの、美鈴くん これお願いしてもいいかな??」

相変わらず上司は、私に無理な仕事を押し付けてくる。

「あ、あの日私を呼んだのはあなたですよね??なんか謝るとかないんですか??」

私がそう言うと上司は逆ギレしてきた

「は??何お言ってるんだね??私は殺してなんかいないじゃない!!あれはただの事故じゃないのかね??」

「あなたが呼ばなければ、彼を私が助けに行っていました」

「そんなの知らん!!いいから働け、部下なんだから」

周りは何も言わず、上司が正しいみたいな声を出し、私に暴言を吐いてきた。
つらい、苦しい、だめだ、私の心がもたない

「だめ、もう限界…… こんな世界なんていらねぇ……」

涙を流し、むかついたので私の低威力の能力弾を上司にぶつけた
もうどうでもいい、捕まって楽になろう。

「は、弱い 1(ファースト)の私にこんな あまちょろい攻撃をしt」

次の瞬間、上司の顔は、体から外れ地面に落ちた
何が起きてるかわからなかった
周りの人がパニックになり、悲鳴を上げてる中、私は夜に神様的なのに能力の使い方を教えてもらったことを思い出した。




「これがあなたの真の能力『Emergency』」

「へー、重力系のやつなのね」

「威力は調整が難しい分高いから、要注意です」

なるほど~ 強そ~ それくらいの気持ちだった、まさかこれが使えるとは思ってない。

「んで、発動条件は??」

「ああ、それは自分が深い絶望に陥った時に発現するからまあ、人生どこかで使えたらいいね」

(いますぐとかじゃないのね、まあ気長に待つか……)






私は今まで悪口を言ってきた全ての社員を皆殺しにして、清掃担当の人だけ外に出してビルごと潰し、平地ができた。

「ああ、愉快爽快、素敵完璧、私が最強だ!!」

「あっ、あっ、みなさんを、こ、殺したんですか??」

「ああ、そうですよ あなたは私に優しくしてくれていたので生かしました」

担当のおじさんは、震えていた。

「け、警察に言うぞ お、おまえはただではおかない」

おじさんは走って私から逃げた。

「ま、殺す価値もない、それよりあそこに行くか」

私は重力を反転させ、高速で移動し、中央都市付近の引き渡し施設へ向かった。



「ここの地下か、2(セカンド)の収容されてるところは、よいしょ~」

私は施設の門を破り、そのまま地面に巨大な穴を開けた。
その状況に困惑し、看守80人ほどは漠然としていた
私は地下の扉を壊し、2(セカンド)がいる牢屋へ入った。

「魔力が回復しないよう、栄養や日光を遮断し、傷をつけて心を折る、えぐいな~」

私が独り言を言うと、少女に話しかけられた。

「なに、あんた軍の人?」

「JKかよ、わっかいな ここの人たちはみんなやらかした人だよな?」

巨漢の男が鎖を地面にぶつけ、音を鳴らした

「そうだ、あっちへ行け」

「まあ、私もここにくる予定だったが、どうだ??この檻を出てみたくないか??」

5人全員が驚いた顔をした。

「そもそもあんたは誰だ??」

巨漢がそう尋ねた

「私は藍原美鈴、今日からお前らのリーダーな」

「「「「「軍の奴隷以外なら喜んで、MY BOSS!!」」」」





「ほ、報告します レーン様、搬送予定で投獄していた2(セカンド)が解放された模様です!!」

「おーい、おい、そんなことできんの上層部か3(サード)のあいつくらいでしょって」

「いえ、現場の計測器でも測れないみたいで3(サード)クラスかと!!」

「ありゃーまー仕方ない、俺が最高指令に言うから名前教えて」

「はい、藍原美鈴という方みたいです」

「はいはい、報告どうも」

「い、いえ」






(あれ、少し寝ちまっていたか 懐かしい記憶だな)

「……美鈴、なに笑ってるの??」

「あ~、なんでもないよ蒼」

「うん、そろそろ軍に挑むからね、がんばろ……」

「そうだね、よし金あるし今日は焼肉行くぞ!!」

「熊賀野、桃芽、咲、良助にも伝えるね~」

「熊賀野は金かかるから誘うな」

(あいつの食う量おかしいし)

「い、いじわる……」

蒼は涙目になった。

「冗談だから、い、行くぞ」

私は携帯を開き、車を手配した。
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