23 / 49
第3章
突然の訪問者
しおりを挟む
屋敷へ戻り、ヨロヨロしているシャルロットをベッドへ運んだ。
「あの、大公子殿下……」
シャルロットの部屋を出たところで、若いメイドが声をかけてくる。
「これは、あの、どうしますか?」
おずおずと、まるでなにか罪を犯した者が懺悔するときの声音で。
それは、古びた木綿の夜着と、麻の縄、それと頑丈そうな錠前だった。
「いらない。捨てていい」
俺は即座に答えた。メイドはそれをきいて、一瞬ポカンとしたあと、晴れやかな表情で頷き、すぐに立ち去った。彼女にとってそれはよほど辛い仕事だったのだろう。来たときの足取りの、数倍も軽やかに、仲間がそわそわして待つ場所へと戻っていった。
「大公子殿下、ありがとうございます!」
礼を言われるようなことはしてないつもりだが、彼女らはめいめい礼をいって去った。ふむ、と俺は首を傾げた。ゲノームのタウンハウスよりはマシな侍女を探せるかもしれない。明日シャルロットに、彼女らの名前や、今までの素行について確認してみよう。
のんびりそんなことを考えながら、俺は自分の部屋へと戻っていったのだった。明日、自分が巻き込まれる面倒事など、思いもよらずに、だ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お前、彼女に酒を飲ませたのか?」
翌朝早く、執事に
「旦那様にお客様がおみえですが、いかがいたしましょう」
と起こされた俺が玄関前で見たのは、雪が肩や頭に乗ったかなり寒そうな様子のガイズだった。
「それは……それよりマリエッタの護衛はいいのか?学校は?」
座ってすぐに、手早く侍女がふたり熱いお茶を用意してゆく。流石は大公屋敷の執事だ。
「授業は、抜けてきた…マリエッタの側に男を置くのをウィル殿下が極端に警戒するようになって、俺も一般に移されたんだ。それならいっそお前のところで、雇ってもらえないかとおもって」
ええ?と俺は口許を抑えた。
ガイズの父親は無爵ではあるものの、騎士団をひとつ任される程の人物だし、ガイズ自身も近衛隊に入れば騎士として準爵位を授かって苗字も……というところだったはず。
無論、大公家にも騎士団はあるがほとんど有名無実、50年も前からいる騎士団長と団員がひとりふたり、大公領の都であるエルミサードに残っているだけだ。
「……シャルロットが起きてきたら、事情を詳しく聴こう。今は休んでくれ」
風呂と客室を用意するよう執事に伝えると、ガイズは立ち上がり、騎士らしく剣を捧げて
「感謝する!」
と頭を下げた。まだ雇うとは言ってないんだけどなあ……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夕方近くになって、二人はめいめいの部屋から出てきた。シャルロットは二日酔でふらふら、ガイズは徹夜で馬を走らせた疲れから、なんとなくボンヤリした様子ではあったけれど。俺はいつも通り、シャルロットを隣に座らせ、向かいに座ったガイズを指差した。
「……ガイズ様、お久しぶりね」
シャルロットは蒼い顔で頭を押さえながら呟く。挨拶というより、忘れていた、と言いたげな呟きだ。
「読書会以来かしら?」
いや、その後ガイズは学校でシャルロットに剣を向けたわけなのだが、おそらくあえてその話をしないであげよう、ということなのだろう。
「いや、学校で……」
「ガイズはうちの騎士団に入りたいそうなんだが」
つい被せて喋ってしまった。ガイズのやつ、どれだけ空気を読めないんだ……
「騎士団?そんなものがフェリクス大公領に?」
シャルロットもやはりしらない様子だ。しかし、問題はそこだけではない。
「シャルロット、ガイズを雇えば彼は俺たちに付き従うことになる……怖くはないか?」
尋ねると、ガイズはガタッと椅子を鳴らして立ち上がった。
「怖い?俺が、怖いのか??」
ホントに何にも考えてなかったんだな、この筋肉野郎。
「俺が言えた立場じゃないが、1度ならずお前に剣を向けた男だ。お前が嫌だと言えば、この話しは無かったことにしよう」
少し強めに言うと、ガイズは俺たちの側へ歩いてきて膝をついた。
「……どうする?許してやるのか?」
ざわめいたのは、入り口近くにひかえていた若い侍従の一団だ。自分達とさほど年頃の変わらぬ、成人してもいない、貴族らしからぬ俺が騎士然とした身なりのガイズをひざまづかせている。何事なのか、本当に俺はこの家の主なのか、といったところだろうか。
黙って沙汰をまつガイズに、彼女は首をふって
「正直、困るわ」
と言った。
「まだ私が大公妃になると決まったわけではないし……とりあえず大公領の都に着くまで、話しは保留でもいいかしら?このあとも私たちについて来るなら、だけど」
決まったわけではない?と俺は眉を寄せた。他に誰が大公妃になるんだよ。また死ぬとか殺せとか、そんな話か?若干、不機嫌になった俺にガイズは生暖かい視線を送ってきたので、
「いいから食えよ」
と、席につくよう促して俺たちは食事をしはじめる。シャルロットが昨日のように俺のぶんをサンドイッチにして差し出すのを受け取り、俺は明日行く場所の地図を広げた。とりあえずローシェ司祭には会っておくべきか……?
しばらくほうっておくと、ガイズはおずおずといったふうに立ち上がり、また席についてモソモソ食事をとりはじめた。
いつのまにか若い侍従の一団は、どこかへ居なくなっていた。
「ところで、ウィル殿下に何が起きたんだ?」
ある程度食事を終えたところで、俺はガイズに尋ねた。気もそぞろなのか食後のお茶に砂糖を大量にぶちこんでいたガイズは、それをきいてちょっと安心したような表情をした。この話をするためにここまで遠路、雪道を来たのだろう。
「手紙が、来たんだ」
ガイズは無闇にカップのなかをスプーンでかき混ぜながら話し始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺が大公の息子だと新聞に書かれたことで、王妃殿下は王宮殿で少々不味い立場におかれた。つまり、俺が大公子であることを隠していたのではないか、と貴族たちから声があがったそうだ。
すぐにバリー宰相をはじめとする皇太子派は、そのような証拠はない、と反論したものの、そうでないとも言えずにかなり旗色が悪くなった。しかもそのなかで皇太子派のゲノーム公爵とシェーンベルク公爵の二人が相次いで大公子にも王位継承権がある、と公に発表して、ますます具合の悪いことになったそうだ。
「お父様が?」
それをきいたシャルロットは眉根を寄せ、俺を見た。ゲノーム公爵が俺を認める?申し訳ないが、なにかウラがあるとしか思えない……。
「一人娘の令嬢が惚れ込んだ男だ、公爵も父親として応援するということではないか?」
ガイズ、お前はどこまで……あの男がそんないい父親なはずがないだろうとため息をついて、俺は先をうながした。
王国の両公爵家が認めたことで、俺は俺のいないところで、正式に大公子として貴族に認められることとなったそうだ。そのことで、磐石だったウィル殿下の皇太子としての地盤が揺らいできた。
さらに、皇太子妃候補があまりにも素行が悪い、と貴族から苦情が出始めたそうなのだ。マリエッタは、王宮に出入りする貴族たちに王妃と王子に会う前には先ず自分に挨拶をしに来るよう指示をしたそうで、茶会や晩餐会では、あってはならないダブルブッキングや、同席不可となっている別派閥を同席させて揉め事になったり、ある令嬢が別派閥の子息に夜会で乱暴されて、修道院へ入るといった混乱まで起きたそうだ。
しかし、王室…とくに皇太子はそうした混乱をすべて招待されていた貴族たちを厳しく罰して、マリエッタをかばう姿勢を貫いていた。シェーンベルク公爵はこれを期に、とうとう皇太子の支持を辞めたそうで、それに従う貴族も増えた。皇太子は文字通り身を削ってマリエッタをかばっていたのだ。
そこへきて、マリエッタ宛の封書が王宮殿でみつかった。
「それが……男からマリエッタへの恋文だったんだ」
何故王宮殿で、とか、あるいは本当にマリエッタが持っていたものなのか、というのは、今問題ではないのだろう。
「それ以来、ウィル皇太子殿下は本当におかしくなったとしか思えない。幼い子供から老齢の馬丁まで、ありとあらゆる男をマリエッタの周りから排除せよと言ったんだ」
それは、狂気としかおもえなかった。そもそも、民の半分は男なのだから。
「それで送り主は見つかったの?」
家同士で決められた婚約者を廃してまで交代したマリエッタだ。死に物狂いで自分を嵌めた相手を探したに違いないと俺たちは言ったが、ガイズは首を振るばかりだ。
「いや、ゴードン伯爵家はこの件で犯人を探すつもりはないようだ……皇太子殿下は、だからこそあんなおかしな命令を……」
つまり、マリエッタにとってその手紙の主は、覚えがあるものだったということだ。
「それは、とんでもない裏切りよね」
シャルロットは俺のカップに水を注いでくれながら、ぽつりとつぶやいた。
きらり、と紅い瞳が燭台のあかりに反射して、静かに燃え上がったように、俺には見えた。
「あの、大公子殿下……」
シャルロットの部屋を出たところで、若いメイドが声をかけてくる。
「これは、あの、どうしますか?」
おずおずと、まるでなにか罪を犯した者が懺悔するときの声音で。
それは、古びた木綿の夜着と、麻の縄、それと頑丈そうな錠前だった。
「いらない。捨てていい」
俺は即座に答えた。メイドはそれをきいて、一瞬ポカンとしたあと、晴れやかな表情で頷き、すぐに立ち去った。彼女にとってそれはよほど辛い仕事だったのだろう。来たときの足取りの、数倍も軽やかに、仲間がそわそわして待つ場所へと戻っていった。
「大公子殿下、ありがとうございます!」
礼を言われるようなことはしてないつもりだが、彼女らはめいめい礼をいって去った。ふむ、と俺は首を傾げた。ゲノームのタウンハウスよりはマシな侍女を探せるかもしれない。明日シャルロットに、彼女らの名前や、今までの素行について確認してみよう。
のんびりそんなことを考えながら、俺は自分の部屋へと戻っていったのだった。明日、自分が巻き込まれる面倒事など、思いもよらずに、だ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お前、彼女に酒を飲ませたのか?」
翌朝早く、執事に
「旦那様にお客様がおみえですが、いかがいたしましょう」
と起こされた俺が玄関前で見たのは、雪が肩や頭に乗ったかなり寒そうな様子のガイズだった。
「それは……それよりマリエッタの護衛はいいのか?学校は?」
座ってすぐに、手早く侍女がふたり熱いお茶を用意してゆく。流石は大公屋敷の執事だ。
「授業は、抜けてきた…マリエッタの側に男を置くのをウィル殿下が極端に警戒するようになって、俺も一般に移されたんだ。それならいっそお前のところで、雇ってもらえないかとおもって」
ええ?と俺は口許を抑えた。
ガイズの父親は無爵ではあるものの、騎士団をひとつ任される程の人物だし、ガイズ自身も近衛隊に入れば騎士として準爵位を授かって苗字も……というところだったはず。
無論、大公家にも騎士団はあるがほとんど有名無実、50年も前からいる騎士団長と団員がひとりふたり、大公領の都であるエルミサードに残っているだけだ。
「……シャルロットが起きてきたら、事情を詳しく聴こう。今は休んでくれ」
風呂と客室を用意するよう執事に伝えると、ガイズは立ち上がり、騎士らしく剣を捧げて
「感謝する!」
と頭を下げた。まだ雇うとは言ってないんだけどなあ……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夕方近くになって、二人はめいめいの部屋から出てきた。シャルロットは二日酔でふらふら、ガイズは徹夜で馬を走らせた疲れから、なんとなくボンヤリした様子ではあったけれど。俺はいつも通り、シャルロットを隣に座らせ、向かいに座ったガイズを指差した。
「……ガイズ様、お久しぶりね」
シャルロットは蒼い顔で頭を押さえながら呟く。挨拶というより、忘れていた、と言いたげな呟きだ。
「読書会以来かしら?」
いや、その後ガイズは学校でシャルロットに剣を向けたわけなのだが、おそらくあえてその話をしないであげよう、ということなのだろう。
「いや、学校で……」
「ガイズはうちの騎士団に入りたいそうなんだが」
つい被せて喋ってしまった。ガイズのやつ、どれだけ空気を読めないんだ……
「騎士団?そんなものがフェリクス大公領に?」
シャルロットもやはりしらない様子だ。しかし、問題はそこだけではない。
「シャルロット、ガイズを雇えば彼は俺たちに付き従うことになる……怖くはないか?」
尋ねると、ガイズはガタッと椅子を鳴らして立ち上がった。
「怖い?俺が、怖いのか??」
ホントに何にも考えてなかったんだな、この筋肉野郎。
「俺が言えた立場じゃないが、1度ならずお前に剣を向けた男だ。お前が嫌だと言えば、この話しは無かったことにしよう」
少し強めに言うと、ガイズは俺たちの側へ歩いてきて膝をついた。
「……どうする?許してやるのか?」
ざわめいたのは、入り口近くにひかえていた若い侍従の一団だ。自分達とさほど年頃の変わらぬ、成人してもいない、貴族らしからぬ俺が騎士然とした身なりのガイズをひざまづかせている。何事なのか、本当に俺はこの家の主なのか、といったところだろうか。
黙って沙汰をまつガイズに、彼女は首をふって
「正直、困るわ」
と言った。
「まだ私が大公妃になると決まったわけではないし……とりあえず大公領の都に着くまで、話しは保留でもいいかしら?このあとも私たちについて来るなら、だけど」
決まったわけではない?と俺は眉を寄せた。他に誰が大公妃になるんだよ。また死ぬとか殺せとか、そんな話か?若干、不機嫌になった俺にガイズは生暖かい視線を送ってきたので、
「いいから食えよ」
と、席につくよう促して俺たちは食事をしはじめる。シャルロットが昨日のように俺のぶんをサンドイッチにして差し出すのを受け取り、俺は明日行く場所の地図を広げた。とりあえずローシェ司祭には会っておくべきか……?
しばらくほうっておくと、ガイズはおずおずといったふうに立ち上がり、また席についてモソモソ食事をとりはじめた。
いつのまにか若い侍従の一団は、どこかへ居なくなっていた。
「ところで、ウィル殿下に何が起きたんだ?」
ある程度食事を終えたところで、俺はガイズに尋ねた。気もそぞろなのか食後のお茶に砂糖を大量にぶちこんでいたガイズは、それをきいてちょっと安心したような表情をした。この話をするためにここまで遠路、雪道を来たのだろう。
「手紙が、来たんだ」
ガイズは無闇にカップのなかをスプーンでかき混ぜながら話し始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺が大公の息子だと新聞に書かれたことで、王妃殿下は王宮殿で少々不味い立場におかれた。つまり、俺が大公子であることを隠していたのではないか、と貴族たちから声があがったそうだ。
すぐにバリー宰相をはじめとする皇太子派は、そのような証拠はない、と反論したものの、そうでないとも言えずにかなり旗色が悪くなった。しかもそのなかで皇太子派のゲノーム公爵とシェーンベルク公爵の二人が相次いで大公子にも王位継承権がある、と公に発表して、ますます具合の悪いことになったそうだ。
「お父様が?」
それをきいたシャルロットは眉根を寄せ、俺を見た。ゲノーム公爵が俺を認める?申し訳ないが、なにかウラがあるとしか思えない……。
「一人娘の令嬢が惚れ込んだ男だ、公爵も父親として応援するということではないか?」
ガイズ、お前はどこまで……あの男がそんないい父親なはずがないだろうとため息をついて、俺は先をうながした。
王国の両公爵家が認めたことで、俺は俺のいないところで、正式に大公子として貴族に認められることとなったそうだ。そのことで、磐石だったウィル殿下の皇太子としての地盤が揺らいできた。
さらに、皇太子妃候補があまりにも素行が悪い、と貴族から苦情が出始めたそうなのだ。マリエッタは、王宮に出入りする貴族たちに王妃と王子に会う前には先ず自分に挨拶をしに来るよう指示をしたそうで、茶会や晩餐会では、あってはならないダブルブッキングや、同席不可となっている別派閥を同席させて揉め事になったり、ある令嬢が別派閥の子息に夜会で乱暴されて、修道院へ入るといった混乱まで起きたそうだ。
しかし、王室…とくに皇太子はそうした混乱をすべて招待されていた貴族たちを厳しく罰して、マリエッタをかばう姿勢を貫いていた。シェーンベルク公爵はこれを期に、とうとう皇太子の支持を辞めたそうで、それに従う貴族も増えた。皇太子は文字通り身を削ってマリエッタをかばっていたのだ。
そこへきて、マリエッタ宛の封書が王宮殿でみつかった。
「それが……男からマリエッタへの恋文だったんだ」
何故王宮殿で、とか、あるいは本当にマリエッタが持っていたものなのか、というのは、今問題ではないのだろう。
「それ以来、ウィル皇太子殿下は本当におかしくなったとしか思えない。幼い子供から老齢の馬丁まで、ありとあらゆる男をマリエッタの周りから排除せよと言ったんだ」
それは、狂気としかおもえなかった。そもそも、民の半分は男なのだから。
「それで送り主は見つかったの?」
家同士で決められた婚約者を廃してまで交代したマリエッタだ。死に物狂いで自分を嵌めた相手を探したに違いないと俺たちは言ったが、ガイズは首を振るばかりだ。
「いや、ゴードン伯爵家はこの件で犯人を探すつもりはないようだ……皇太子殿下は、だからこそあんなおかしな命令を……」
つまり、マリエッタにとってその手紙の主は、覚えがあるものだったということだ。
「それは、とんでもない裏切りよね」
シャルロットは俺のカップに水を注いでくれながら、ぽつりとつぶやいた。
きらり、と紅い瞳が燭台のあかりに反射して、静かに燃え上がったように、俺には見えた。
36
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる