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精霊王と悪鬼
令嬢二人のお買い物
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翌日、私とマリア、そして何故かお義兄様は同じ公爵家の馬車で高級なドレスメイカーや宝石商が立ち並ぶ通りへとむかった。
「いらっしゃいませ、本日はこのような場所へお越しくださりましてありがとう存じます」
いつも私のドレスを誂えてくれている、ドレスメイカーの店主が深々と頭をさげるのは、お義兄様と私の姿をしているマリアだ。
ところで、ドレスメイカーの店舗にくるのは実ははじめてなのよね。お義兄様やお義父様はよく色んな修理の依頼やなにかで、来ているみたいだけれど。
貴族の屋敷ほどではなくとも、かなり立派な建物ね。通されたのは幾つかある応接室のうちのひとつで、最上階にあるところからみてここが最も豪華な部屋なのは間違いなさそう。マリアのおうちの2階部分がすっぽり入りそうね…調度品は豪華だけれど、なんとなく広すぎるかんじなのはどうしてかしら?
私がそっと周りをうかがっているあいだにお義兄様は店主と話をすすめる。
「昨日連絡をした通り、皇宮の茶会で着るドレスを至急頼みたい」
お義兄様に言われて、マルゲリータはうなづいた。
「心得ております。アシュレイ姫のトルソーはいつでも用意しておりますから、すぐとりかかれますわ。皆、仕事にかかって」
そう言ってから、私の方をみた。
「こちらはカーラントベルク侯爵家の令嬢で、マリアという」
私は紹介されて頭をさげたけれど、うん?なんだか店主とお針子の女の子たちの表情が、ちょっと??
「マリア嬢にもドレスを頼みたいのだが、間に合うだろうか」
んん?お義兄様、お店の方が何か誤解してそうかも、ですが。
「!!まあまあまあ!あらあ!それはおめでとうございます!」
店主が言い、女の子達が一斉に
「おめでとうございます!」
と声を揃えた。
「ちが、ちがいますよ!婚約とかではなくて!」
マリアが焦って否定するけれど、アシュレイの姿なので変な感じになる。
「あ、あら…ほほほ」
店主がなにかを察したように、ごまかし笑いをした。そうだった!私はつい何ヵ月か前にルディ殿下と破局したばかりなのよね…あ、やめて、そんなかわいそうなものを見るような顔をしてアシュレイ(中身はマリアなのだけれど)を見るのは!
「?」
お義兄様は突然祝われて、困ったように首をかしげている。無駄に顔がいいけど、いまはそれが逆に働いてしまっている。どうしてこういう時だけお義兄様はカンが悪いのかしら!
「なんだかわからないが、頼めるだろうか?」
「はあい!もちろんですわ!」
妙なテンションになった店主とお針子さんが奥からドレスを着せたトルソーを持ってゾロゾロと出てくる。なるほど、店舗だと運搬の心配がないから色々なデザインが見れるのね…通りで広い部屋なわけね。キョロキョロとみて歩いていると、お義兄様が店主と話しているのがきこえた。
「アシュレイにはグリーンのベルトの…ああ、それがいいだろう。それと、マリア嬢にはこういったものの他に、後で夜会用も何着か頼めるか?それは急がないのだが…」
ああ、そうよね。もし今後もまだマリアでいるなら、ドレスは作って貰えるとたすかるわね。と思いながらふとマリアを見ると、何か恐ろしいものを見るように青ざめたまま、立ち尽くしている。
「マリア?」
そばに行ってこっそりと話しかけると、ふいに腕をとられて私とマリアは部屋を出た。
「け、化粧室にいって参りますわ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
マリアは化粧室の前室のなかへ飛び込むと、どうしましょう、と私の両手をつかんだ。
「不味いことになりました!このままだと私、テオドア様の恋人ということになってしまいます!」
あ、そうか……公爵家がお金を出して、マリアの服を買ってるってことは、お義兄様とマリアは近々婚約とか、そういうふうにとらえられてもしかたないわよね?
「正直、わたしとしては特に不都合ないのですが」
私の答えに、マリアはより一層声をあげる。
「不都合ありますよ!!」
そうよねえ。義妹の私からみても、お義兄様は顔はいいけどやることも言うこともかなり怖いもの。
「……マリア、ごめんなさいね。今何とかするのは難しいかもしれませんわ」
私が否定すると、マリアにタダで他所の家にドレスを作らせるあつかましい女というレッテルをはることになるし、かといってマリアが強く否定してはアシュレイ…私が狭量な義妹となってしまう。まあ、こればかりはどうしようもないわね。
「なんとか元に戻れたら、其のときまた考えましょう?」
マリアはまだ、うう、とか、あう、とか頭をかかえていて、そこへ私は尋ねてみる。
「マリアはお義兄様がお嫌いかしら?怖い?」
「えっ!?」
マリアは大きく目を見開いてこちらを見た。
「あっ、いいえ、あの、思ったよりは怖くないですが。背が高くて素敵な…」
「顔は好き?」
ひえぅ、とおかしな声を出してマリアは自分の顔を覆った。
「お義兄様、妹としてもお顔はとても良いと思うのよ。いまいち表情が固いのだけど、それはほら、今後バロウズの呪いさえなんとかなれば、もう少し和らぐはずでしょう?」
そうよ、マリアは侯爵家の令嬢だし、これはチャンスなのでは?いまのうちにお義兄様を売り込むのよ!
「ね、うちにお嫁にくれば、私秘蔵のコレクションも、みせてさしあげられてよ?」
「……お姉様の、秘蔵の…?」
私の甘言にマリアは顔から手を離す。お、もうひと押しかしら?
「だから、ね、ここはひとまずお義兄様ともう少しおつきあいしてみませんこと?」
はっ、とした顔でマリアが私をみた。
「何の話してるんでしょう、私たち。いまはそれよりミュシャを封印して、元の体に戻る方法ですよ、お姉様!そのためにドレスを誂えに来たんですから!さ、戻りましょう、ね、アシュレイお姉様!」
……ああ、そう、そうだったわね。
◇◇◇◇◇◇◇
ドレスメイカーだけでなく、宝石商でも革製品のお店でも、同じようなやり取りのあと私たちは通りの端に立って馬車が来るのを待っていた。
「お義兄様、お仕事も学校もおありなのに、おつきあいいただいてすみません」
私が頭をさげると、眉を少しだけさげてお義兄様がこちらにむきなおった。
「いや、これまでが異常だったんだ。お前はキンバリーに残されたたった一人の跡取りなのに。私も父上も、これからはもっとお前にしてやれることがないか考えられると思う…今さら何をと思うだろうが…」
ぐっ、と拳を握るお義兄様に、私はそっと手をのばした。
「呪いがかかっていたとしても、お義兄様はいつだって私のそばにいてくださいましたわ」
「…アシュレイ」
伸ばした手をお義兄様が取ろうとしたところで、
「マリア!!」
叫び声に近い声で誰かがマリアを呼んだ。ああ、違う違う、いまは私がマリアよね。
「レイモンド、久しぶりだな」
お義兄様が言って、私も振り返る。レイモンド様がなぜか息をはずませてこちらへむかって走ってくるのが見えた。
「お久しぶりですね、テオドア先輩…いえ、キンバリー公爵令息殿」
なぜそんなにお義兄様を睨んでいるのかしら?二人って仲が悪いの?
「おにいさ…カーラントベルク侯爵令息様、いまお帰りですか?」
アシュレイの姿のマリア(ややこしいわね)がヒョコっとお義兄様の後ろから顔をだすと、何故かレイモンド様はハハ、と乾いたような笑い声をだしてその場にしゃがんだ。
「大変!大丈夫ですか?」
私が駆け寄ると、レイモンド様しゃがんだままうなづく。
「マリア、アシュレイ嬢と買い物かい?」
「ええ、もう済んだので帰るところなんです」
そうか、そうなんだ。とタイを緩めて額の汗をぬぐっている。
「ああ、そろそろ日が暮れる。レイモンド、妹と帰るのか?」
お義兄様が空を見上げてのんびり言うと、気が抜けたというようにレイモンド様は、はい、とうなづいた。
◇◇◇◇◇◇◇
帰りはカーラントベルク侯爵家の、例の馬車で帰る。いつもなら何か話しかけてくるレイモンド様が、なぜか今日はとても無口だ。
「……マリア、侯爵家あてにに皇宮と公爵家から手紙が届いた」
もう少しで皇宮殿が見える、というところでレイモンド様がくちをひらく。
「ああ」
皇宮のお茶会のことね。レイモンド様にも悪鬼退治の話をしないと。
「あの、お兄…」
「テオドア・ゼクセン・キンバリーは」
えっ!?呼び捨て?と私は慌てて周りをみまわした。声も大きかったし、周囲に人がいたらすぐ公爵家に伝わってしまう。
「ああ、ごめん。大きな声をだして…ちょっと止めよう」
そう言ってレイモンド様は、馬車を路肩へと止めた。
「ごめん、マリア。君に聞きたいことがあるんだ」
え、これって私がマリアではないって、バレてしまったの…かしら?
「いらっしゃいませ、本日はこのような場所へお越しくださりましてありがとう存じます」
いつも私のドレスを誂えてくれている、ドレスメイカーの店主が深々と頭をさげるのは、お義兄様と私の姿をしているマリアだ。
ところで、ドレスメイカーの店舗にくるのは実ははじめてなのよね。お義兄様やお義父様はよく色んな修理の依頼やなにかで、来ているみたいだけれど。
貴族の屋敷ほどではなくとも、かなり立派な建物ね。通されたのは幾つかある応接室のうちのひとつで、最上階にあるところからみてここが最も豪華な部屋なのは間違いなさそう。マリアのおうちの2階部分がすっぽり入りそうね…調度品は豪華だけれど、なんとなく広すぎるかんじなのはどうしてかしら?
私がそっと周りをうかがっているあいだにお義兄様は店主と話をすすめる。
「昨日連絡をした通り、皇宮の茶会で着るドレスを至急頼みたい」
お義兄様に言われて、マルゲリータはうなづいた。
「心得ております。アシュレイ姫のトルソーはいつでも用意しておりますから、すぐとりかかれますわ。皆、仕事にかかって」
そう言ってから、私の方をみた。
「こちらはカーラントベルク侯爵家の令嬢で、マリアという」
私は紹介されて頭をさげたけれど、うん?なんだか店主とお針子の女の子たちの表情が、ちょっと??
「マリア嬢にもドレスを頼みたいのだが、間に合うだろうか」
んん?お義兄様、お店の方が何か誤解してそうかも、ですが。
「!!まあまあまあ!あらあ!それはおめでとうございます!」
店主が言い、女の子達が一斉に
「おめでとうございます!」
と声を揃えた。
「ちが、ちがいますよ!婚約とかではなくて!」
マリアが焦って否定するけれど、アシュレイの姿なので変な感じになる。
「あ、あら…ほほほ」
店主がなにかを察したように、ごまかし笑いをした。そうだった!私はつい何ヵ月か前にルディ殿下と破局したばかりなのよね…あ、やめて、そんなかわいそうなものを見るような顔をしてアシュレイ(中身はマリアなのだけれど)を見るのは!
「?」
お義兄様は突然祝われて、困ったように首をかしげている。無駄に顔がいいけど、いまはそれが逆に働いてしまっている。どうしてこういう時だけお義兄様はカンが悪いのかしら!
「なんだかわからないが、頼めるだろうか?」
「はあい!もちろんですわ!」
妙なテンションになった店主とお針子さんが奥からドレスを着せたトルソーを持ってゾロゾロと出てくる。なるほど、店舗だと運搬の心配がないから色々なデザインが見れるのね…通りで広い部屋なわけね。キョロキョロとみて歩いていると、お義兄様が店主と話しているのがきこえた。
「アシュレイにはグリーンのベルトの…ああ、それがいいだろう。それと、マリア嬢にはこういったものの他に、後で夜会用も何着か頼めるか?それは急がないのだが…」
ああ、そうよね。もし今後もまだマリアでいるなら、ドレスは作って貰えるとたすかるわね。と思いながらふとマリアを見ると、何か恐ろしいものを見るように青ざめたまま、立ち尽くしている。
「マリア?」
そばに行ってこっそりと話しかけると、ふいに腕をとられて私とマリアは部屋を出た。
「け、化粧室にいって参りますわ!」
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マリアは化粧室の前室のなかへ飛び込むと、どうしましょう、と私の両手をつかんだ。
「不味いことになりました!このままだと私、テオドア様の恋人ということになってしまいます!」
あ、そうか……公爵家がお金を出して、マリアの服を買ってるってことは、お義兄様とマリアは近々婚約とか、そういうふうにとらえられてもしかたないわよね?
「正直、わたしとしては特に不都合ないのですが」
私の答えに、マリアはより一層声をあげる。
「不都合ありますよ!!」
そうよねえ。義妹の私からみても、お義兄様は顔はいいけどやることも言うこともかなり怖いもの。
「……マリア、ごめんなさいね。今何とかするのは難しいかもしれませんわ」
私が否定すると、マリアにタダで他所の家にドレスを作らせるあつかましい女というレッテルをはることになるし、かといってマリアが強く否定してはアシュレイ…私が狭量な義妹となってしまう。まあ、こればかりはどうしようもないわね。
「なんとか元に戻れたら、其のときまた考えましょう?」
マリアはまだ、うう、とか、あう、とか頭をかかえていて、そこへ私は尋ねてみる。
「マリアはお義兄様がお嫌いかしら?怖い?」
「えっ!?」
マリアは大きく目を見開いてこちらを見た。
「あっ、いいえ、あの、思ったよりは怖くないですが。背が高くて素敵な…」
「顔は好き?」
ひえぅ、とおかしな声を出してマリアは自分の顔を覆った。
「お義兄様、妹としてもお顔はとても良いと思うのよ。いまいち表情が固いのだけど、それはほら、今後バロウズの呪いさえなんとかなれば、もう少し和らぐはずでしょう?」
そうよ、マリアは侯爵家の令嬢だし、これはチャンスなのでは?いまのうちにお義兄様を売り込むのよ!
「ね、うちにお嫁にくれば、私秘蔵のコレクションも、みせてさしあげられてよ?」
「……お姉様の、秘蔵の…?」
私の甘言にマリアは顔から手を離す。お、もうひと押しかしら?
「だから、ね、ここはひとまずお義兄様ともう少しおつきあいしてみませんこと?」
はっ、とした顔でマリアが私をみた。
「何の話してるんでしょう、私たち。いまはそれよりミュシャを封印して、元の体に戻る方法ですよ、お姉様!そのためにドレスを誂えに来たんですから!さ、戻りましょう、ね、アシュレイお姉様!」
……ああ、そう、そうだったわね。
◇◇◇◇◇◇◇
ドレスメイカーだけでなく、宝石商でも革製品のお店でも、同じようなやり取りのあと私たちは通りの端に立って馬車が来るのを待っていた。
「お義兄様、お仕事も学校もおありなのに、おつきあいいただいてすみません」
私が頭をさげると、眉を少しだけさげてお義兄様がこちらにむきなおった。
「いや、これまでが異常だったんだ。お前はキンバリーに残されたたった一人の跡取りなのに。私も父上も、これからはもっとお前にしてやれることがないか考えられると思う…今さら何をと思うだろうが…」
ぐっ、と拳を握るお義兄様に、私はそっと手をのばした。
「呪いがかかっていたとしても、お義兄様はいつだって私のそばにいてくださいましたわ」
「…アシュレイ」
伸ばした手をお義兄様が取ろうとしたところで、
「マリア!!」
叫び声に近い声で誰かがマリアを呼んだ。ああ、違う違う、いまは私がマリアよね。
「レイモンド、久しぶりだな」
お義兄様が言って、私も振り返る。レイモンド様がなぜか息をはずませてこちらへむかって走ってくるのが見えた。
「お久しぶりですね、テオドア先輩…いえ、キンバリー公爵令息殿」
なぜそんなにお義兄様を睨んでいるのかしら?二人って仲が悪いの?
「おにいさ…カーラントベルク侯爵令息様、いまお帰りですか?」
アシュレイの姿のマリア(ややこしいわね)がヒョコっとお義兄様の後ろから顔をだすと、何故かレイモンド様はハハ、と乾いたような笑い声をだしてその場にしゃがんだ。
「大変!大丈夫ですか?」
私が駆け寄ると、レイモンド様しゃがんだままうなづく。
「マリア、アシュレイ嬢と買い物かい?」
「ええ、もう済んだので帰るところなんです」
そうか、そうなんだ。とタイを緩めて額の汗をぬぐっている。
「ああ、そろそろ日が暮れる。レイモンド、妹と帰るのか?」
お義兄様が空を見上げてのんびり言うと、気が抜けたというようにレイモンド様は、はい、とうなづいた。
◇◇◇◇◇◇◇
帰りはカーラントベルク侯爵家の、例の馬車で帰る。いつもなら何か話しかけてくるレイモンド様が、なぜか今日はとても無口だ。
「……マリア、侯爵家あてにに皇宮と公爵家から手紙が届いた」
もう少しで皇宮殿が見える、というところでレイモンド様がくちをひらく。
「ああ」
皇宮のお茶会のことね。レイモンド様にも悪鬼退治の話をしないと。
「あの、お兄…」
「テオドア・ゼクセン・キンバリーは」
えっ!?呼び捨て?と私は慌てて周りをみまわした。声も大きかったし、周囲に人がいたらすぐ公爵家に伝わってしまう。
「ああ、ごめん。大きな声をだして…ちょっと止めよう」
そう言ってレイモンド様は、馬車を路肩へと止めた。
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え、これって私がマリアではないって、バレてしまったの…かしら?
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