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ケース2
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次に僕の近くで人が亡くなったのは、僕が大学を卒業する直前の頃です。
亡くなったのは、大学の同じサークル仲間の井田司という男です。
井田とは、サークル活動を通じて意気投合するのですが、僕が第一志望の以前の勤務先に内定をもらってから、関係がギクシャクし始めました。
それというのも、井田の就職活動がうまくいっていなかったという理由がありました。
井田は、第一志望どころか受ける企業をことごとく不採用となっていて、かなり焦っていました。
そして、なんとか中堅玩具メーカーに採用されました。井田にとっては、かなり不本意な結果だっただろうと思います。
早い話しが、井田は僕に嫉妬していたのではないかと思います。
これまで自分より下だと思っていた僕が、自分より早々に第一志望の企業に内定を決めたことに、嫉妬していたのだと思います。
また、正直言うと、井田は少々面倒くさい奴で、サークルの中でもよく問題を起こして存在が浮いていました。
一言で言うと、とても我儘なんです。
とにかく自分が一番目立つ存在であることにこだわっていて、自分の要求がとおらないとあからさまに不機嫌になって、周囲の雰囲気を悪くするのです。
また、自分の家は裕福であるとか、親戚に有名人がいて可愛がられているとか、高校の時の成績は常に上位5位以内だったとか、自慢の多い男でもありました。
そんなこともあって、僕も井田とは少しずつ距離を取り始めました。
そのような理由もあってか、井田は僕に怒りの矛先を向けるようになりました。
具体的には、僕の悪口を吹聴したり、卒論をまとめることの妨害行為などです。
僕の周囲の人たちに、僕がお前の悪口を言っていたぞ、とか、お前のことを馬鹿にしていたぞ、とか、そんな子供のやるようなことでした。
でも、僕の周囲の人たちは、そんな井田の僕への中傷など信じたりはしませんでした。
だけど、それがかえって井田を怒らせてしまったようで、井田の行動はエスカレートして、僕が内定をもらっていた会社にまで僕の悪口を吹聴したのです。
危うく内定を取り消される寸前までいきました。
でも、そんな時でも僕を助けてくれる人がいて、その人の尽力もあって、どうにか内定が取り消されるまでには至りませんでした。
その一件もあって、さすがの僕も井田とは縁を切りましたけど。
しかし、井田の執念深さは僕の想像を遥かに超えていました。
井田は性懲りも無く僕につきまって、遂には物理的な危害を加えるようになってきました。
僕がやり返して問題を起こせば、今度こそ内定を取り消されると思って、僕が反撃できないと思っていたのでしょう。
でも、僕もそこまでバカではありません。
カズさんに相談して、警察に通報しました。結果、井田はストーカー行為を注意され、せっかくもらっていた内定を失ったのです。
しかし、そんなことでへこたれる井田ではありません。もう捨てるものの失くなった井田は、真夜中に僕の部屋にやって来たり、バイクで騒音を撒き散らして大騒ぎしたり、井田の迷惑行為はエスカレートするばかりでした。
たまらず僕は友人の家に避難しました。
それから2週間後くらいだったでしょうか、井田が死んだのは。
人間なんて、死ぬ時は呆気ないものですよね。いつ、どこで、どんな理由で死ぬかなんてこと、考えたことも無かったけど、井田が死んだ時、まだ若い僕でも死について考えさせられました。
井田は、その日もバイクで僕の部屋の前に乗り付けて、散々騒ぎを起こした帰り道だったようです。
井田は、帰り道に自分の自慢のバイクの操作を誤って転倒して、そのまま帰らぬ人になりました。
井田が事故で亡くなった時、僕はバイト先の送別会に参加していました。
僕の送別会と、就職記念です。
本当にいい職場でした。カズさんにはいつも可愛がってもらえて、感謝しかないです。
少し話しが逸れました。
井田の事故は、いちおう事件性は無いということで事故として処理されました。
ただ、井田が多くの人に恨みをかっていたせいもあって、念のため僕もアリバイを調べられました。
でも、先ほど言った送別会に出席していたというアリバイがあったので、僕に嫌疑がかけられることはありませんでしたが。
亡くなったのは、大学の同じサークル仲間の井田司という男です。
井田とは、サークル活動を通じて意気投合するのですが、僕が第一志望の以前の勤務先に内定をもらってから、関係がギクシャクし始めました。
それというのも、井田の就職活動がうまくいっていなかったという理由がありました。
井田は、第一志望どころか受ける企業をことごとく不採用となっていて、かなり焦っていました。
そして、なんとか中堅玩具メーカーに採用されました。井田にとっては、かなり不本意な結果だっただろうと思います。
早い話しが、井田は僕に嫉妬していたのではないかと思います。
これまで自分より下だと思っていた僕が、自分より早々に第一志望の企業に内定を決めたことに、嫉妬していたのだと思います。
また、正直言うと、井田は少々面倒くさい奴で、サークルの中でもよく問題を起こして存在が浮いていました。
一言で言うと、とても我儘なんです。
とにかく自分が一番目立つ存在であることにこだわっていて、自分の要求がとおらないとあからさまに不機嫌になって、周囲の雰囲気を悪くするのです。
また、自分の家は裕福であるとか、親戚に有名人がいて可愛がられているとか、高校の時の成績は常に上位5位以内だったとか、自慢の多い男でもありました。
そんなこともあって、僕も井田とは少しずつ距離を取り始めました。
そのような理由もあってか、井田は僕に怒りの矛先を向けるようになりました。
具体的には、僕の悪口を吹聴したり、卒論をまとめることの妨害行為などです。
僕の周囲の人たちに、僕がお前の悪口を言っていたぞ、とか、お前のことを馬鹿にしていたぞ、とか、そんな子供のやるようなことでした。
でも、僕の周囲の人たちは、そんな井田の僕への中傷など信じたりはしませんでした。
だけど、それがかえって井田を怒らせてしまったようで、井田の行動はエスカレートして、僕が内定をもらっていた会社にまで僕の悪口を吹聴したのです。
危うく内定を取り消される寸前までいきました。
でも、そんな時でも僕を助けてくれる人がいて、その人の尽力もあって、どうにか内定が取り消されるまでには至りませんでした。
その一件もあって、さすがの僕も井田とは縁を切りましたけど。
しかし、井田の執念深さは僕の想像を遥かに超えていました。
井田は性懲りも無く僕につきまって、遂には物理的な危害を加えるようになってきました。
僕がやり返して問題を起こせば、今度こそ内定を取り消されると思って、僕が反撃できないと思っていたのでしょう。
でも、僕もそこまでバカではありません。
カズさんに相談して、警察に通報しました。結果、井田はストーカー行為を注意され、せっかくもらっていた内定を失ったのです。
しかし、そんなことでへこたれる井田ではありません。もう捨てるものの失くなった井田は、真夜中に僕の部屋にやって来たり、バイクで騒音を撒き散らして大騒ぎしたり、井田の迷惑行為はエスカレートするばかりでした。
たまらず僕は友人の家に避難しました。
それから2週間後くらいだったでしょうか、井田が死んだのは。
人間なんて、死ぬ時は呆気ないものですよね。いつ、どこで、どんな理由で死ぬかなんてこと、考えたことも無かったけど、井田が死んだ時、まだ若い僕でも死について考えさせられました。
井田は、その日もバイクで僕の部屋の前に乗り付けて、散々騒ぎを起こした帰り道だったようです。
井田は、帰り道に自分の自慢のバイクの操作を誤って転倒して、そのまま帰らぬ人になりました。
井田が事故で亡くなった時、僕はバイト先の送別会に参加していました。
僕の送別会と、就職記念です。
本当にいい職場でした。カズさんにはいつも可愛がってもらえて、感謝しかないです。
少し話しが逸れました。
井田の事故は、いちおう事件性は無いということで事故として処理されました。
ただ、井田が多くの人に恨みをかっていたせいもあって、念のため僕もアリバイを調べられました。
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