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忘れらんねぇよ
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「よぉ~、元気だったか?」
不意に僕は髪をわしゃわしゃされて後ろを振り返ると、そこには山のようにデカい、顎髭を生やした金髪パーマの男が立っていた。
そう、こいつこそが、僕の中学時代の黒歴史の元凶、黒田源治だ。
中学の時から180近い身長だったけど、今はそれよりも遥かにデカい、2メートル近くはあるのではないか。いったい何を食べたらこんなにデカくなれるんだ?
「俺のこと、覚えてるか?」
(忘れられるわけないだろ、お前のせいで僕がどれだけ辛い想いをしたことか)
「あの頃は、よく一緒に遊んでたよなぁ。プロレスごっこしたり、お前の持ってた漫画やゲームを貸してもらったり。そういえば、いつだったかお前をマットでぐるぐる巻きにして、そのまま忘れて体育倉庫に置き去りにしたこともあったな。」
「あぁ、よ~く覚えてるよ。卍固めかけられて失神したり、バックドロップされたり、漫画もゲームもまだ貸しっぱなしだよね。あの季節の体育倉庫はとても寒かったよ」
僕は精一杯嫌味ったらしく返事をした。
お前にとっては、ただの遊びだっただろうが、こっちは死活問題だったんだぞ。
「この間、スポーツニュース観たよ。今、プロのバスケ選手なんだね。」
「あ、観てくれたか?まぁな、高校から全日本に入ってたからな、すごいだろ。」
はいはい、ごいす~。
「そういうお前も、今じゃ立派な帝大生なんだってな。さっき聞いて驚いたよ。ま、昔からガリ勉だったからな」
そういうお前は、脳みそまで筋トレしてたみたいなものだけどな。
「ところでお前、彼女とかいんの?」
「いや、彼女ならいないけど、でも」
「でも?」
「ううん、何でもない」
危ない・・・少しでも気を緩めると、危うく彼氏ならいる、と言ってしまいそうだ。
「そっか、それなら良かった」
良くねぇよ。
「ところで、あの話し覚えてるか?」
「え?何の話し?」
なんだよ、藪から棒に。
「何だよ、覚えてねぇのかよ。まぁ、ここじゃ小っ恥ずかしくて言いづらいから、今度東京で会わないか?その時に話すから」
う~ん。特に興味は無いのだが、こいつにも羞恥心というものがあったのは意外だった。そう思うと、その恥ずかしい話というものに興味が湧いてきた。聞いてやってもいいか。
「うん、まぁ、いいけど」
「やった!それじゃあRINE交換しようぜ。スルーするなよ」
こうして僕は、かつて僕をいじめていた黒田と連絡先を交換することとなった。
まさか黒田と連絡先を交換する日が来るとは、あの頃は夢にも思わなかったな。
「そう言えばさ~、あそこで女子達に囲まれてる、綺麗な顔した奴、誰だかわかるか?」
黒田が指差した方を見ると、茶髪の綺麗な顔をした色白の美青年が、女子達に囲まれていた。
「誰?あんな子いたっけ?」
「お前、いつも一緒につるんでただろ?江崎だよ、江崎敏志!」
「えー!あれが江崎君!?だって江崎君って、あの頃は黒縁メガネで毎日寝癖つけてたじゃないか!」
「なあー、眼鏡取ったら実は美少年でした、なんて少女マンガだけのことかと思ったけど、現実にもあるんだな」
驚いた。今年一番の衝撃だ。とは言っても、まだ今日は1月10日なんだけど。
「ちょっ、ちょっと行ってきていい?挨拶してくる」
「あぁ、楽しんで来いよ。あと、ちゃんと返事してくれよ」
僕は黒田を置いて江崎君のもとへ駆け寄った。
不意に僕は髪をわしゃわしゃされて後ろを振り返ると、そこには山のようにデカい、顎髭を生やした金髪パーマの男が立っていた。
そう、こいつこそが、僕の中学時代の黒歴史の元凶、黒田源治だ。
中学の時から180近い身長だったけど、今はそれよりも遥かにデカい、2メートル近くはあるのではないか。いったい何を食べたらこんなにデカくなれるんだ?
「俺のこと、覚えてるか?」
(忘れられるわけないだろ、お前のせいで僕がどれだけ辛い想いをしたことか)
「あの頃は、よく一緒に遊んでたよなぁ。プロレスごっこしたり、お前の持ってた漫画やゲームを貸してもらったり。そういえば、いつだったかお前をマットでぐるぐる巻きにして、そのまま忘れて体育倉庫に置き去りにしたこともあったな。」
「あぁ、よ~く覚えてるよ。卍固めかけられて失神したり、バックドロップされたり、漫画もゲームもまだ貸しっぱなしだよね。あの季節の体育倉庫はとても寒かったよ」
僕は精一杯嫌味ったらしく返事をした。
お前にとっては、ただの遊びだっただろうが、こっちは死活問題だったんだぞ。
「この間、スポーツニュース観たよ。今、プロのバスケ選手なんだね。」
「あ、観てくれたか?まぁな、高校から全日本に入ってたからな、すごいだろ。」
はいはい、ごいす~。
「そういうお前も、今じゃ立派な帝大生なんだってな。さっき聞いて驚いたよ。ま、昔からガリ勉だったからな」
そういうお前は、脳みそまで筋トレしてたみたいなものだけどな。
「ところでお前、彼女とかいんの?」
「いや、彼女ならいないけど、でも」
「でも?」
「ううん、何でもない」
危ない・・・少しでも気を緩めると、危うく彼氏ならいる、と言ってしまいそうだ。
「そっか、それなら良かった」
良くねぇよ。
「ところで、あの話し覚えてるか?」
「え?何の話し?」
なんだよ、藪から棒に。
「何だよ、覚えてねぇのかよ。まぁ、ここじゃ小っ恥ずかしくて言いづらいから、今度東京で会わないか?その時に話すから」
う~ん。特に興味は無いのだが、こいつにも羞恥心というものがあったのは意外だった。そう思うと、その恥ずかしい話というものに興味が湧いてきた。聞いてやってもいいか。
「うん、まぁ、いいけど」
「やった!それじゃあRINE交換しようぜ。スルーするなよ」
こうして僕は、かつて僕をいじめていた黒田と連絡先を交換することとなった。
まさか黒田と連絡先を交換する日が来るとは、あの頃は夢にも思わなかったな。
「そう言えばさ~、あそこで女子達に囲まれてる、綺麗な顔した奴、誰だかわかるか?」
黒田が指差した方を見ると、茶髪の綺麗な顔をした色白の美青年が、女子達に囲まれていた。
「誰?あんな子いたっけ?」
「お前、いつも一緒につるんでただろ?江崎だよ、江崎敏志!」
「えー!あれが江崎君!?だって江崎君って、あの頃は黒縁メガネで毎日寝癖つけてたじゃないか!」
「なあー、眼鏡取ったら実は美少年でした、なんて少女マンガだけのことかと思ったけど、現実にもあるんだな」
驚いた。今年一番の衝撃だ。とは言っても、まだ今日は1月10日なんだけど。
「ちょっ、ちょっと行ってきていい?挨拶してくる」
「あぁ、楽しんで来いよ。あと、ちゃんと返事してくれよ」
僕は黒田を置いて江崎君のもとへ駆け寄った。
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