MMK2(わくわく同窓会)

あらんすみし

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悪魔のような天使の笑顔

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菅野と夢の国デートをした数日後。
今度は江崎君とデートをすることになった。
と、いうことで、僕は生まれて初めて新宿二丁目に足を踏み入れることとなった。
「森田君、おはよー」
もう夜の8時だよ、江崎君。
「僕、初めての新宿二丁目なんだけど緊張するなぁ。大丈夫かな?」
「大丈夫、全然怖くないよ、楽しいよ。今夜は僕に任せて。絶対に楽しいよ」
ここはもう、二丁目の住人みたいな江崎君に任せて、流れに身を任せよう。
「それで、二丁目デートってどこに行くの?」
「僕がよく行くゲイバーを案内してあげるよ。そこのママがいい人なんだ。上京してきてから、ずっとお世話になっているんだ」
ついに、初ゲイバーか。いよいよ新しい扉を開くことになってしまうのか?

「ここだよ」
江崎君について行って案内されたのは、カントリーロードという小綺麗なゲイバーだった。店内は、小さなカウンターと、その後ろにボックス席があって、照明はやや暗めで落ち着いた大人の雰囲気だった。僕のイメージでは、ゲイバーというのはもっと明るくて、ゲイの人達がお祭りみたいに騒いでいるイメージだったんどけど、こういう大人びたお店もあるんだなぁ。
店内に入ると、そこにいた全てのお客さんの視線が自分たちに集中し、まるで値踏みをされているようだ。ちょっと怖い。
僕たちはカウンターに案内され腰掛けた。
「いらっしゃい、初めてだよね。わたしはここのママをしています、晃と申します」
へぇ~、ママさん、全然ゲイらしさが無い。でも名前が聖子、おかしいの。
僕はカシスオレンジ、江崎君はハイボールを注文した。
「2人はどんな関係なの?」
晃ママは僕たちに尋ねてきた。
「僕たち、中学の同級生なんです」
「あら、そうなの?じゃあ、今23歳くらいなのね、若くて羨ましいわ」
え?ついこの間、成人したばかりですけど。
「いえ、ついこの間、成人・・・」
と、言いかけたところで、江崎君が慌てた様子で僕の口を塞いだ。
「シッ!23歳ってことにしておいて」
何で?どうして?どういうこと?
「僕、この店では23歳ってことになっているんだよ。だから話し合わせて」
何でそんな嘘を?
「僕、上京して初めてこの店に来たのが17歳の時だったんだよ。その時、酒を飲むために年齢詐称したの」
たかが酒飲みたいために逆サバ読みするんかい!?
「お名前、聞いてもいいかしら?」
「はい、森田浩介です」
僕が名乗ると、晃ママが声を立てて笑った。隣に座っている他のお客さんも笑っている。
「さっとん、面白いお友だちだね」
え?さっとん?
「森田君、こういう場所では本名を名乗らなくていいんだよ。しかもフルネームとは。ちなみに僕は二丁目では、敏志だから、さっとんって呼ばれてるんだ」
え~、知らないよ~、そんな二丁目事情なんて~。
「それじゃあ、これからは君のことを、こうたんって呼ばせてもらうかな」
晃ママが提案する。
こうたん・・・なんか、小学生低学年みたいな名前だな。
「こうたん君。君、かわいいね」
そう言って、隣に座っていた20代後半くらいのお兄さんが声をかけてきた。
「あっ、どうも。僕、ゲイバーって初めてで」
「そうなんだ。じゃあ、俺がいろいろ教えてあげようか?」
そう言うと、その隣のお兄さんは僕の太腿に手を置いて撫でてきた。
こ、これはもしかして誘惑されてる!?
「ダメですよ~、僕の友だちに手を出しちゃ」
江崎君がたしなめる。
「いいじゃないか、少しくらい。それに、2人は付き合っているわけじゃないんだろ?」
「うるせーよ、おじさんは引っ込んでな」
えー!?江崎君の口から、そんな強気な言葉が出てくるなんて!!
「あぁん?テメェ、ちょっと若くてかわいいからって調子こいてるんじゃねえぞ!」
おじさんは・・・いや、お兄さんの態度が明らかに変わった。
「表でろ!」
さすがに店内で喧嘩はまずいので、お兄さんと江崎君は店を出て行った。
やばい!このままでは江崎君がボコボコにされてしまう。
心配になって僕も店を出て2人を追いかけた。
「子供だからって、大人をバカにすると痛い目に遭うと教えてやる」
言うが早いか、お兄さんは江崎君に殴りかかった。
危ない、江崎君!!
すると、江崎君はお兄さんのパンチを華麗に避けて、その腕を掴みお兄さんを背負い投げした。お兄さんの大きい体が宙を舞い、アスファルトの地面に叩きつけられた。
江崎君、凄い・・・。
「僕はもう、あの頃のいつも泣いていた僕じゃない。あの頃、僕と森田君は一緒に泣いていることしか出来なかったけど、今の僕なら森田君を守ることができる。だから、少し考えてほしいな、僕とのこと」
江崎君、しばらく会わないうちに、君は随分と強くなったんだね。僕なんかより、ずっと先を歩いているんだね。僕は、そんな江崎君に不覚にもギャップ萌えしてしまった。





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