166 / 219
第9章 勇者RENの冒険
第164話 一回戦第六試合 ダークエルフ族代表 マリーン VS 天使族代表 ルシフェル
しおりを挟む「さぁ、荒れた舞台が元に戻ってまいりました。それにしても本日の第五試合いきなりの白熱した対決になりましたね、ローファンさん!」
「えぇ、キュイジーヌの変身、バッジの大盾、そしてヘルフレアとそれを切り裂いたバッジの剣! いやぁ、見どころ満載でした!」
「さて、次の試合ですが、いよいよ! 登場ですね!」
「はい、我らが天使族の代表、ルシフェル先輩の登場です。これには会場も大盛り上がり間違いないでしょう」
「お? 準備が整ったようです」
「東の方角! 天使族代表! ルシフェルッッッ!!!」
割れんばかりの歓声が舞台を包み込む。歓声だけではない。観客がルシフェルの歩く足に合わせて足踏みを鳴らし、服がビリビリと揺れるような低音が会場中から溢れる。
「凄まじい声援です!!! 凄まじい轟音です!!! これほどの歓声は初めてですね!」
「もちろんです! 今大会で圧倒的一番人気ですよ! 観客の心が一つになっていますね!」
花道に登場した男は細長く整った顔つきだった。そして背中には折りたたまれた白い羽根。手には異様に長い剣を持ってゆっくりと歩いている。
ルシフェルは笑顔で天使たちの歓声に応えるよう手を振った。すうると女性ファンから黄色い声援が会場に溢れ出る。
「さ、さすがの人気ですね。それにしてもローファンさん、あのルシフェルの持っている剣ですが、随分と長いですよね」
「えぇ、実は一つ、情報を入手したんですが、ルシフェル先輩がとある神に認められた証としてあの剣を授かったそうなんですよ! ですから、あの剣は地上のモノではなく、神の創りし剣、神剣ということですね」
「おおっ! そうなんですか? ということは切れ味も相当なものなんでしょうか?」
「まず間違いないでしょうね。相手がどれだけあの剣に対抗できるのか? 今から楽しみです」
「ルシフェルが舞台に上がりました! では相手の入場のようです」
「西の方角! ダークエルフ代表っ! マリーン!!!」
「さぁ、登場したのはダークエルフのマリーンですね」
「彼女の弓の腕前は以前にもご説明した通りですね。視力は30を超えると言われており、1キロ先の獲物を弓で射るその腕前は、同じ弓を主武器とする我々天使族を遥かに上回っています!」
「その弓ということですが、1対1の対戦で使用するには少々キツイ装備なはずです。何しろ、接近されてしまうと攻撃手段がなくなってしまう、という欠点があるからです。ですが、御覧ください! 彼女の装備は弓です!!! 腰に短刀の一本も持ち合わせていません!!!」
「弓の扱いに相当な自身があるのでしょうね。普通に考えたら接近戦用の装備の一つくらいは持ってきそうなものですからねぇ」
「果たして、彼女の実力やいかに!」
「ちなみに、ルシフェル先輩も恐らく弓は持っているはずです。この試合に持ってきているかは微妙ですが……、先輩は弓の腕前は天使界一でしたから、どこまでダークエルフについていけるかも楽しみですね!」
「さぁ、両者が入場しましたッ! 試合前から両者の睨み合いが凄いッッ!!!」
***
「一回戦第六試合! 天使族代表! ルシフェル! VS ダークエルフ族代表! マリーン! レディ…………、ゴーーーーーッッッ!!!」
先に仕掛けたのはマリーンだった。その背中に背負っていた大きな弓を引き、矢を射出する。
その動きはとてもではないが目で追える速度を大幅に超えていた。
「まず動き出したのはマリーン! 矢を一瞬にして放ちましたッ! ですが、ルシフェルは動かないッ!」
キンッッ! キンッキンッ!!
響いたのは矢を弾く音。だが、ルシフェルに動いた気配はなかった。
「おっと? ルシフェルは全く動きませんが何やら矢を弾いたようですね」
「うぅむ……、一体何でしょうかね? 我々の目にはただ矢が弾かれた所しかわかりませんでしたね。ただ、マリーンの弓の腕はたしかですね。この一瞬で3発も放っていたんですから!」
マリーンはいぶかしんだ。
どういうことだ? 私の矢を避けもしないのに弾かれたとは……、結界か? いや、アイツにそんな術式を使った気配はない……。
マリーンは距離を取るため、大きく後退し、弓を高速で引く。
だが……、
キンキンキンッッッ!!!
またしても矢が弾かれる。だが、ルシフェルに動いた気配は感じられない。
ならば……、これならどうだッ!
「おっとマリーンの矢が炎を帯びましたね!」
「魔法を矢に込めたんですね! 通常の矢が弾かれていましたから、いい判断だと思います。
「これでも喰らいなッ!」
マリーンの放った矢はやはり、ルシフェルの手前で弾かれてしまった。だが、その矢から炎が落ち、ルシフェルを囲むように炎が上がる。
「ルシフェルが炎に包まれましたーーッ! んっ? こ、これはッ! ほ、炎が突然消えましたよ?」
「一体、どんな手を使って消しているんでしょうかね? ちょっと私にも見えませんでした」
マリーナはそのずば抜けた視力でルシフェルの行動全てを観察していた。
ルシフェルはその場から一歩も動いてはいない。魔法も使ってはいない。ただ、手に持った剣を振ったのだ。
それも誰の目にも止まらぬ速さで。その剣を鞘から抜くことなく振り回し、矢を叩き落す。そして周りを囲んだ炎すら剣を振り回す勢いで消し飛ばしてしまったのだ。
背中がいやに冷たく感じる。
「この化け物め……」
マリーナは舌打ちした。
この化け物を倒すには……、出し惜しみしてる場合じゃないってことね……。
矢に氷の魔法と風の魔法を付与し、マリーナはさらに攻撃を仕掛けるのであった。
1
あなたにおすすめの小説
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~
ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆
ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。
真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆
【あらすじ】
どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。
神様は言った。
「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」
現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。
神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。
それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。
あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。
そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。
そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。
ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。
この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。
さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。
そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。
チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。
しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。
もちろん、攻略スキルを使って。
もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。
下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。
これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる