ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

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奇跡のサードステップ

41歩目 森のコンプ

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「じゃあ行ってくるねアマンダ」

「ああ、気をつけるんだぞアユム」


次の日の朝、僕は表情が良くなったアマンダに返事を貰って家を出ました、まだ起きれないようですが順調に回復しています。


「昼までには戻らないとだから、方角を決めてから進まないとね・・・まずはエルフさんたちの方に行ってみよう」


ちょっと心配になったのでイーシャさんたちが向かった方に決めました、そして途中にいた雷を纏ったトラ、ライガーファングと出会い戦っています。


「ガオォォー!」

「うわっ!?」


トラが叫ぶと口から雷を放ってきて僕はまともに食らい痺れました、そしてトラの爪が襲います。


「いたたた、久しぶりのダメージだね・・・ダメージたったの5か」


僕は変な事を言いながら誇りをはたいています、そしてトラを見ると爪がボロボロになっていました、僕は剣で切り付けて倒し収納しましたよ。


「トラの毛皮とか装備の素材として良さそうだね、それに少しだけどダメージを与えてきた、きっとすごく強いんだ」


この森のモンスターはかなり強いとワクワクしながら進みます、途中アラクネの群れにも出会ったんですよ、僕を見て逃げて行きましたけどね、そして目的の村が視認出来て遠くから見てます。


「村に行くのはまずいよね、あれだけ警戒されてたんだから、ここは離れて様子を・・・あらオーガが村に近づいてる」


マップでオーガとハテナの表示が20個、イーシャさんたちの表示に近づいています、まだまだ遠いので方向を変えるかもしれません、でも僕は危険と判断して撃退することにしたんです。


「ウガアァー!」

「オーガよりも大きくて、ちょっと強そうだね君」


ハテナのモンスターはギガントオーガという上位種でした、そいつらはゴツゴツしたこん棒を持っていて、僕を見るなり振り下ろしてきたんだ、僕は逃げてほしかったと思いながらオーガたちの攻撃を避け誘導します。


「よし!これだけ村から離れればさすがに気付かないよね、じゃあ君たち掛かってきていいよ」


剣を構えて僕はそう宣言します、でも相手は既に疲れていて振りかぶる武器がノロノロと遅いです。


「やれやれ、これじゃ弱い者いじめだね、弱肉強食と言っても後味悪そうだ・・・ここは鬼ちゃん任せた」


僕はテイムしたモンスターのオーガを召喚しました、名前は鬼ちゃんです、鬼ちゃんは召喚されると刀を地面に置いて僕に跪いてきましたよ。


「ゴウ、ゴゴウ」

「うんよろしく」


念話で鬼ちゃんが『我が主ご指示を』って言ってきたので、僕は『このオーガたちの統率をよろしく』って伝えました、鬼ちゃんは刀を持ちオーガたちに向かって睨みます。


「おお!?何をしたの鬼ちゃん!」


鬼ちゃんが睨んだのは分かりました、でもそれ以外は分からず、オーガたちが急に土下座をし始めたんです、これは威厳というものでしょうか?


「ゴウ、ゴウゴウ」

「フムフム、睨んだらリーダーとして認められた・・・まぁ良かったね鬼ちゃん、後はよろしく」

「ゴウッ!」


鬼ちゃんが刀を抜き僕に掲げてきました、僕はうんうんって頷いて鬼ちゃんを見送ります。


「良かった良かった、さて僕も・・・って、あれは何かな?」


振り向いた時、茂みで何かが光って見えました、その場所に行くと壊れた弓を発見しました、収納するとそれが何なのか分かったんです。


「イーシャさんたちの仲間だった人の形見だ・・・これを渡せば少しは分かり合える・・・いやダメかな、今は何を言っても逆に思われそうだ」


そう思い直して弓を7つ回収しました、そしてイーシャさんたちの周りにいるモンスターを制圧していきました。


「フムフム、草が背中に付いてるゴーレムにバジリスク、トレントにアルラウネっとかなりいたね」


モンスターカードを確認しながら森が危険な場所だと思いました、アースドラゴンたちは縄張りに入らなければ怒って攻撃はしてきません、でも今の奴らは関係なく襲ってきたんです、知性がありそうな感じだったのにです。


「知性があるから、余計イーシャさんたちを狙ってるのかな?これはここを守るのに人選しないとダメだね、ハエッチ召喚」


僕は森の中を高速で移動できるハエッチを出しました、そして前回新しくカードになった闇フクロウのブラックも召喚し、村に近づくモンスターを倒して貰うように言います。


「村の近くは鬼ちゃんに任せれば良いとして、後は素材の回収だね、そこはチュー太にウサビラーよろしく」


チュー太とラビットのウサビラーに指示を出し、二人が敬礼して村向かいました、これで村の安全は守られます。


「さて村の周りは終わったね・・・湖に戻ってイーシャさんたちに渡す道具を考えないとだよ」


マップで見て村の中もちょっと心配です、家はあまり作られていませんでした、きっと疲労がたまっていて仕事が出来てないんだ、食事は僕が渡したので摂れているみたいです、それ以外に簡単に作業が出来る道具を作ります。


「アマンダにはうどんを作って、僕は・・・また来てるよ」


うどんを茹でていると視線を感じたのでマップを見ると、昨日いたエルフさんたちが表示されました、名前はアイヤとイルスです、僕は見えないけど手招きしてみます、予想通り出て来ません、マップの表示では離れて行くのが分かりましたよ。


「まだ警戒してるんだね、イーシャさんがいないとダメそうかな、何度も誘えば来てくれると思いたいよ」


うどんを完成させて、僕は家に入ってアマンダに食事を渡しました、そして状況を説明したんだ。


「そうなのか、エルフがな」

「うん・・・でもねアマンダ、他種族を嫌ったりしないでね、彼女たちも辛い思いをしたんだよ」


僕がちょっと必死に言うと、アマンダは『何を言ってる?』って顔をしています、それを見てアマンダは他種族を嫌ったりしていないと安心しました。


「アユムは獣人に助けられたんだったな」

「うん、だから僕は旅をしながらみんなを助けたいんだ、僕に出来る事は限られてるけどね」


アマンダは真剣に聞いてくれて分かってくれたみたいです、僕が空のお椀を受け取ると、そのまま僕に胸に抱き着いてきたんですよ。


「アユムはほんとに良い奴だ、アタシは安心する」

「僕は良い人じゃないよアマンダ、自分の為にやってるだけなんだ」


アマンダはゴニョゴニョと顔を胸に付けて言ってました、反論していたのかもです、しばらくそうしていてやっと放してくれましたけど、眠るって言い出して布団に潜ってしまったよ。


「やれやれ、アマンダはまだ立ち直ってなさそうだね」


アマンダの目には涙が見えました、きっとダリルの事をまだ引きずっているんです、僕は布団をポンポン叩いて家を出ます、そのまま森を走って回ったんだ、そして夕食時、やっとエルフさんたちを招待できました。


「へへ、変な動きはしない様に」

「分かってますよアイヤさん、それで何を食べますか?こっちの白米か麦を選べます、こっちはタイガーファングの肉とベアーベアーってクマの肉があります、どちらも今日取れたので新鮮ですよ」


僕は椅子を引いて勧めました、まだアイヤさんたちは警戒しています、でも僕がせわしなく動いていると椅子に付き始め、一口食べて表情が変わりました、僕はそれを見て一緒に食べましたよ。


「そうですか、イーシャさんはお土産を気に入ってくれましたか」

「はい、ワタシたちにくれないんですよ、どんな味なのかとても興味がありました、今日食べれて納得です」


楽しい会話をしてお土産もたっぷり渡しました、でもその中にはとても大事な物が入っています。


「ありがとうございますアユム殿、村を作る為の道具まで頂いてしまって」

「良いんですよアイヤさん、これも契約の内です、困ってなくてもまた来てくださいね」

「はい!今度はひ・・・イーシャ様も誘ってみます、それでは」


アイヤさんが途中言うのを止めていました、顔色からして何か隠していることがあるんでしょう、僕はまだ言えないことがあるんだねと片づけを始めたんです、エルフさんたちともっと仲良く出来る事を願います。
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