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奇跡のサードステップ
53歩目 協力関係締結
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「ず、随分簡単に了承しますわねあなた」
サージュエルさんがやっと覚醒して聞いてきました、顔は既にポーカーフェイスが出来ていません、僕はそこで更に追い打ちです。
「僕たちは少人数の行商人ですからね、あまり大きな商売をすると後が怖いです、それなら大きな所に任せた方が安全でしょ?」
サージュエルさんは、僕を使おうとしていますがそれは逆です、僕がサージュエルさんの商会を使いたいんです、目立たない為にはこれが一番ですよ。
僕の意図を察知してサージュエルさんがちょっと考え込んでしまいましたけど、自分から誘ったのでこのまま行くようですよ、手を差し出してきました、僕はそれを受けて握手をします。
「でも報酬は7・3ね、これは譲らないですわよ」
僕の手をぎゅっと握って放しません、何気に取り分を変えるのはさすがと思いました、もちろん僕は了承しましたよ。
「よろしい!それでアユムさんの持ってる物はエールの材料の麦かしら?それともワインのブドウとか?」
僕の手を放し胸の前で組んで早速本題です、僕の答えは決まっています。
「両方ですよ、それもかなり質がいい方です」
サージュエルさんの顔は、もうほんと驚きを通りこしています、そして今まで黙っていた後ろの男性の1人が代わりに言いましたよ。
「ふんっ!そんなはずないだろう、女いい加減な事を言ってると、お嬢様に変わってこの俺が」
「面白れぇー!やってもらおうじゃねぇか」
アマンダが待ってましたとばかりに対抗します、男性と力比べを始めてしまいましたよ、イーシャは離れたベッドに座って応援しています、でも既に勝負は決まっていますね。
「ぐぬぬぅ~」
「どうした筋肉男、こんな程度なのか?」
アマンダが余裕でいます、相手はピチピチだった服が破け、筋肉が膨れ上がり血管がすごいです。
「ほらほらどうした、その筋肉は飾りか?」
「ぐっ調子に乗るなよ、この!」
「アマンダもういいよ、サージュエルさんもそうですよね?」
話しが進まないと思った僕は、サージュエルさんにも止める様に言いました、二人が同時に力を抜きましたが、男性はかなり腕が痛そうです。
「僕たちの事が少しは分かった所で、話の続きです」
サージュエルさんたちはちょっと戸惑っていますが僕は先に進みます、少量の麦とブドウを出して見せたんだよ。
「これは素晴らしいですわ」
「そうでしょ、僕たちもそこに行くのは大変でした、村は地中に潜むワームに囲まれていましたし、こっちの麦は遠くの村で生産しています、これで嘘じゃないって分かったでしょ?」
僕はさっきの男性を笑顔で見ます、男性は腕を押さえて顔を逸らしましたね。
「分かりましたわ、では取り分を変えましょう」
「いえ、そこはそのままでいいので僕が持っていたのは黙っててください」
サージュエルさんたちが利益を考え、しばらくして頷きます、分かって貰えて僕は笑顔ですよ、サージュエルさんたちが部屋を出ると、ちょっとマップが気になっています。
「アマンダ、さっきの男性ちょっと注意だよ」
「分かったぜアユム、でもいいのか?報酬を下げてまで協力する必要はないだろう」
アマンダが分かっているはずの質問をしてきました、僕はそれに答えないで笑顔だけ返して男性の動向を探ります。
そしてその日の夜、大人数の冒険者とあの男性が宿の外に来ました。
「いいかお前ら、奴らはかなり手ごわい、気づかれないように仕留めるぞ」
「分かってますよ旦那」
「まっかせてくだせぇー女は俺たちが貰いますぜ」
外でそんな話をしています、僕は窓から見てやれやれって感じで窓枠に肘を付いてます。
「あなたたち、そろそろいいかしら?」
「「「「「な!?」」」」」
男たちが声に驚き、屋根の上にいるイーシャを見上げて驚いています、僕もその下の窓から見てます、向こうは武器を出し始めたよ。
「丁度いいぜ、中に入る手間が省けた、大人しく持ってる品物を寄こせや!」
「そうだぜぇ~そうすれば気持ちいい事だけで済むぞぉ、俺たちが楽しませてやるぜぇ~」
さっきから気持ちの悪い事をずっと言ってる奴がいます、僕を見て舌なめずりをしていて背中がゾクってします、そう言えばサージュエルさんたちには、僕が男だと告げてなかったと、ちょっと後悔しました。
「アユムに手を出すなら気を付けろよクズども、まずはアタシたちを倒してからだぜ」
「そうよあなたたち、さぁ掛かってらっしゃい」
アマンダが庭に出て来て武器を構えています、イーシャは屋根から飛び降りて僕にウインクしてきたんだ、僕は窓から手を振り応援です、二人に見てる様に言われたんですよ、どちらが多く倒すのか見ててほしいそうです、どちらが勝っても僕の抱き枕確定だと複雑な気持ちですね。
「いきがるんじゃねぇよ女ども!こっちは40人だぞ、こいつらはな、あの生意気なお嬢様を買い付けた品物と一緒に誘拐する為に集めたんだ、みんな4つ星以上の冒険者で凄腕だ、お前たちはその前菜になってもらうぜ」
あの筋肉さんが聞いてもいないのに喋ってくれています、人数がいて有利だと思っているんでしょう、でもそれは戦闘が始まった瞬間に無くなりましたよ。
「ひっ!?バケモノ!」
「な!?誰が化け物だこのヤロー!」
アマンダがあの気持ちの悪い男に言われて怒り、ちょっと力を入れ過ぎて男の顔がぐっちゃりです、僕は後で治してあげなくちゃと思い、あっという間に倒した庭を見ています。
「そそ、そんな!?40人の冒険者たちが、いい、一瞬で」
筋肉男が腰を抜かして座っています、イーシャが遠くから矢を放ち、うまく急所を外して男たちを倒し、アマンダは腕や足を鞘に納めたままの剣でへし折っていったんです、その所要時間は2分です、ほんとにあっという間でした。
「さてクズ男、覚悟は出来てるな」
「ひっ!?」
男がアマンダの威圧を受けズボンを濡らしました、そして気絶したので僕たちは後片付けです。
「うぅ~俺は死ぬのかぁ~」
あの気持ちの悪かった男がうなされています、僕たちは一か所に男たちを集めあるアイテムを使う準備をしているんですよ。
「なぁアユム、ほんとにそのアイテムを使うのか?こんな奴らにか?」
アイテム欄から出したそれを見て、アマンダがとても勿体ないって顔をしています、でも僕はそのまま使います、空にはその葉が舞い、男たちを七色の光が包みました、葉が枯れて落ちると男たちは回復していったんです。
「これが世界樹の葉のエフェクトかぁ~綺麗だねぇ」
「ほんと」
「だな・・・っいやいや!?ほんとに良かったのか?貴重なアイテムをこんなクズたちに」
アマンダが男たちを見下ろして嫌そうです、僕はしゃがみながら言ったんだよ。
「誰にでもやり直しのチャンスはあげたいんだよ僕は、これで次もダメだったらそれまでだけどね」
僕は男の1人のおでこに手を当てて状態を確認しました、男たちはまだ意識は戻りませんが更生してくれることを願います。
「うぅ~ここは、天国か?」
僕がそんな事を思っていると、おでこを触っていた男が目をうっすら開けました、天国とか言っているので、意識がまだはっきりとしていないんでしょう。
「ここは天国じゃないですよ、もう悪い事をしちゃダメですからね」
「あ、ああ」
男が何か言いたそうにして意識を無くしました、僕たちは冒険者ギルドに報告をして男たちを連れて行って貰いました。
「40人の冒険者がいなくなると、ここが大変なことのなるからって・・・いいのかなぁ~」
イーシャがとても不満そうに一言を呟きました、アマンダも同じです、ギルドの人になるべく軽い罰にする様に言ったんだ、あの男だけの処罰にすれば冒険者たちも思い直すだろうからね、そう願いたいんです。
「って事でしたサージュエルさん、だから頭を上げてください」
次の日の朝、僕たちが宿の食事を食べていると、サージュエルさんが息を切らせて訪れました、そして頭を下げて謝ってきたんだ、僕たちは状況を話してサージュエルさんが悪くないと頭を上げてもらったんです。
「ほんとに申し訳なかったですわ、今後は二度とないように徹底します」
「そうしてくれ、アタシたちも何度もやってられない、めんどいからな」
「そうそう、まぁアユムの抱き枕があるならワタシは喜んでやるけどねぇ」
イーシャが僕に抱き着いてきます、僕ははいはいって感じで頭を撫でたのですけど、サージュエルさんがそれを見てちょっと赤くなっています。
「じゃあ冒険者たちをよろしくお願いしますね」
「ええ分かりましたわ、わたくしが責任を持って教育しなおしてあげます」
こうしてドワーフ船が来るまでサージュエルさんと交易のお話をして過ごしました、途中料理を作ったりもしたんですよ。
サージュエルさんがやっと覚醒して聞いてきました、顔は既にポーカーフェイスが出来ていません、僕はそこで更に追い打ちです。
「僕たちは少人数の行商人ですからね、あまり大きな商売をすると後が怖いです、それなら大きな所に任せた方が安全でしょ?」
サージュエルさんは、僕を使おうとしていますがそれは逆です、僕がサージュエルさんの商会を使いたいんです、目立たない為にはこれが一番ですよ。
僕の意図を察知してサージュエルさんがちょっと考え込んでしまいましたけど、自分から誘ったのでこのまま行くようですよ、手を差し出してきました、僕はそれを受けて握手をします。
「でも報酬は7・3ね、これは譲らないですわよ」
僕の手をぎゅっと握って放しません、何気に取り分を変えるのはさすがと思いました、もちろん僕は了承しましたよ。
「よろしい!それでアユムさんの持ってる物はエールの材料の麦かしら?それともワインのブドウとか?」
僕の手を放し胸の前で組んで早速本題です、僕の答えは決まっています。
「両方ですよ、それもかなり質がいい方です」
サージュエルさんの顔は、もうほんと驚きを通りこしています、そして今まで黙っていた後ろの男性の1人が代わりに言いましたよ。
「ふんっ!そんなはずないだろう、女いい加減な事を言ってると、お嬢様に変わってこの俺が」
「面白れぇー!やってもらおうじゃねぇか」
アマンダが待ってましたとばかりに対抗します、男性と力比べを始めてしまいましたよ、イーシャは離れたベッドに座って応援しています、でも既に勝負は決まっていますね。
「ぐぬぬぅ~」
「どうした筋肉男、こんな程度なのか?」
アマンダが余裕でいます、相手はピチピチだった服が破け、筋肉が膨れ上がり血管がすごいです。
「ほらほらどうした、その筋肉は飾りか?」
「ぐっ調子に乗るなよ、この!」
「アマンダもういいよ、サージュエルさんもそうですよね?」
話しが進まないと思った僕は、サージュエルさんにも止める様に言いました、二人が同時に力を抜きましたが、男性はかなり腕が痛そうです。
「僕たちの事が少しは分かった所で、話の続きです」
サージュエルさんたちはちょっと戸惑っていますが僕は先に進みます、少量の麦とブドウを出して見せたんだよ。
「これは素晴らしいですわ」
「そうでしょ、僕たちもそこに行くのは大変でした、村は地中に潜むワームに囲まれていましたし、こっちの麦は遠くの村で生産しています、これで嘘じゃないって分かったでしょ?」
僕はさっきの男性を笑顔で見ます、男性は腕を押さえて顔を逸らしましたね。
「分かりましたわ、では取り分を変えましょう」
「いえ、そこはそのままでいいので僕が持っていたのは黙っててください」
サージュエルさんたちが利益を考え、しばらくして頷きます、分かって貰えて僕は笑顔ですよ、サージュエルさんたちが部屋を出ると、ちょっとマップが気になっています。
「アマンダ、さっきの男性ちょっと注意だよ」
「分かったぜアユム、でもいいのか?報酬を下げてまで協力する必要はないだろう」
アマンダが分かっているはずの質問をしてきました、僕はそれに答えないで笑顔だけ返して男性の動向を探ります。
そしてその日の夜、大人数の冒険者とあの男性が宿の外に来ました。
「いいかお前ら、奴らはかなり手ごわい、気づかれないように仕留めるぞ」
「分かってますよ旦那」
「まっかせてくだせぇー女は俺たちが貰いますぜ」
外でそんな話をしています、僕は窓から見てやれやれって感じで窓枠に肘を付いてます。
「あなたたち、そろそろいいかしら?」
「「「「「な!?」」」」」
男たちが声に驚き、屋根の上にいるイーシャを見上げて驚いています、僕もその下の窓から見てます、向こうは武器を出し始めたよ。
「丁度いいぜ、中に入る手間が省けた、大人しく持ってる品物を寄こせや!」
「そうだぜぇ~そうすれば気持ちいい事だけで済むぞぉ、俺たちが楽しませてやるぜぇ~」
さっきから気持ちの悪い事をずっと言ってる奴がいます、僕を見て舌なめずりをしていて背中がゾクってします、そう言えばサージュエルさんたちには、僕が男だと告げてなかったと、ちょっと後悔しました。
「アユムに手を出すなら気を付けろよクズども、まずはアタシたちを倒してからだぜ」
「そうよあなたたち、さぁ掛かってらっしゃい」
アマンダが庭に出て来て武器を構えています、イーシャは屋根から飛び降りて僕にウインクしてきたんだ、僕は窓から手を振り応援です、二人に見てる様に言われたんですよ、どちらが多く倒すのか見ててほしいそうです、どちらが勝っても僕の抱き枕確定だと複雑な気持ちですね。
「いきがるんじゃねぇよ女ども!こっちは40人だぞ、こいつらはな、あの生意気なお嬢様を買い付けた品物と一緒に誘拐する為に集めたんだ、みんな4つ星以上の冒険者で凄腕だ、お前たちはその前菜になってもらうぜ」
あの筋肉さんが聞いてもいないのに喋ってくれています、人数がいて有利だと思っているんでしょう、でもそれは戦闘が始まった瞬間に無くなりましたよ。
「ひっ!?バケモノ!」
「な!?誰が化け物だこのヤロー!」
アマンダがあの気持ちの悪い男に言われて怒り、ちょっと力を入れ過ぎて男の顔がぐっちゃりです、僕は後で治してあげなくちゃと思い、あっという間に倒した庭を見ています。
「そそ、そんな!?40人の冒険者たちが、いい、一瞬で」
筋肉男が腰を抜かして座っています、イーシャが遠くから矢を放ち、うまく急所を外して男たちを倒し、アマンダは腕や足を鞘に納めたままの剣でへし折っていったんです、その所要時間は2分です、ほんとにあっという間でした。
「さてクズ男、覚悟は出来てるな」
「ひっ!?」
男がアマンダの威圧を受けズボンを濡らしました、そして気絶したので僕たちは後片付けです。
「うぅ~俺は死ぬのかぁ~」
あの気持ちの悪かった男がうなされています、僕たちは一か所に男たちを集めあるアイテムを使う準備をしているんですよ。
「なぁアユム、ほんとにそのアイテムを使うのか?こんな奴らにか?」
アイテム欄から出したそれを見て、アマンダがとても勿体ないって顔をしています、でも僕はそのまま使います、空にはその葉が舞い、男たちを七色の光が包みました、葉が枯れて落ちると男たちは回復していったんです。
「これが世界樹の葉のエフェクトかぁ~綺麗だねぇ」
「ほんと」
「だな・・・っいやいや!?ほんとに良かったのか?貴重なアイテムをこんなクズたちに」
アマンダが男たちを見下ろして嫌そうです、僕はしゃがみながら言ったんだよ。
「誰にでもやり直しのチャンスはあげたいんだよ僕は、これで次もダメだったらそれまでだけどね」
僕は男の1人のおでこに手を当てて状態を確認しました、男たちはまだ意識は戻りませんが更生してくれることを願います。
「うぅ~ここは、天国か?」
僕がそんな事を思っていると、おでこを触っていた男が目をうっすら開けました、天国とか言っているので、意識がまだはっきりとしていないんでしょう。
「ここは天国じゃないですよ、もう悪い事をしちゃダメですからね」
「あ、ああ」
男が何か言いたそうにして意識を無くしました、僕たちは冒険者ギルドに報告をして男たちを連れて行って貰いました。
「40人の冒険者がいなくなると、ここが大変なことのなるからって・・・いいのかなぁ~」
イーシャがとても不満そうに一言を呟きました、アマンダも同じです、ギルドの人になるべく軽い罰にする様に言ったんだ、あの男だけの処罰にすれば冒険者たちも思い直すだろうからね、そう願いたいんです。
「って事でしたサージュエルさん、だから頭を上げてください」
次の日の朝、僕たちが宿の食事を食べていると、サージュエルさんが息を切らせて訪れました、そして頭を下げて謝ってきたんだ、僕たちは状況を話してサージュエルさんが悪くないと頭を上げてもらったんです。
「ほんとに申し訳なかったですわ、今後は二度とないように徹底します」
「そうしてくれ、アタシたちも何度もやってられない、めんどいからな」
「そうそう、まぁアユムの抱き枕があるならワタシは喜んでやるけどねぇ」
イーシャが僕に抱き着いてきます、僕ははいはいって感じで頭を撫でたのですけど、サージュエルさんがそれを見てちょっと赤くなっています。
「じゃあ冒険者たちをよろしくお願いしますね」
「ええ分かりましたわ、わたくしが責任を持って教育しなおしてあげます」
こうしてドワーフ船が来るまでサージュエルさんと交易のお話をして過ごしました、途中料理を作ったりもしたんですよ。
応援ありがとうございます!
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