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幸せのフォースステップ
69歩目 被害報告
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「先生、つかれたぁ~」
私たちは今、ティルバーナ先生に言われて歩いて旅をしています、唯一の休憩は馬車の操作の練習にロクハと御者席にいる時だけです、凛がヨロヨロとしながら先生に休ませてほしいって言ってるけど、先生がそんなに簡単に許可を出すわけありません。
「リン鍛え方が足りないぞ、足腰は戦闘でも軸になる場所だ、嫌なら麦袋を追加するぞ」
「ひえぇ~すみません~勘弁してくださいぃ~」
凛が泣きながら謝り歩いています、私たちは普通に歩いているわけではありません、麦の沢山入った大袋を肩に乗せているの、20キロの米袋くらいあるんだけど、すごく重いわ。
恵も結月もフラフラして歩いてるわ、莉希なんて袋に潰されていました、私はその時、莉希を担いで歩いたのよ。
「まったく・・・アケミ気配がするぞ、戦闘態勢だ」
ティルバーナ先生がそれ以外で訓練を止める時があります、それは良くない気配がする時です、エリアサーチを持っている結月よりも先に察知して知らせてくれます、それを聞くとみんなは袋を馬車に急いで乗せて喜びながら武器を構えるのよ。
凛なんて「早くモンスターでも盗賊でも来なさい!」って、襲われるのを喜んじゃうんだから。
「こ、これって・・・どういう事?」
凛が不思議そうに道を見ているわ、私も新手の盗賊だと思ってるけど、攻撃はしたくないわね。
「道を自分たちの体で塞いでる、それに子供しかいないじゃない!結月、他にはいないの」
街道を遮るように子供たちが足を掴んで一列に並んで寝てるの、人数は7人でみんなボロボロの服を着ているわ、指示を出している奴がいるんじゃないかって調べてもらったけど、子供が林の奥に7人隠れてるだけみたい、私たちが見てたら男の子が茂みから飛び出してきて、動かない様に叫んできたわ。
「困ったわね、先生どうします?」
「困っているなら助けるが、襲って来るなら子供でも容赦してはダメだ、盗賊にも子供を使ってくる奴はいる」
先生がそう言って男の子に近づき、上から睨んでいます、あれは怖いわ。
「う、動くなって言ってるだろ!俺の仲間が30人林の中から弓で狙ってるんだぞ」
「小僧、攻撃するならこちらも容赦はしない、だが話し合いで済むならばそれに応じよう、どうしてこんなことをしているんだ?」
先生が上から睨んだままで言っているわ、男の子が怖がって喋れないでいます、それを見て凛が武器を納めて間に入り、先生に注意して男の子の前でしゃがんで見せました。
「先生、こうやって目線を合わせないと怖がっちゃうでしょ、君どうしてこんなことをしてるの?」
「お、俺たちの村が魔族に襲われて・・・それで逃げて来たんだ、それの少し前に国の王都が魔族に落とされたって知らせが来た、大人たちが話し合いをしてたんだけど、沢山のモンスターが村を襲ってきたんだ」
男の子が泣きそうな顔をして、命懸けで逃げて来たと言ってます、大人が時間稼ぎをしたか、もしかしたら子供を置いて逃げたのかもしれないわ。
「大変だったんだね、今まで何を食べていたの?食料なんて持ってなかったでしょ」
私は道に寝転がっている子達に聞きました、子供たちは体を起こして泣きながら答えたんです。
「森の野草を食べて何とかしてたの、でもモンスターとか獣がいない場所はそんなになくて、人が通るのを待ってたの」
「だから街道でこんなことをしていたのね」
大変だったのねってボサボサの髪をした女の子を撫でると、大声で泣き始めてしまったわ、結月と莉希が子供たちを撫でているけどみんな泣き始めちゃった、結月と莉希が私を見て何かを訴えてきます。
「そ、そんな顔しないでよふたりとも」
「だって・・・ねぇ結月」
「う、うん・・・あんな顔されたら」
私はふたりの言葉に撃たれてその場に倒れました、でも仕方ないわよね。
「とと、兎に角ご飯にするにゃ」
「そ、そうだよ恵の言う通り、お腹が空いていたら暗くなっちゃうよ、明美もそれでいいでしょ」
凛の言葉を私はたおれたままで横を向き賛成したわ、私はしばらく動けないわよ、みんなが昼食の準備を始めているのに、私はまだ動けないわ、そんな時あの男の子が私の目の前でしゃがんだの。
「ごめんな姉ちゃん、俺たちが迷惑を掛けて」
「良いのよ気にしないで・・・ところで君の名前は何て言うのかしら?」
私はやっと起き上がる事が出来て、男の子に名前を聞きました、もちろん私たちの名前も教えたわ、男の子はガルータって言うそうよ。
「アケミ姉ちゃんたちは、これから北に行くんだよな」
私たちの進んでいる方角を思い出しガルータが真剣な目で聞いてきたわ、私は頭を振ってその先の言葉を言わせないように断ったの、ガルータはそれを見て地面に頭をつけて来たのよ。
「頼むよ姉ちゃん!奴隷でも何でもなる、だから連れてってくれよ!」
「ダメよガルータ、戦えないあなた達を連れて行ったら私たちが危険になる、南に向かって村か街に行きなさい、あなた達の足でも7日くらいで着けるわ、その分の食料はあげるから」
「いやだ!」
ガルータが地面に頭を付けままで言ってきたわ、決意は固いみたいだけど、死にに行くようなものよ・・・いいえ違うわね、ガルータは分かってて、それでも良いって思ってるんだわ。
「ガルータよく考えなさい、復讐したってあなたの親御さんは帰って来ない何も変わらないのよ、あなたはねあの子たちをまとめないとダメなの、それが生き残ったあなたの使命よ」
この子たちの中では年長者だから言います、酷な事だけどガルータが頑張らないといけないわ、肩に手を置き私は出来るだけ優しく言いました、顔を上げたガルータは泣いています、ハンカチで拭いてあげながら励ましたわ。
「でも姉ちゃん!オレどうすればいいのか分からないよ」
「まずはお腹を満たしましょガルータ、それでゆっくり休みなさい、全然寝てないでしょあなた」
ガルータの顔はどう見ても疲れてます、こんな状態じゃ良い方法なんて思い浮かばないわ、ガルータの手を引っ張り立たせて料理を始めてるみんなの所に連れていったの、料理をみんなで作って打ち解ける事は出来たわ。
「ほ、ほんとに良いの?」
「何を遠慮してるの君たち、あたしたちは普通に食べるわよ、ほら食べた食べた」
凛が遠慮している子供たちの背中を押して勧めてます、作るのを手伝ったのに食べさせないとか、何処の拷問よねって私は思いました、隣に座っているガルータにお皿を渡し手本を見せてあげなさいって小声で伝えたわ、リーダーのガルータが貰えば他の子たちも続くと思ったからですね、そしてそれは正解だったみたいで食事が進みましたよ。
「泣いちゃってるよ明美」
「仕方ないわ凛、だってこの子たちろくな物を食べてなかったのよ、ガルータが野草の知識を持っていたから良かったけど、普通なら死んでるわ」
毒草やキノコなどは知識がないと危険よ、でも限界までお腹が空いていたら食べちゃうわ、だから危なかったのよ。
「それで・・・こいつらをどうするんだアケミ」
私たちが子供たちの食べている姿を眺めていると、先生が肉を口に放り込みながら言ってきたわ、私は食料を渡して別れるって答えたのよ。
「別れるねぇ・・・それは無理だと思うぞ」
「「え!?」」
私と凛はスープを飲んでる先生を見て疑問の声を揃えたわ、先生がスープを飲み終わるのを待っていると想像もしてない事を言ってきました。
「恐らくこいつらでは終わらない、最初なんだ、この先進むにつれて増えるぞ、こいつらを助けたお前たちはそれを断り続けられるのか?」
「「げっ!?」」
先生が私たちの驚いた顔を見てため息を付きます、そして地図を出して指を差し説明してくれました、この子たちがいた林は直ぐに抜ける事が出来るけど、先にはまだいくつもそう言った林や森があるそうです、そして村が幾つもあると言われました。
「アケミがあのガキから聞いた話から考えるとだ、その村や街が襲われている可能性が高い、撃退しているって事もあるだろうが、逃げている住民はいるだろう」
先生がそこまで言って私たちを睨みます、被害の無い村や街に入れる人数は限られます、そうなると必然的に林や川の近くに集まります、家の無い状態で暮らすようになり生き残れるか怪しいそうです。
「そそ、それなら壊れた村を直して連れて行けば」
「それは無駄だ、ガキたちだけではいくら直しても続かない、他の奴が来た時点で乗っ取られ追放される、人種族とはそう言った種族だ、自分たちを優先するんだよ」
先生がちょっと怒りながらパンをかじっています、凛と私は顔を見合います、そんな人達ばかりじゃないって言いたいんです、でも精神的にも肉体的にも苦しい時、人はそんなに他人に優しくなれません、自分がそうだったもの。
「じゃあ先生、どうすれば良いんですか?」
「あたいに聞くなよリン・・・まずお前たちで何処まで助けたいのかを決めろ」
先生に言われて私たちは考えます、衣食住全部って言ったら先生が私たちの頭を叩いてきました。
私たちは今、ティルバーナ先生に言われて歩いて旅をしています、唯一の休憩は馬車の操作の練習にロクハと御者席にいる時だけです、凛がヨロヨロとしながら先生に休ませてほしいって言ってるけど、先生がそんなに簡単に許可を出すわけありません。
「リン鍛え方が足りないぞ、足腰は戦闘でも軸になる場所だ、嫌なら麦袋を追加するぞ」
「ひえぇ~すみません~勘弁してくださいぃ~」
凛が泣きながら謝り歩いています、私たちは普通に歩いているわけではありません、麦の沢山入った大袋を肩に乗せているの、20キロの米袋くらいあるんだけど、すごく重いわ。
恵も結月もフラフラして歩いてるわ、莉希なんて袋に潰されていました、私はその時、莉希を担いで歩いたのよ。
「まったく・・・アケミ気配がするぞ、戦闘態勢だ」
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凛なんて「早くモンスターでも盗賊でも来なさい!」って、襲われるのを喜んじゃうんだから。
「こ、これって・・・どういう事?」
凛が不思議そうに道を見ているわ、私も新手の盗賊だと思ってるけど、攻撃はしたくないわね。
「道を自分たちの体で塞いでる、それに子供しかいないじゃない!結月、他にはいないの」
街道を遮るように子供たちが足を掴んで一列に並んで寝てるの、人数は7人でみんなボロボロの服を着ているわ、指示を出している奴がいるんじゃないかって調べてもらったけど、子供が林の奥に7人隠れてるだけみたい、私たちが見てたら男の子が茂みから飛び出してきて、動かない様に叫んできたわ。
「困ったわね、先生どうします?」
「困っているなら助けるが、襲って来るなら子供でも容赦してはダメだ、盗賊にも子供を使ってくる奴はいる」
先生がそう言って男の子に近づき、上から睨んでいます、あれは怖いわ。
「う、動くなって言ってるだろ!俺の仲間が30人林の中から弓で狙ってるんだぞ」
「小僧、攻撃するならこちらも容赦はしない、だが話し合いで済むならばそれに応じよう、どうしてこんなことをしているんだ?」
先生が上から睨んだままで言っているわ、男の子が怖がって喋れないでいます、それを見て凛が武器を納めて間に入り、先生に注意して男の子の前でしゃがんで見せました。
「先生、こうやって目線を合わせないと怖がっちゃうでしょ、君どうしてこんなことをしてるの?」
「お、俺たちの村が魔族に襲われて・・・それで逃げて来たんだ、それの少し前に国の王都が魔族に落とされたって知らせが来た、大人たちが話し合いをしてたんだけど、沢山のモンスターが村を襲ってきたんだ」
男の子が泣きそうな顔をして、命懸けで逃げて来たと言ってます、大人が時間稼ぎをしたか、もしかしたら子供を置いて逃げたのかもしれないわ。
「大変だったんだね、今まで何を食べていたの?食料なんて持ってなかったでしょ」
私は道に寝転がっている子達に聞きました、子供たちは体を起こして泣きながら答えたんです。
「森の野草を食べて何とかしてたの、でもモンスターとか獣がいない場所はそんなになくて、人が通るのを待ってたの」
「だから街道でこんなことをしていたのね」
大変だったのねってボサボサの髪をした女の子を撫でると、大声で泣き始めてしまったわ、結月と莉希が子供たちを撫でているけどみんな泣き始めちゃった、結月と莉希が私を見て何かを訴えてきます。
「そ、そんな顔しないでよふたりとも」
「だって・・・ねぇ結月」
「う、うん・・・あんな顔されたら」
私はふたりの言葉に撃たれてその場に倒れました、でも仕方ないわよね。
「とと、兎に角ご飯にするにゃ」
「そ、そうだよ恵の言う通り、お腹が空いていたら暗くなっちゃうよ、明美もそれでいいでしょ」
凛の言葉を私はたおれたままで横を向き賛成したわ、私はしばらく動けないわよ、みんなが昼食の準備を始めているのに、私はまだ動けないわ、そんな時あの男の子が私の目の前でしゃがんだの。
「ごめんな姉ちゃん、俺たちが迷惑を掛けて」
「良いのよ気にしないで・・・ところで君の名前は何て言うのかしら?」
私はやっと起き上がる事が出来て、男の子に名前を聞きました、もちろん私たちの名前も教えたわ、男の子はガルータって言うそうよ。
「アケミ姉ちゃんたちは、これから北に行くんだよな」
私たちの進んでいる方角を思い出しガルータが真剣な目で聞いてきたわ、私は頭を振ってその先の言葉を言わせないように断ったの、ガルータはそれを見て地面に頭をつけて来たのよ。
「頼むよ姉ちゃん!奴隷でも何でもなる、だから連れてってくれよ!」
「ダメよガルータ、戦えないあなた達を連れて行ったら私たちが危険になる、南に向かって村か街に行きなさい、あなた達の足でも7日くらいで着けるわ、その分の食料はあげるから」
「いやだ!」
ガルータが地面に頭を付けままで言ってきたわ、決意は固いみたいだけど、死にに行くようなものよ・・・いいえ違うわね、ガルータは分かってて、それでも良いって思ってるんだわ。
「ガルータよく考えなさい、復讐したってあなたの親御さんは帰って来ない何も変わらないのよ、あなたはねあの子たちをまとめないとダメなの、それが生き残ったあなたの使命よ」
この子たちの中では年長者だから言います、酷な事だけどガルータが頑張らないといけないわ、肩に手を置き私は出来るだけ優しく言いました、顔を上げたガルータは泣いています、ハンカチで拭いてあげながら励ましたわ。
「でも姉ちゃん!オレどうすればいいのか分からないよ」
「まずはお腹を満たしましょガルータ、それでゆっくり休みなさい、全然寝てないでしょあなた」
ガルータの顔はどう見ても疲れてます、こんな状態じゃ良い方法なんて思い浮かばないわ、ガルータの手を引っ張り立たせて料理を始めてるみんなの所に連れていったの、料理をみんなで作って打ち解ける事は出来たわ。
「ほ、ほんとに良いの?」
「何を遠慮してるの君たち、あたしたちは普通に食べるわよ、ほら食べた食べた」
凛が遠慮している子供たちの背中を押して勧めてます、作るのを手伝ったのに食べさせないとか、何処の拷問よねって私は思いました、隣に座っているガルータにお皿を渡し手本を見せてあげなさいって小声で伝えたわ、リーダーのガルータが貰えば他の子たちも続くと思ったからですね、そしてそれは正解だったみたいで食事が進みましたよ。
「泣いちゃってるよ明美」
「仕方ないわ凛、だってこの子たちろくな物を食べてなかったのよ、ガルータが野草の知識を持っていたから良かったけど、普通なら死んでるわ」
毒草やキノコなどは知識がないと危険よ、でも限界までお腹が空いていたら食べちゃうわ、だから危なかったのよ。
「それで・・・こいつらをどうするんだアケミ」
私たちが子供たちの食べている姿を眺めていると、先生が肉を口に放り込みながら言ってきたわ、私は食料を渡して別れるって答えたのよ。
「別れるねぇ・・・それは無理だと思うぞ」
「「え!?」」
私と凛はスープを飲んでる先生を見て疑問の声を揃えたわ、先生がスープを飲み終わるのを待っていると想像もしてない事を言ってきました。
「恐らくこいつらでは終わらない、最初なんだ、この先進むにつれて増えるぞ、こいつらを助けたお前たちはそれを断り続けられるのか?」
「「げっ!?」」
先生が私たちの驚いた顔を見てため息を付きます、そして地図を出して指を差し説明してくれました、この子たちがいた林は直ぐに抜ける事が出来るけど、先にはまだいくつもそう言った林や森があるそうです、そして村が幾つもあると言われました。
「アケミがあのガキから聞いた話から考えるとだ、その村や街が襲われている可能性が高い、撃退しているって事もあるだろうが、逃げている住民はいるだろう」
先生がそこまで言って私たちを睨みます、被害の無い村や街に入れる人数は限られます、そうなると必然的に林や川の近くに集まります、家の無い状態で暮らすようになり生き残れるか怪しいそうです。
「そそ、それなら壊れた村を直して連れて行けば」
「それは無駄だ、ガキたちだけではいくら直しても続かない、他の奴が来た時点で乗っ取られ追放される、人種族とはそう言った種族だ、自分たちを優先するんだよ」
先生がちょっと怒りながらパンをかじっています、凛と私は顔を見合います、そんな人達ばかりじゃないって言いたいんです、でも精神的にも肉体的にも苦しい時、人はそんなに他人に優しくなれません、自分がそうだったもの。
「じゃあ先生、どうすれば良いんですか?」
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