ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

文字の大きさ
74 / 102
幸せのフォースステップ

74歩目 味方は敵

しおりを挟む
「とやぁ~うりゃぁ~」

「ほらほらユニ、遊んでないでモンスターが来ましたよ」


ウモンが指を差した先には大きなカマキリがいました、ユニはヨーヨーを回してカマキリにぶつけ吹っ飛ばします、ウモンが更にモンスターの方角を指示するとユニは楽しそうにヨーヨーで倒していきました、木や岩に激突したカマキリたちは動かなくなり、サモンが倒した事を確認して収納にしまって行きます。


「これで10匹目ですね、これなら報酬も期待できるよ」


3人旅はかなり進んでいます、目的地はまだまだ先です、でもいくつかの村と街を経由しあと少しでマージョルです、ユニとウモンがモンスターを倒し、サモンが収納にしまってギルドに卸す、そんな毎日を過ごしていました。

ですが、その日の夜は少し違っていたんです、野営の場所に邪魔者が襲来しました。


「いたな、他種族の金持ち野郎!」


焚火の反対側から歩いて来た者たちは大きな剣や斧を持って現れました、ウモンが油断していたと顔を歪ませてます、サモンはユニを引き寄せていつでも動ける体勢です、ユニはその状態でもモグモグと干し肉を食べています。


「さぁ!命が惜しかったら金を出しな、そうすりゃー売らずに逃がしてやる」


ゾロゾロと歩いてきた男たちは全部で15人、サモンはおかしいと思い、倒す準備をしているウモンに待つように手で合図します。


「お前たち、オレたちがお金を持ってるなんて誰が言ってたんだ、旅をしているからそんなに持ってないぞ」


サモンが情報を探ろうと男たちに聞きます、しかし男たちは顔を見合って笑いだすだけでした。


「恐怖のあまりおかしくなったか?そんな事を知ってどうするんだ、それよりも早く出しやがれ!」

「そうだぞ、あまりオイラ達をイライラさせるな、他種族のくせによ」


男たちは今にも襲い掛かる体勢です、サモンはそれを見てウモンに目配せをしました、そしてウモンは変身を解いて本当の武器である三又の槍をサモンから受け取り構えたんです、その姿を見て男たちが恐怖に満ちた顔をします。


「久しぶりに戻ると解放された気分になるわね、やっぱりこの方は動きやすいわ、さぁ行くよ!」

「ひっ化け物!?」


男たちが焦って武器を振ります、ですが素早いウモンの槍に弾かれ武器が飛ばされていきました、そのまま男たちは槍で一突きされ倒れて行きます。


「なんだい、弱いにもほどがあるわ、サモンは手を出さないでよね」

「分かってるよウモン、オレはこいつに用がある」

「ひっ!?近づくな!」


変身を解いてユニを肩車しているサモンの前には、腰を抜かした男がいます、後ろにズルズルと下がって逃げようとしているけど上手く体が動きません、それでも動こうとしているのでサモンが三又の槍で足を一突きしました、男は悲鳴をあげています、でもしばらくして悲鳴は止みます、男の意識が薄れ目の焦点が合わなくなったんです。


「さすがサモンの毒だわ、効き目抜群ね」


男たちを倒したウモンが男を見降ろし、ぞっとしています、この毒で情報を取れなかった時は無いとウモンは呟きました、そしてサモンがその状態の男に質問して情報を聞き出し始めます。


「インターの村をオレたちが出たから後を着けて来たんだな」

「そうだ、3人なら楽勝だから、親分も賛成して襲った」


男がゆっくり喋っています、サモンはそこでおかしいと疑問が生まれています、ウモンとサモンは熱源で警戒をしていました、男たちが付けていたのなら気づいたはずと顔を見合っています。


「どうやってオレたちに気付かれずに来た、さっきは油断していたけど、いつもは分かるんだぞ、そんなに前からなら絶対に気付く」

「それは・・・1度見失って諦めていたんだが協力者が見つけてくれた、フードをかぶった奴だ、そいつが言った場所に来たらお前たちがいたんだ」


男がそう言った為、サモンがそいつの情報を聞き出そうとしました、だけど分からないと言って唸りだしたんです。


「苦しんでるって事は、こいつは知らないなサモン」

「そうだねウモン・・・仕方ない、こいつを刺客にしてオレたちは移動しよう、ユニ様すみません夕食は終わりです」


頭の上にいるユニに謝り移動の準備を始めました、ウモンは男に近づきの首筋に噛みつき毒を流します。


「うぅ~」

「お前はこれからアジトに戻り協力者を殺せ、そして出来るだけ他に者も倒すんだ良いな」


毒を流し込まれた男は頷き、ヨロヨロと歩いて行きました、ウモンはそれを見てサモンと一緒に移動の支度を始め、ため息をついています。


「失敗したなサモン、こんなことなら他の男どもも生かしておくんだったよ、あいつだけじゃ奇襲は失敗する」

「仕方ないよウモン、今は急いで移動することを考えよう、ちょっと警戒すれば今回みたいにはならないよ」


3人は移動を開始しました、ヨロヨロと歩いて行った男の目的地の場所には洞窟があります、男たちが酒を飲み帰りを待っています。


「遅いなあいつら・・・もしかして失敗したのか?」

「親分それは無いですって、たかが3匹の他種族ですぜ、楽勝過ぎてワイが行きたかったくらいでさぁ」


酒をジョッキに注ぎながら笑っています、親分もそれを聞き安心はしていました、でも本心ではソワソワしていて収まっていません、そこにフードをかぶった者が入り口から姿を現し、子分たちは武器に手を掛けたんです。


「平気だお前たち武器を降ろせ、この方は協力者だ、どうされましたかな?」


親分がフードの者の前で跪くと、その者の手には血みどろの男が引きずられていました、それを見て子分たちは叫びます。


「「「「「ザールコ!?」」」」」

「こいつ、ザールコって言うのね、こいつはね、わたしを見るなり攻撃してきたのよ、だから返り討ちにしてあげたわ、そんなに叫ばないでちょうだい」


フードを取りながらサラッと言います、子分たちはそれどころではありません、フードの者がかなりの美人だったからです。


「おお、親分・・・その女性は誰ですか?確か協力者って男性だと聞いていやしたけど、えらくべっぴんさんですぜ」

「そうだったなアルガン、それは嘘だったんだ、何処で情報が漏れるか分からんからな、そうですよねサキーナ様」


親分は立ち上がり手をコネコネとさせ女性の名前を呼びます、女性の周りを黒いモヤ覆い女性はサキュバスの姿に変わりました、子分たちはそれを見て武器を構えて警戒します、親分はその姿を見て喜びまた跪きます。


「エサその1、作戦はこのまま実行しましょ、こいつらもお前みたいに奴隷にして使うから捕まえなさい」

「はいっ!サキーナ様」


親分が素直に返事をして逃げる子分を捕まえ出します、サキーナに引きずって差し出し、サキーナは子分の首筋に口づけをして生気吸い上げます、子分は段々と力を抜き抵抗しなくなります、サキーナが離れるとその場に跪いてサキーナの足を舐めだしました。


「さぁこれであなたもエサよ、2番目ね」

「ありがとうございますサキーナ様、では他の物も捕まえます」

「ええよろしく」


子分たちはそれを見て逃げ惑います、唯一の出入り口にはサキーナがいる為、最後には全員がしもべに変わってしまいました。


「「「「「ご命令をサキーナ様」」」」」


男たちが跪き指示を待っています、サキーナは親分を四つん這いにして腰に座っています、変わりはてた子分たちを怪しい笑みを浮かべて指示を待ちます。


「良い子ね、では命令よエサたち、ユニという小娘を殺しなさい、邪魔をするサモンとウモンもよ、あいつらはヘビだから弱点のナメクジモンスターを捕まえて使う事、良いわね!」

「「「「「はっ」」」」」


男たちが指示を受け洞窟を走って出て行きました、残ったサキーナはゆっくりと外に出て夜空を見上げ笑っています。


「これで魔王様も目をお覚ましになるわ、あんな小娘の為に進軍しないなんてありえないのよ、早く戻って来てねエサども」


サキーナは背中から翼を出し他の場所に向かいました、計画をより成功に導く為に動きます。
しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】 異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。 『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。 しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。 そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った だけど仲間に裏切られてしまった 生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

処理中です...