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2章 歩み
24話 強化訓練
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「それでは、それぞれ木の武器を持ったね」
みんなが元気になり、訓練を強めたいと言うお願いを聞いた僕は、早速次の段階であるスキルの強化に入りました。
それぞれの木の武器を持ってもらったけど、それは普通だからアルシュナたちは不思議そうだよ。
「じゃあ、武器を振ってください」
「「「「「はい?」」」」」
「ただし、限界まで素早く振ってください」
「「「「「はい?」」」」」
スキルレベルを上げるにはそれが一番簡単で、型をしっかり覚えてない人には不向きだと伝えます。
変な癖がついてしまうからで、みんなはしっかり型を覚えたから出来る事だったんだ。
「だけどよ、オレたちのスキルって2とか3だぜ」
「そうですよアレストさん、上げると言ってもそんなに上がりませんよ」
「そうなの?」
「そうなの?って・・・本気ですかアレストさん」
アルシュナが信じられないって顔をしてきたけど、僕はいつも本気だし、基礎を行ったのはこれが一番の目的だったんだ。
最短で強くなれるからと、みんなに勧めたらやっと始めてくれて、2時間が経つ頃には全員が6に上がっていたよ。
「し、信じられねぇ」
「6って、達人ですよ」
「そうだね」
「そうだねって・・・普通じゃないですよ」
基礎がしっかりと出来ているから出来る裏技で、次は闘気術と魔力操作が待っています。
そして、後衛のアルノとピュイにも闘気術を覚えて貰い、逆に前衛のアルシュナには魔力操作を覚えて貰います。
「アレスト、どうしてだ?」
「それはね、2つを同時に使うためだよ」
「「「「「同時に使う」」」」」
「うん、ミノタウロス戦で見たと思うけど、アルシュナのあの虹色のオーラはね、闘気と魔力を合わせた究極の状態なんだ」
勇者だけが虹色にまで混合出来て、普通の人はどちらかに偏り色もそれぞれ違います。
でも、それだけ強くなることが出来て、今の5倍は強くなれると教えたよ。
「んだよ、そんな裏技があるなら、ミノタウロスの前に言ってくれよ」
「そうですよアレストさん、ワタシたちの決意は何だったんですか」
「それがね、必要だったから決意してもらったんだよ」
混合させるには、それなりの訓練が必要だけど、それ以上に強くなる為の意志が大切です。
そして、それは死地を乗り越えた人にしか扱えず、みんなはそれを乗り越えたんだ。
「ごめんね、本当は普通に強くなってもらいたかったんだけど、そうも言ってられなかったんだ」
「いえ、ワタシたちが求めただけですよ」
「そうだぜアレスト、あんたのせいじゃねぇさ」
「ごめんね」
そう道を進めたのは僕で、そうじゃないとこの後に起きる戦いで誰かが死ぬから急いだんだ。
みんなで楽しくというのは、今のメンバーだから出来る事で、一人でも欠けると魔王を倒す旅はつらいだけのモノになってしまう。
「なんで謝るんだ?」
「まぁ大人には色々あるんだよミネルビル」
「またそうやって子供扱いする、オレだって成人してるんだぜ」
スタイルを強調させる様に、ミネルビルが両手で体をススッと触って見せるけど、そんなのはキョウコで見慣れていて、やれやれと思ってしまった。
そんなお年頃なんだとも思い、襲っちゃうよとか笑って見せたら、ミネルビルがまんざらでもない感じにテレてきたよ。
「だから子供って事なんだけど、そんな事よりも訓練を始めようか」
「そんな事って・・・まぁ良いか、始めようぜ」
「じゃあ、みんな両手を出してね」
全員が両手を前に出してくれて、僕はそこに魔力と闘気を組み合わせた力を注ぎました。
それはみんなの身体をめぐり増えて行き、それはオーラとなって噴き出したけど、凄いと言う言葉がみんなから出たよ。
「そんな事言ってる場合じゃないよみんな、それを抑えるんだ」
「「「「「はい?」」」」」
「そうしないと、力を放出し過ぎて倒れちゃうよ」
「「「「「はい!!」」」」」
今日できる子はいないだろうけど、これはそれだけ効率の良い方法で、何度も倒れて感じる事で体が慣れて使える様になります。
そして、死地を見た人だけが出来ると言った理由は、倒れるまで放出するから、下手をしたら死んでしまうんだ。
「さぁみんな、楽な姿勢でオーラを抑えるんだ」
「そ、そんな事言っても」
「で、出来ねぇぞ」
「これは個人で抑え方が違うから、自分で何とかするしかない、頑張って」
一度出来たアルシュナもその日は倒れてしまい、僕は5人をベッドに運ぶことになりました。
ベッドの上で唸るみんなに、同じ訓練を毎日行うことを伝えたよ。
「毎日倒れるのかよ」
「それが嫌なら、早く出来る様になろうねミネルビル」
「ちぇっ!難しいぜ」
「それが出来たら次もあるからね、頑張って」
げっ!!っと、みんなが嫌そうな顔をしたけど、それだけ大変な訓練だからこそ実を結ぶわけなので、頑張るように伝えました。
そして、寝てても出来る訓練と言う事で、僕の戦ったモンスターのお話を始めました。
「へぇ~41階からは、タートル戦士ってのが出るのか」
「そうだよミネルビル、そいつらは硬いからとても手ごわいんだ」
「そんなにかてぇのか」
「うん、ボスはもっとすっごく硬くてね、普通の武器じゃ歯が立たないよ」
50階のボスは、グランドタートルと言う10mくらいの大きなカメで、首を伸ばして振り回してくる強敵です。
口からは衝撃破を放ってきて、それを受けたら鼓膜は破れ心臓がはじけます。
「こ、怖いの~」
「確かに」
「対処法は?」
「避けるしかないし、その為には強くないとダメだ」
素早く動けて、ダメージを与えられる強さが必要です。
その為にみんなには強くなってもらうんだけど、みんなが混合闘気を使える様になれば余裕とお話しました。
「まぁ、あの時のアルシュナは凄かったからな」
「わ、ワタシはあまり覚えてないわ」
「勇者のオーラは、極闘気とも呼ばれる別格だし、10倍は上がっていただろうね」
「「「「「10倍」」」」」
みんなが期待の目をしてアルシュナを見たけど、自在に使える様にならなくては意味がなく、それが出来るようになるのは聖剣を手に入れる少し前で、それまでは気持ちが昂ったりした時だけです。
それでも、普通のオーラは使えるので強くはなるけど、それでもあいつらが来るギリギリだったんだ。
「間に合うから良かったけど、そうでなかったら」
僕は窓の外を眺め、どうしてここに来るんだと思ったけど、聖剣を抜く道をあきらめたのは分かっていました。
そして、それはアルシュナたちの良い踏み台になるので、イヤな事が起きるけど楽しみでもあったんだ。
みんなが元気になり、訓練を強めたいと言うお願いを聞いた僕は、早速次の段階であるスキルの強化に入りました。
それぞれの木の武器を持ってもらったけど、それは普通だからアルシュナたちは不思議そうだよ。
「じゃあ、武器を振ってください」
「「「「「はい?」」」」」
「ただし、限界まで素早く振ってください」
「「「「「はい?」」」」」
スキルレベルを上げるにはそれが一番簡単で、型をしっかり覚えてない人には不向きだと伝えます。
変な癖がついてしまうからで、みんなはしっかり型を覚えたから出来る事だったんだ。
「だけどよ、オレたちのスキルって2とか3だぜ」
「そうですよアレストさん、上げると言ってもそんなに上がりませんよ」
「そうなの?」
「そうなの?って・・・本気ですかアレストさん」
アルシュナが信じられないって顔をしてきたけど、僕はいつも本気だし、基礎を行ったのはこれが一番の目的だったんだ。
最短で強くなれるからと、みんなに勧めたらやっと始めてくれて、2時間が経つ頃には全員が6に上がっていたよ。
「し、信じられねぇ」
「6って、達人ですよ」
「そうだね」
「そうだねって・・・普通じゃないですよ」
基礎がしっかりと出来ているから出来る裏技で、次は闘気術と魔力操作が待っています。
そして、後衛のアルノとピュイにも闘気術を覚えて貰い、逆に前衛のアルシュナには魔力操作を覚えて貰います。
「アレスト、どうしてだ?」
「それはね、2つを同時に使うためだよ」
「「「「「同時に使う」」」」」
「うん、ミノタウロス戦で見たと思うけど、アルシュナのあの虹色のオーラはね、闘気と魔力を合わせた究極の状態なんだ」
勇者だけが虹色にまで混合出来て、普通の人はどちらかに偏り色もそれぞれ違います。
でも、それだけ強くなることが出来て、今の5倍は強くなれると教えたよ。
「んだよ、そんな裏技があるなら、ミノタウロスの前に言ってくれよ」
「そうですよアレストさん、ワタシたちの決意は何だったんですか」
「それがね、必要だったから決意してもらったんだよ」
混合させるには、それなりの訓練が必要だけど、それ以上に強くなる為の意志が大切です。
そして、それは死地を乗り越えた人にしか扱えず、みんなはそれを乗り越えたんだ。
「ごめんね、本当は普通に強くなってもらいたかったんだけど、そうも言ってられなかったんだ」
「いえ、ワタシたちが求めただけですよ」
「そうだぜアレスト、あんたのせいじゃねぇさ」
「ごめんね」
そう道を進めたのは僕で、そうじゃないとこの後に起きる戦いで誰かが死ぬから急いだんだ。
みんなで楽しくというのは、今のメンバーだから出来る事で、一人でも欠けると魔王を倒す旅はつらいだけのモノになってしまう。
「なんで謝るんだ?」
「まぁ大人には色々あるんだよミネルビル」
「またそうやって子供扱いする、オレだって成人してるんだぜ」
スタイルを強調させる様に、ミネルビルが両手で体をススッと触って見せるけど、そんなのはキョウコで見慣れていて、やれやれと思ってしまった。
そんなお年頃なんだとも思い、襲っちゃうよとか笑って見せたら、ミネルビルがまんざらでもない感じにテレてきたよ。
「だから子供って事なんだけど、そんな事よりも訓練を始めようか」
「そんな事って・・・まぁ良いか、始めようぜ」
「じゃあ、みんな両手を出してね」
全員が両手を前に出してくれて、僕はそこに魔力と闘気を組み合わせた力を注ぎました。
それはみんなの身体をめぐり増えて行き、それはオーラとなって噴き出したけど、凄いと言う言葉がみんなから出たよ。
「そんな事言ってる場合じゃないよみんな、それを抑えるんだ」
「「「「「はい?」」」」」
「そうしないと、力を放出し過ぎて倒れちゃうよ」
「「「「「はい!!」」」」」
今日できる子はいないだろうけど、これはそれだけ効率の良い方法で、何度も倒れて感じる事で体が慣れて使える様になります。
そして、死地を見た人だけが出来ると言った理由は、倒れるまで放出するから、下手をしたら死んでしまうんだ。
「さぁみんな、楽な姿勢でオーラを抑えるんだ」
「そ、そんな事言っても」
「で、出来ねぇぞ」
「これは個人で抑え方が違うから、自分で何とかするしかない、頑張って」
一度出来たアルシュナもその日は倒れてしまい、僕は5人をベッドに運ぶことになりました。
ベッドの上で唸るみんなに、同じ訓練を毎日行うことを伝えたよ。
「毎日倒れるのかよ」
「それが嫌なら、早く出来る様になろうねミネルビル」
「ちぇっ!難しいぜ」
「それが出来たら次もあるからね、頑張って」
げっ!!っと、みんなが嫌そうな顔をしたけど、それだけ大変な訓練だからこそ実を結ぶわけなので、頑張るように伝えました。
そして、寝てても出来る訓練と言う事で、僕の戦ったモンスターのお話を始めました。
「へぇ~41階からは、タートル戦士ってのが出るのか」
「そうだよミネルビル、そいつらは硬いからとても手ごわいんだ」
「そんなにかてぇのか」
「うん、ボスはもっとすっごく硬くてね、普通の武器じゃ歯が立たないよ」
50階のボスは、グランドタートルと言う10mくらいの大きなカメで、首を伸ばして振り回してくる強敵です。
口からは衝撃破を放ってきて、それを受けたら鼓膜は破れ心臓がはじけます。
「こ、怖いの~」
「確かに」
「対処法は?」
「避けるしかないし、その為には強くないとダメだ」
素早く動けて、ダメージを与えられる強さが必要です。
その為にみんなには強くなってもらうんだけど、みんなが混合闘気を使える様になれば余裕とお話しました。
「まぁ、あの時のアルシュナは凄かったからな」
「わ、ワタシはあまり覚えてないわ」
「勇者のオーラは、極闘気とも呼ばれる別格だし、10倍は上がっていただろうね」
「「「「「10倍」」」」」
みんなが期待の目をしてアルシュナを見たけど、自在に使える様にならなくては意味がなく、それが出来るようになるのは聖剣を手に入れる少し前で、それまでは気持ちが昂ったりした時だけです。
それでも、普通のオーラは使えるので強くはなるけど、それでもあいつらが来るギリギリだったんだ。
「間に合うから良かったけど、そうでなかったら」
僕は窓の外を眺め、どうしてここに来るんだと思ったけど、聖剣を抜く道をあきらめたのは分かっていました。
そして、それはアルシュナたちの良い踏み台になるので、イヤな事が起きるけど楽しみでもあったんだ。
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