異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました

まったりー

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最終章 終焉

364話 あなたの為に

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どうも始めまして、わたくしはマリン・フォルテスと言います、ガルト・フォルテスの子供で一人娘ですわ。

今年8歳になりました、お父様の領地でのんびりと生活をしています、最近は森に行って山菜や果物を取るのがわたくしの楽しみですわ、森の動物たちも可愛いですのよ。

もちろん一人では行きませんメイドのラルルと一緒ですわ、ラルルは元冒険者でCランクと聞いています。

たまに訓練を見ていますが凄すぎてわたくしにはわかりませんでした。


ほんとにのんびりした生活をしていたわたくしに最近悩みが出来ましたの。


マリン
「はぁ~あの人はいつ来てくれるのでしょう」


書斎で読書中にわたくしは一人で呟いています、そうですあの変わった乗り物で我が屋敷に訪れた伯爵さま、ケイイチ様を待っているのですわ。


ガルト
「どうしたマリン」

マリン
「お、お父様!?お帰りなさいませ」


私が机に顔を付けているとお父様がお仕事から帰ってきてくれました。

お父様はケイイチ様から聞いた製法で今、油や果実を絞り今までより遥かに多く取れるようになった商品の開発をしていてとても忙しいのですわ。


ガルト
「あまり元気がないようだがどうしたのだ?」

マリン
「お父様あのお方はいつ来ていただけますか?」

ガルト
「ああケイイチ殿か、彼は明後日来てくれると連絡があったぞ」


わたくしはそれを聞いて嬉しくなりました。


ガルト
「ははは嬉しそうだなマリン」

マリン
「それはそうですわ、あんな素敵な方はいませんもの、わたくしがもう少し大人だったらお嫁に行きたいくらいですわ」


ケイイチ様とはほんのわずかな時間しか一緒にいませんでしたが凄く優しい方でした、お話も楽しかったですしとても刺激的でしたわ。

わたくしみたいな子供では釣り合いませんからお嫁にしてくださいとは言えません、でもお父様はきっとわたくしにケイイチ様の嫁にと計画を立てていると思うのですわ。

でなければケイイチ様が初めてここに訪れた時わたくしを案内役にはしませんわよ、ほとんどメイドのラルルが案内していましたけどね。

わ、わたくしもちゃんと山菜とか果物の話をしましたわよ、その時のケイイチ様の顔がとても嬉しそうで素敵でしたわ。


ガルト
「ふむそうか・・・丁度いいな、マリン話がある私の部屋に来なさい」


わたくしはお父様の部屋に行くと、ある手紙を貰いました。


マリン
「王都の学校ですか?」

ガルト
「そうだ、今行っている生産が成功すれば確実に資金が出来る、そこでお前を王都の学校に通わせようと思うのだ」


王都!行って見たいですわ、でも相当に資金がかかると思うのですが平気なのでしょうか?家のような弱小領地ではとても払える額ではないですわ。


ガルト
「お前の心配も分かるがすでにケイイチ殿と話をして更なる生産の計画も進んでいるのだ、それが始まれば資金は十分に出来る」

マリン
「そうなのですか!?」

ガルト
「ああ、彼はすごいなどんどん次なる物を引き出してくれる、出来ればそなたにはケイイチ殿を婿にしてほしい所だが」


それは無理ですわ、貴族としても格が違いますし。


マリン
「わたくしはまだ8歳です、とても釣り合いませんわお父様」

ガルト
「まあそうだな、いや先走ったことを言った、話は以上だ考えておいてくれ」

マリン
「分かりましたわ」


わたくしは手紙を持って自室に入り飛んで喜びました。


マリン
「ラルルやったわ、王都よ王都!?」

ラルル
「おめでとうございますマリンさま」


わたくしはその日興奮してなかなか寝付けませんでした。


そして次の日の昼食後に予定していた山菜取りにラルルと山に向かいましたわ。



ラルル
「マリン様あまり奥に入るとモンスターに会います、戻りましょう」

マリン
「平気よラルル、この前はもっと奥に行ったもの、それにもう少し先に行かないとあのお方の好きな山菜は生えてないわ」


そう、ケイイチ様が美味しいと言ってくれた山菜はもう少し先に生えています、他のも嬉しそうに食べていましたがあれを食べた時の顔は更に嬉しそうだったのよ、あの笑顔をわたくしはまたみたいの。


マリン
「あったわ!さぁラルル取りましょ」

ラルル
「はいマリン様」


わたくしたちは時間を忘れしばらく山菜を取っていました。


マリン
「これだけ取ればいいかしら、もう日が沈みますね」

ラルル
「さぁそろそろ帰りましょうマリン様」

マリン
「ええそう、ね?」


わたくしはラルルの方を向くと遠くに大きな黒い影が見えました。


マリン
「ラルル伏せて!?」

ラルル
「は、はい」


わたくしとラルルはその場に伏せて身を潜めました、幸い向こうはまだ気づいていないみたいですわ。


ラルル
「あれは・・・ブラックグリズリー」

マリン
「も、モンスターですか?」

ラルル
「はい、普通の大きさのものはBランクとされていますが、普通のものより大きいです、恐らくAランクになるかと思います、マリン様絶対に動かないでください」


わたくしは頷きましたが体が震えてきました。

直ぐにラルルが抱きしめてくれましたがラルルも震えています、わたくしのせいです、わたくしが森の奥まで行きたいだなんて言ったから。


ラルル
「へ、平気ですよマリン様、きっと気付かないで行ってしまいます」

ブラックグリズリーA
「グルルゥー」


わたくしはその言葉に震えながら頷きましたがあのモンスターが段々近づいてきています。


ラルル
「マリン様私が合図したら屋敷の方に走ってください、私が時間を稼ぎます」

マリン
「で、でもそれではラルルが」

ラルル
「私は平気です、時間を稼ぐくらいの事は出来ます、これでもレベルは高いんですよ」


そう微笑みながら言ってくれました、でも手は震えています。


ラルル
「行きますよ『ファイヤーウォール』今ですマリン様」


わたくしはラルルの声に反応して屋敷の方を向くと黒い影が正面に居ました。


マリン
「そ、そんな!?」


ブラックグリズリーはもう一体いたのです、わたくしたちは最初に発見したものに気を取られて気づけませんでした。


ブラックグリズリーB
「グルルゥァァー」


正面のモンスターが走ってきています、ですがわたくしは怖くて動けませんでした。


ラルル
「マリン様『金剛甲冑』」

ブラックグリズリーB
「グガァァー」

ラルル
「ぐっきゃあぁー」


ラルルがモンスターの突進をまともに受けて飛ばされてしまいました。


マリン
「ラルル!?」


倒れたラルルの方を見ると立ち上がろうとして直ぐに倒れてしまいました、生きてはいるのですね良かったわ。


ブラックグリズリーB
「グルルゥー」

マリン
「あ!」


わたくしが正面を向くとモンスターが大きな手を上に上げるところでしたわ。

わたくしは足の力が抜けその場で座り込んでしまいました、あぁわたくしはここで死ぬんですのね。


マリン
「せめてもう一度あのお方に会いたかったなぁ」


そう呟きながら目を瞑りモンスターの手が振り降ろされるのを待っていると一向に痛みが来ません。


マリン
「あれ?」


わたくしは恐る恐る片方の目を開けるとモンスターが倒れていました、遠くのもう一体もです、そしてラルルの倒れているところにしゃがんでいる人がいました。


???
「ポーションは飲めそうにないね待ってて『ヒール』」
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