異世界でDP稼いでたら女神って呼ばれちゃった

まったりー

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5章戦

閑話 テミルの故郷2

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僕は父さんをベッドに寝かせ、母さんたちのところに戻りました。


「お父さんどうしたのかな?」


「その内目を覚ますわよミルア、その時聞きましょ、それよりテミル、あの人たちは信用できるの?」


お茶を入れながら母さんが聞いてきた、まあ父さんが倒れたからね、きっと何か飛んでもないものを見たんだよ、だから心配してるんだね。


「それは大丈夫だよ、とても頼りになるし、僕がシルバーの試験に合格するくらい強くなったのも、みんながいたからなんだ」


バンヨウの訓練の内容は言わないよ、護衛の時リサさんたちの目を見た時から決めているんだ、だれにも言わないと、あんな目をされたらとても言えないよ。


「そうなのね・・・でも良かったわあなたが無事で、近頃向こうは物騒じゃない」


戦争の事だね、でもエントロス国は参加してるけど、強制じゃないしいつもと変わらない状況だよ。


「それほどじゃないよ母さん、街は平和だよ」


「そうなの?聞いた話じゃ、女神さまが制裁を下したんだ、とか聞いたんだけどそれならいいわ」


確かに僕もそれは聞いてる、女神さまが僕たちの国を守ってるって話だね、理由は分かんないけど。

その噂のせいで、周囲の国の街や村から人は集まってるんだよね、ほんとなんでなんだろ。


「それでどっちが本命なのテミル、小さいけど将来美人になるわよあの二人」


「ぶふぉっ!?」


僕は飲んでいたお茶を盛大に噴き出しました、正面に座っていたミルアにです。


「お兄ちゃん、汚い」


「ご、ごめんミルア!母さん二人はそんなんじゃないから、PTの仲間なの!」


「あら、そうかしら?あなたの目はそうは言ってなかったと思うけど」


「う、そ、それは」


鋭いよ母さん!少ししかいなかったのにどうしてわかるかな。


「あまり奥手だと後悔するわよテミル」


「そう言われてもなぁ」


「何か作戦はないの?」


母さんがグイグイ来ます、作戦と言われてもなぁ。


「そんなのないって、大体二人は僕よりも全然強いんだ、そんな子に告白なんて出来ないよ」


そうだよ、二人はホントに強いんだ、ポチーノもね。


「あら!じゃあ強くなったらするつもりなのね、期待してるわ」


「う、まあ・・・頑張ります」


それは僕の中では決定してるよ、いつか超えて見せるさ、いつになるか分からないけどね。


「あはははっう!ごほっごほごほ」


「お母さん⁉︎」


急にせき込んだからミルアが支えに行った、僕もすぐに近くに行って支えてあげたよ。


「母さん!大丈夫」


支えたら見えたんだ、手に血が付いていた。


「平気よ2人とも」


平気には見えない、急に顔色が悪くなったようにすら見える、いままで無理してたんだきっと。


「母さんもしかして、無理してない」


「あら、気づかれちゃったかしら?」


辛そうな顔をして母さんが言ってきた、やっぱりだ。


「ほんとの事言ってよ母さん、じゃないと僕は安心して出れないよ」


僕がそう言ったら、渋々って感じで母さんが話てくれた。


「分かったわ・・・悪化してないって言うのは嘘なの、段々悪くなってるわ、でも薬じゃ治らないからお医者さまには黙って貰ってたのよ」


「お、お母さん」


ミリアが母さんに抱きついて目を潤ませている、やっぱりだった・・・どうしたらいい、僕はどうすれば。


ガタン!ドタドタドタ!

そう考えていたら父さんを寝かせた部屋から大きな音がして、父さんが部屋に走ってきた。


「テミル!!あの人たちはどういった方なんだ!」


「え!?ど、どうしたの父さん」


僕の肩を掴んですごい形相で言ってきている、ほんとどうしたのさ父さん。


「お、お前知らんのか!知らないであれを貰ったのか」


「そ、そうだよ、ある人から貰ったって言ってくれたんだ」


そんなにすごい薬なのあれ?


「どうしたのあなた、そんなに慌てて」


「お父さん落ち着いて」


みんなも心配しているよ、取り敢えず父さんを椅子に座らせて、お茶を進めました。


「みんな落ち着いて聞いてくれ、この薬はなエリクサーだ!」


「「え!?」」


「えりくさー?」


ミルアは解らないようでした、首を捻っているよ。


「ま、まさかそんな」


エリクサーって言ったら上級薬の上の特級よりも上なんだよ。

特級はお城でいくつか保管してるって聞くけど、エルクサーは聞いたことない、そんなすごい物をくれたのバンヨウ!


「あなたそれは間違いないの?」


「ああ間違いない、鑑定を掛けてそう書いてあった、試しにミリーカ飲んでみろ、病気が全快するぞ」


真剣な顔をして言ってきました、これは父さん知ってたね、母さんの病気の事。


「あなた」


「一緒にいて何年になると思ってるんだ、お前の体調なんてすぐにわかる」


父さんにそう言われて顔を赤くしてるよ、こんな仲に僕もバンヨウとなれるかな。


「で、でもこんな高価な物」


僕が違う事を考えていたら母さんが僕を見てきた、でも平気だよ、バンヨウは全部わかっていてエリクサーを渡してくれたんだ、請求なんてしてこない、絶対にね。


「母さん大丈夫だよ、さあ飲んで」


「お母さん」


「ええ、わかったわ」


母さんが瓶を開け、中身を全部飲むと体が白く光だしました、しばらくして光が消えたから僕は聞いてみたんだ。


「ど、どう母さん体調は」


「ええ苦しくないわ、全然苦しくない、うぅ~」


母さんが泣き出しちゃったよ、やっぱりつらかったんだね。


「ミリーカ」


「お母さん」


みんなが母さんに抱き付いて泣き出してしまった、良かったほんとに良かった。

気付くと僕の目からも涙が流れていたよ。




「おはよう、父さん母さんミルア」


「「「おはよう」」」


僕たちはあの後少しして休み、病気の事は僕が遠くの街で薬を買ってきたことにしたんだ。

もしバンヨウたちがエリクサーを持っていることが流れてしまうと、大変なことになるからね。


「おはようテミル、さあ行きましょう」


「おそいのですテミル」


「おはようワン」


家の扉を開けると、みんなが家の外で待っていました・・・少し遠いよみんな、家の中に入らないようにだね。


「おはようみんな」


それときっとお礼を言われるのが分かっているからだね、べつに照れなくてもいいと思うんだけど。


「じゃあ父さん母さん行ってきます」


「ああ、気を付けてなテミル」


「手紙も書いてね、お金だけじゃなくて」


父さんと母さんに別れを告げていると、ミルアがバンヨウたちの方に走って行きました、きっと昨日のお礼を言っているんだね。


「次に来る時はどっちかをね、両方でも母さん許すわ」


「じゃ、じゃあ行ってきます」


母さんにそう言われ、僕は急いでバンヨウたちの所に向かい、途中ミルアにも挨拶しました。


「お待たせみんな」


「さ、さあ出発しましょう」


バンヨウが何故だか顔を赤くしています、きっとミルアにお礼を言われて照れているのかな、こういった顔は可愛いんだけど、訓練がなぁ。

そう思いながら僕は村を出ました。




「ミルア、ちゃんとお礼を言ったの?」


「うん言ったよお母さん」


「そう、あっちもちゃんと伝えてくれた?」


「もちろん、羽の生えたお姉ちゃん、赤くなってたよ」


「そう、これは脈ありかしら?次に来る時が楽しみだわ」


僕はその時知りませんでした、ミルアがみんなに言った事が何なのかを、バンヨウが顔を赤くしていた理由を。
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