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10章動き出す者たち
203話 あっちのPTの教育
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「プレイニーもう少し氷の結晶を凝縮するイメージだ」
「は、はいダブルガンムさん」
俺たちは今街から離れた場所で野営中だ、いつもこの時間はプレイニーに魔法指導をしているんだ。
「なぁなぁあたしにも指導をしてくれよぉ~ダブルガンム~」
二人のアイアンランク試験で南にある鉱山のゴーレム討伐をする為に向かっているんだが、またいつものが始まろうとしている。
「そう言うがなイリル、お前は俺の指導なんかいらんだろ、今はプレイニーが先だ」
今の話で分かると思うが、試験場所に向かいながらプレイニーの指導もしているんだが、まだ魔力操作のスキルを覚えていないんだ。
やっと知識の勉強が終わり、魔力を使った指導に入ったんだ、これなら遠出をしても訓練が出来る、そう思って試験を受けたが。
「そんなこと言わないでさぁ~あたしに手取り足取り教えてくれよぉプレイニーみたいにさ~」
そう言って俺にくっ付いてきた、いつもこうなんだ、年頃の女性がすることじゃないだろ。
「い、イリルさん!私の邪魔しないでください、今良い所なんです」
プレイニーが集中していたので話に入ってこなかったが、さすがに気になりだしたようだ、プレイニーの教育が進んでいないのはこのせいでもある。
「プレイニーはいいよなぁ、あたしと交代してくれよ」
「な、何ですかそれは!?私は真剣なんです、早くみんなに追いつきたいんですぅ!」
2人が言い争いを始めてしまった、これで時間を潰してしまうんだ、だが今回は違うぞ、マコッチ様に良い練習方法を聞いてきたんだ、もちろんイリルの方だぞ。
「言い争いはそこまでにしてくれ二人とも」
「「でも」」
「でもじゃない、プレイニーの訓練がいつまで経っても出来ないだろ」
俺がそう言ったらプレイニーが笑顔になったよ、味方をしてくれたと思ってるんだな、まあその通りなんだがな。
「んだよ!あたしだけのけものかよ」
「そういうなって、イリルにも良い訓練方法があるぞ、ほら」
俺は木の棒を渡した、片手剣くらいの長さだな。
「これをどうするんだ?素振りか?」
「いや、この鉄の剣をその棒で切るんだ」
「・・・は?」
分かりませんって顔している、まあ普通の反応だな。
「いやいやダブルガンムそんな事出来ないだろ、あたしが嫌いだからってそれは無いだろ」
何故か少し弄けだした、これはちゃんとした訓練なんだがな。
「俺は本気だぞ、イリルは基本が出来てないんだよ、だから超級のスキルを使いこなせてない、それは分かるか?」
「まあなぁ、親父にも言われたことがある、でもこれはさすがに」
どうしても信じて貰えないから、木の棒をイリルから受け取り俺が手本を見せた、鉄の剣の刀身が半分に切れたぞ。
「こんな感じだ、どうだ?」
「あ、ああ、ありえねぇー!?どうしてそんな事が出来るんだ、振った時棒が消えたぞ、それに振る前魔力だって纏わせてなかった、闘気だって見えなかったぞ」
すごい見ていたんだな、たった一振りでそこまで分かったか。
「高速で剣を振ったんだ、それだけで鉄の剣を切ったのさ」
「し、信じられねぇ」
「まあやってみろって、これができるようになったらあの武技が完成するぞ」
イリルの超級のスキルは闘気を使う、だがそれだけではまだ不完全だ、身体能力と剣速が足りていない。
ちなみにガランネさんはそこを限界突破でカバーしていた、今は出来るかもしれないけどね、あの人はラクロナイト兄さんとずっと模擬戦をしてるからな。
「ほんとかよ、嘘だったら怒るぞ」
「嘘ついてどうするんだよ、成功したら俺が相手をするから試すといい」
そう言ったらすごく良い笑顔をしだした。
「ほんとかやったぜ!約束だからな」
「ああいいぞ、じゃあ頑張れ」
そう言ってマジックバッグを渡した、これには木の棒が沢山入ってるんだ。
「これはなんだ?」
「それに木の棒が入ってるんだ、剣を切るまでどんどん棒の方が短くなるだろ、替えの物だ」
驚いた後納得したのか鉄の剣に向かって振り始めたよ。
「やれやれ、じゃあプレイニーってなんだよその顔は」
「別に、ダブルガンムさんは優しいなぁって」
俺がプレイニーの方を向いたら睨んでいるとは別な顔をしていた、マコッチ様が言っていたジト目がこれなのか?
「優しいって言われても、あれは訓練だぞ?」
「その後ですよ、その後」
武技を試すってあれか?どうやらプレイニーは羨ましいらしい、俺の横で静かに寝ていたグリューナクが小声で教えてくれた、まだ二人は俺が耳の良い事を知らないんだ。
別に秘密にしているわけじゃないぞ、言わないだけだ。
「じゃあ・・・プレイニーも全属性がステータスに載ったら何かお願いを聞くぞ、なにかないか?」
「ふぇ!?そそそ、それは・・・考えておきます」
赤くなって考え込んでしまった、そこまで考える事か?
「さぁさぁ訓練だぞ、集中しろプレイニー」
俺がそう言ったのだが、ブツブツ何かを言っていて聞いていない、せっかくイリルを遠ざけたのにこれじゃ先に進めないな。
まぁしばらくしたら落ち着くだろう、先は長そうです、マコッチ様。
「は、はいダブルガンムさん」
俺たちは今街から離れた場所で野営中だ、いつもこの時間はプレイニーに魔法指導をしているんだ。
「なぁなぁあたしにも指導をしてくれよぉ~ダブルガンム~」
二人のアイアンランク試験で南にある鉱山のゴーレム討伐をする為に向かっているんだが、またいつものが始まろうとしている。
「そう言うがなイリル、お前は俺の指導なんかいらんだろ、今はプレイニーが先だ」
今の話で分かると思うが、試験場所に向かいながらプレイニーの指導もしているんだが、まだ魔力操作のスキルを覚えていないんだ。
やっと知識の勉強が終わり、魔力を使った指導に入ったんだ、これなら遠出をしても訓練が出来る、そう思って試験を受けたが。
「そんなこと言わないでさぁ~あたしに手取り足取り教えてくれよぉプレイニーみたいにさ~」
そう言って俺にくっ付いてきた、いつもこうなんだ、年頃の女性がすることじゃないだろ。
「い、イリルさん!私の邪魔しないでください、今良い所なんです」
プレイニーが集中していたので話に入ってこなかったが、さすがに気になりだしたようだ、プレイニーの教育が進んでいないのはこのせいでもある。
「プレイニーはいいよなぁ、あたしと交代してくれよ」
「な、何ですかそれは!?私は真剣なんです、早くみんなに追いつきたいんですぅ!」
2人が言い争いを始めてしまった、これで時間を潰してしまうんだ、だが今回は違うぞ、マコッチ様に良い練習方法を聞いてきたんだ、もちろんイリルの方だぞ。
「言い争いはそこまでにしてくれ二人とも」
「「でも」」
「でもじゃない、プレイニーの訓練がいつまで経っても出来ないだろ」
俺がそう言ったらプレイニーが笑顔になったよ、味方をしてくれたと思ってるんだな、まあその通りなんだがな。
「んだよ!あたしだけのけものかよ」
「そういうなって、イリルにも良い訓練方法があるぞ、ほら」
俺は木の棒を渡した、片手剣くらいの長さだな。
「これをどうするんだ?素振りか?」
「いや、この鉄の剣をその棒で切るんだ」
「・・・は?」
分かりませんって顔している、まあ普通の反応だな。
「いやいやダブルガンムそんな事出来ないだろ、あたしが嫌いだからってそれは無いだろ」
何故か少し弄けだした、これはちゃんとした訓練なんだがな。
「俺は本気だぞ、イリルは基本が出来てないんだよ、だから超級のスキルを使いこなせてない、それは分かるか?」
「まあなぁ、親父にも言われたことがある、でもこれはさすがに」
どうしても信じて貰えないから、木の棒をイリルから受け取り俺が手本を見せた、鉄の剣の刀身が半分に切れたぞ。
「こんな感じだ、どうだ?」
「あ、ああ、ありえねぇー!?どうしてそんな事が出来るんだ、振った時棒が消えたぞ、それに振る前魔力だって纏わせてなかった、闘気だって見えなかったぞ」
すごい見ていたんだな、たった一振りでそこまで分かったか。
「高速で剣を振ったんだ、それだけで鉄の剣を切ったのさ」
「し、信じられねぇ」
「まあやってみろって、これができるようになったらあの武技が完成するぞ」
イリルの超級のスキルは闘気を使う、だがそれだけではまだ不完全だ、身体能力と剣速が足りていない。
ちなみにガランネさんはそこを限界突破でカバーしていた、今は出来るかもしれないけどね、あの人はラクロナイト兄さんとずっと模擬戦をしてるからな。
「ほんとかよ、嘘だったら怒るぞ」
「嘘ついてどうするんだよ、成功したら俺が相手をするから試すといい」
そう言ったらすごく良い笑顔をしだした。
「ほんとかやったぜ!約束だからな」
「ああいいぞ、じゃあ頑張れ」
そう言ってマジックバッグを渡した、これには木の棒が沢山入ってるんだ。
「これはなんだ?」
「それに木の棒が入ってるんだ、剣を切るまでどんどん棒の方が短くなるだろ、替えの物だ」
驚いた後納得したのか鉄の剣に向かって振り始めたよ。
「やれやれ、じゃあプレイニーってなんだよその顔は」
「別に、ダブルガンムさんは優しいなぁって」
俺がプレイニーの方を向いたら睨んでいるとは別な顔をしていた、マコッチ様が言っていたジト目がこれなのか?
「優しいって言われても、あれは訓練だぞ?」
「その後ですよ、その後」
武技を試すってあれか?どうやらプレイニーは羨ましいらしい、俺の横で静かに寝ていたグリューナクが小声で教えてくれた、まだ二人は俺が耳の良い事を知らないんだ。
別に秘密にしているわけじゃないぞ、言わないだけだ。
「じゃあ・・・プレイニーも全属性がステータスに載ったら何かお願いを聞くぞ、なにかないか?」
「ふぇ!?そそそ、それは・・・考えておきます」
赤くなって考え込んでしまった、そこまで考える事か?
「さぁさぁ訓練だぞ、集中しろプレイニー」
俺がそう言ったのだが、ブツブツ何かを言っていて聞いていない、せっかくイリルを遠ざけたのにこれじゃ先に進めないな。
まぁしばらくしたら落ち着くだろう、先は長そうです、マコッチ様。
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