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2話 卒業と出会い 21歳〜
しおりを挟む運命の出会い…私達が大学を卒業した日。
ーーーーーーーーーー
式も終わって、みんな記念写真を撮ったり遊びに行く打ち合わせをしたり…
それぞれが楽しく盛り上がっていた
高校の卒業式に比べると、泣いてる人は少ない
『袴、着替えたいから1回解散だね』
私が言うと…
『どっちにしてもさ、これ着ていたら弾けれないよね!』
『カラオケでポテト頼んでもケチャップNGだ!』
『お前さんはピンクと茶色い袴だから大丈夫だろ?』
『カピカピになるからダメだ!まして上のピンクに付いたら、鼻血垂らしたみたいなアホ丸出しじゃ…』
『きゃははは!カピカピ鼻血マン!!髪も赤いから良いグラデーションだ!』
友達の凛子(りんこ)と紬季(つむぎ)が交互にふざけて話し出した
私達は高校の時から一緒。
わざわざ3人で同じ大学を受験して合格した
いわゆる、親友。
『すみません、雨乃さん!』
後ろから名前を呼ばれて、3人で振り向いた
『はい…?』
『おお…これは上玉のナンパですな』
凛子が人差し指を立ててニヤッと笑った
そこにはスーツ姿の3人組男子が立っていた
スーツ着てるから同じ卒業生?
でも話した事のない人達…
どうして私の名前知ってるのかな
どこかの講義が一緒だった?
『あの、雨乃恋町さん…』
真ん中に立っている人が、左右の2人に押し出される様に少し前へ来た
フルネーム!?
どうしよう…私は全然記憶にないぞ
なにか失礼な事したのかな…
『はい私が雨乃ですが…』
私も少し前に出て答えた
『こ、これどうぞ…卒業おめでとうございます、あ、俺も卒業生ですけど…』
その人は小さな花束を差し出した
花束はピンクと紫、白の花で可愛く作られた小さいもの。
私の目を惹いたのは、その中にあった蝶々の羽みたいな花…
『あ、ありがとうございます…と、おめでとうございます』
『はい…ありがとうございます』
なんだか緊張してる?
『この蝶々みたいな花、可愛いですね』
私は花を指差して言った
『俺…僕もそう思います。受け取ってもらえますか?』
『私に?』
『はい!雨乃さんを思って選びました!』
私を思って?
その言葉と笑顔にキュッとした…
『あ、ありがとう…ございます…』
こんな事はじめてで、何だかドキドキした…
でも彼はドキドキしてる私に容赦なく…
『俺…あ、いや…僕!花川翔太って言います…雨乃さん、お友達になって下さい!!』
頭を深々と下げて彼は言った
そんな何かのイベントみたいな場面。
まわりに人も集まってきた…
『え?あ…え?は、はいわかりました!』
雰囲気にのまれたのか…勢いに負けたのか…
元気に答えてしまった
『え…や、やった!!』
後ろにいた自分の友達にガッツポーズを見せてから、私の方を見て
『ありがとう!これから末永くよろしくお願いします!』
満面な笑顔で言った…
この笑顔で一目惚れ確定した私…
まわりの人達から、歓声の様な悲鳴の様な物も聞こえて…拍手までされた
恥ずかしくて顔を上げれず…下を向いたまま
『よ…よろしく』
ボソボソと答えた
ずっと花束だけ見ていた…
『「付き合って下さい」じゃなくて「友達になって下さい」って新鮮~』
紬季が拍手しながら言った
『花束ってのも王子っぽいよね』
凛子はニヤニヤして言った
私はとにかくドキドキが止まらなかった…
『あの…俺達、この後カラオケ行くんだけど一緒にどう?』
3人の中で1番カッコいい人が言った
『お?我々も便乗友達ですか?』
凛子が腕組みをしながら答えた
『便乗~っ きゃははは』
紬季がくるくる回りながら言った
『可愛い…』
その紬季を見て、眼鏡をかけた茶髪の男子が呟いたのを私は聞いた
『でも私達、1回帰って着替えて来るからなぁ…』
凛子が言うとイケてるメンズ、イケメン君が
『じゃあ俺達、新宿で時間潰してるよ。メール教えてくれる?』
ガラケーを出して凛子に向けた
さすがイケメン君
慣れてる感じ…
『うん、いいよ。私は凛子』
凛子もリュックから携帯電話を出した
『ありがとう。俺、ハリス…ハリス・飛雄馬(ひゅうま)』
『ハリス?』
『ん…父さんがアメリカ人なんだ』
ああ ハーフなんだ?
だからイケメンなんだなぁ…
『へぇ ハーフなんだ、知らなかったな…カッコいいね!』
凛子は携帯電話の赤外線通信でメール交換しながら飛雄馬の顔を見詰めていた
『全然…格好良くないよ』
少し恥ずかしそうに凛子から目を逸らしながらメールの確認をする飛雄馬…
意外とシャイだ
『ハーフ?ニューハーフ!ニューハーフ!!』
『違うわい!!』
おバカな事を言った紬季には、間髪入れず突っ込みした飛雄馬
『俺もハーフやで』
眼鏡男子が紬季に言った
『お主もニューハーフ?』
紬季が眼鏡男子の顔をじーっと見ながら聞いた
『ハーフ!大坂と東京のハーフや!』
『きゃははは!バリバリ日本人やんけっ』
紬季が笑いながら言った
『やっぱ君、可愛いわ 名前何て言うん?俺は翼や』
『紬季言いまんねんっ!』
わざと鼻の穴を広げて紬季が答えたので、みんな吹き出して笑った
とりあえず変な形の自己紹介が終わって、解散の流れに…
解散する別れ際、翔太が
『すみません…急にこんな展開になって』
頭をかきながら私に言った
『大丈夫ですよ 私達もカラオケ行く予定だったので』
『そうでしたか、良かった。あと、あの…』
翔太は何か言いたそうにモジモジしている…
何か言い辛い事でもあるのかな…
『あっ!お花、ありがとうございます。お友達の証しなので…そうだなぁ 紙折りでも作りますね!それではまた後で』
何を言いたかったのかわからないけど、花束を貰ったのは嬉しかったのでお礼を言って翔太達から離れた
凛子と紬季の所へ駆け寄り
『ごめんね、早く着替えて来ないとね』
『うむ…それより恋町さんよ、花川君は多分メール交換したかったと思うぞ?』
凛子に言われて、ハッとした
わっ!私の鈍感!!
振り向くと、翔太は飛雄馬と翼に頭を撫でられていた
既に3人は駅に向かって歩き始めている
今更、走って行くのも恥ずかしい…
『後で…』
また凛子の方を見て言った
『そうね。花川君、恋町Loveって感じだし』
凛子が相変わらずニヤニヤしながら言った
『まさかまさか…お友達って言ってたもの』
花束を潰さない様にキュッとした
『でもでも!あのペガサス王子達と卒業式で友達になれるなんて奇跡だね』
紬季がぴょんぴょん跳ねながら言った
ペガサス王子?
『本当だわ。恋町、お主のお陰じゃ!その美貌に褒美を取らすぞ』
『褒美褒美!』
凛子と紬季が盛り上がっているが…
『ペガサス王子て?2人とも知り合いだったの?』
私が尋ねると…
『待て待て恋町、知らないってか!?嘘だろ…』
『あなたはどこの大学に通っておられた?最早、原始人だ』
思ったより2人に退かれた
『君達と同じ大学ですが…』
知らないものは知らない
『ペガサス王子って飛雄馬、翼、翔太のイケメン3人組。「飛ぶ馬、その美しい翼で翔べ!」って去年の学祭で演劇やったじゃん?』
『うん…演劇サークルが演ったギリシャ神話みたいなやつですな…』
なんか他の大学の人達も観に来てて、盛り上がったから覚えてる
『あの3人が主人公だったの覚えていない?3人の名前から付けた劇名も騒がれたし、何よりも個性が違う3人のイケメンが主役を演って騒がれた!東京の女子大生の中で密かに噂になっている…凄い3人なのだよ!』
『わいも下の名前しか知らんかったし、3人を近くで見た事なかったがの…翼の顔見てるうちに気付いたわ』
『興奮を隠すのも苦労したし、恋町が刺されないか心配だったよ』
『だよね、ペガサス翔太に花束貰ったからね』
『みんな大人で良かったわ…』
そうなんだ?
そんなに有名なんだ?
凛子と紬季の会話を聞いて、少し怖くなった…
知らなかったとはいえ…本当刺されなくて良かった
『だから凄いよ恋町!花川翔太は頭も良いし、逃すなよ!』
凛子が私の肩を叩いて言った
『ま、まだ会ったばかりなのに…』
一目惚れしたなんて、今は言えないなぁ
『そして恋町!友達繋がりで残りの2人を我等に貢ぎ給え!』
紬季が私の腕を組んで言った
『貢ぎ?何を言ってるの紬季…クスクス』
私が笑いながら答えると
『ん…間違えたか?貢ぎ、紬季の紡?繋ぎの貢…』
混乱する紬季
『ま!これから我々が楽しくなるのは間違いない!!』
凛子が私の肩を組んで言った
『所で関係ないけど、袴姿なのにリュックを背負ってる我等は滑稽だと思わないか?』
急な紬季の意見に私と凛子も頷いた
『じゃあさ、家帰る前にこの姿をプリクラ撮ってから解散しよ!』
『「賛成!!」』
私達は近くに見えたゲームセンターに寄ってプリクラを撮ってから、それぞれ家に向かった
最高に楽しかった卒業式の帰り道…
翔太と出会った最高の日
ーーーーーーーーーー
『トキ… この時私は運命に感謝したんだよ。』
ベランダ近くに置いてある一人掛けソファに座り、トキを膝に置いて話を続けた
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