婚約破棄、爵位剥奪、国外追放されましたのでちょっと仕返しします

あおい

文字の大きさ
23 / 26

21話 フィエール王国サイド④

しおりを挟む
カルセイン(まずい、まずい、まずい!!)

カルセインがいるのはアクスウォルーズ帝国の国境付近。現在カルセインはひたすら馬を走らせている。身体中から尋常ではないほどの汗が流れている。

~2時間ほど前~

王の部屋にはベッドに横になっている王とその周りに王妃と医者、第1王子のアレン、第1王女のカトレア、少し離れたところにカルセインと婚約者のミオがいる。

医者「恐らくですが、ただの過労ですな。しかし前から倒れたせいで額が膨れ上がっておりますな。これは『たんこぶ』と呼ばれるものでしょう。あと、鼻から血が出ております。『鼻血』ですな。え~と、確か『たんこぶ』は冷やせばすぐに治ると思います。しかし、現在人の治癒力が低下していっており、治らない可能性もあります。それから『鼻血』は……」

カルセイン「き、貴様、医者だろうが!説明はいい!!さっきから聞いていれば『恐らく』ばかりいいおって!!いいから早く父上を目覚めさせろ!!」

アレン「黙れ。」

カルセイン「い、いだだだだぁ!!!」

ズカズカとカルセインが医者の胸ぐらを掴んで叫び出した所でアレンがカルセインの腕を掴み思いっきり反対方向へと曲げた。そしてとても冷めた目でカルセインを見下ろしている。

カルセイン「あ、義兄上、何をするのです!」

アレン「元を正せばお前が悪いのだろう!クインやエイリンセル家をこの国から出さなければこんなことにはならなかった!!」

カルセイン「し、しかし、こいつは医者のくせに、」

アレン「元々このような怪我はすぐに治ったのだ。だからこの国の医者にあるのは知識のみで薬等を調合することはできても実際に治療を行ったことはほとんどないんだよ。」

カトレア「ええ、ですから困りましたね。お医者様もこのような症状を見ることははじめてでしょうし、今まで勝手に治っていたものが治りにくくなっているのですから。」

医者「申し訳ありません。」

王妃「あなたが謝る必要はありません。経験がないのですから。しかし、今後のことを考えると異国へと医学の勉強をしに行った方が良さそうですね。」

アレン「カトレアは義母上と一緒に父上についていてくれ。」

カトレア「お義兄様はどちらに?」

アレン「ああ、ちょっとね。カルセインとミオは一緒に来てくれ。」

カルセイン、ミオ「はい。」

そう言って3人は部屋から出て行く。

カルセイン「あ、あの、義兄上、一体どこに向かっているのですか?」

カルセインの質問には答えずアレンは無言で歩く。そして着いたのは城から少し離れた海のすぐ近くにある塔だった。

カルセイン「こ、ここは…」

ミオ「あ…、」

アレン「馬鹿なお前でも知っていたか。そう、ここは罪人を閉じ込めておくための塔だ。」

カルセイン「そ、そんな…。待ってください!」

ミオ「そ、そうですよ、そこまでしなくても……」

アレン「勘違いするな、別にお前たち2人をこの塔に閉じ込めるとは言っていない。」

カルセイン「な、なんだ~。義兄上も人が悪いな、、」

ミオ「ほ、本当ですね!こんな所に連れてこられたのでびっくりしました!!」

アレン「ああ、お前達にはクイン達を探しに行ってもらう。連れてこられなかった場合この塔に入り、一生を過ごしてもらう。」

ミオ「そ、そんな…」

アレン「ただし、2人で行けば逃げる可能性があるため行くのは1人だ。カルセイン、お前が行け。」

カルセイン「わ、分かりました。」

アレン「ミオ、お前はしばらく城で働いてもらう。カルセインが説得しに行くのにお前は自由に過ごすのもおかしな話だからな。」

ミオ「わ、わかりました。」

アレン「ちなみに逃げれば殺す。馬は勝手に使え。さっさと行け!」

カルセイン「は、はい!」

カルセインはその場から逃げ出すように馬小屋へと行った。

~現在~

カルセイン(くそう、説得ったってどうすれば…。)

ヒヒーン!

カルセイン「うわっ!」

考え事をしていると馬が急に暴れだし、カルセインを振り落とした。

カルセイン「あ、ま、まて!!」

馬は勝手に走り出し、カルセインは置き去りにされた。アクスウォルーズ帝国の帝都まではまだまだ先だ。

カルセイン「くそっ!」

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

幼馴染に「つまらない」と捨てられた俺、実は学校一のクール美少女(正体は超人気覆面配信者)の「生活管理係」でした。

月下花音
恋愛
「つまらない」と幼馴染に振られた主人公・相沢湊。しかし彼には、学校一のクール美少女・天道玲奈の「生活管理係」という秘密の顔があった。生活能力ゼロの彼女を世話するうち、二人は抜け出せない共依存関係へ……。元カノが後悔してももう遅い、逆転ラブコメディ。

婚約破棄されたので、辺境で「魔力回復カフェ」はじめます〜冷徹な辺境伯様ともふもふ聖獣が、私の絶品ご飯に夢中なようです〜

咲月ねむと
恋愛
「君との婚約を破棄する!」 料理好きの日本人だった前世の記憶を持つ公爵令嬢レティシアは、ある日、王太子から婚約破棄を言い渡される。 身に覚えのない罪を着せられ、辺境のボロ別荘へ追放……と思いきや、レティシアは内心ガッツポーズ! 「これで堅苦しい妃教育から解放される! 今日から料理三昧よ!」 彼女は念願だったカフェ『陽だまり亭』をオープン。 前世のレシピと、本人無自覚の『魔力回復スパイス』たっぷりの手料理は、疲れた冒険者や町の人々を瞬く間に虜にしていく。 そんな店に現れたのは、この地を治める「氷の騎士」こと辺境伯ジークフリート。 冷徹で恐ろしいと噂される彼だったが、レティシアの作った唐揚げやプリンを食べた瞬間、その氷の表情が溶け出して――? 「……美味い。この味を、一生求めていた気がする」 (ただの定食なんですけど、大げさすぎません?) 強面だけど実は甘党な辺境伯様に胃袋を掴んで求婚され、拾った白い子犬には懐かれ、レティシアの辺境ライフは毎日がお祭り騒ぎ! 一方、彼女を捨てた王太子と自称聖女は、レティシアの加護が消えたことでご飯が不味くなり、不幸のどん底へ。 「戻ってきてくれ」と泣きつかれても、もう知りません。 私は最強の旦那様と、温かいご飯を食べて幸せになりますので。 ※本作は小説家になろう様でも掲載しています。ちなみに以前投稿していた作品のリメイクにもなります。

お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?

水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」 「はぁ?」 静かな食堂の間。 主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。 同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。 いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。 「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」 「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」 父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。 「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」 アリスは家から一度出る決心をする。 それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。 アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。 彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。 「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」 アリスはため息をつく。 「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」 後悔したところでもう遅い。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!

藤野ひま
ファンタジー
 わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。  初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!  夫や、かの女性は王城でお元気かしら?   わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!  〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

婚約破棄された王太子妃候補ですが、私がいなければこの国は三年で滅びるそうです。

カブトム誌
恋愛
王太子主催の舞踏会。 そこで私は「無能」「役立たず」と断罪され、公開の場で婚約を破棄された。 魔力は低く、派手な力もない。 王家に不要だと言われ、私はそのまま国を追放されるはずだった。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 この国が長年繁栄してきた理由も、 魔獣の侵攻が抑えられていた真の理由も、 すべて私一人に支えられていたことを。 私が国を去ってから、世界は静かに歪み始める。 一方、追放された先で出会ったのは、 私の力を正しく理解し、必要としてくれる人々だった。 これは、婚約破棄された令嬢が“失われて初めて価値を知られる存在”だったと、愚かな王国が思い知るまでの物語。 ※ざまぁ要素あり/後半恋愛あり ※じっくり成り上がり系・長編

処理中です...